「骨髄」血液成分のチェック

きれいな血液には、末な骨と内臓が必要

骨と血液には密接な関係があります。というのも、骨は血液の主要成分である赤血球や白血球、血小板の「製造工場」なのですから。

白くてかたい骨は、サラサラ流れる血液とは対極のもののような印象があるでしょう。だから、血液が骨から生まれるなんて聞くと、ちょっと不思議な感じがするかもしれません。
たしかにイメージする白い骨自体が血球を生みだしているわけではありません。正確には、骨の中央を満たしているやわらかい組織、骨髄が造血器官として働いているのです。

赤血球、白血球、血小板は、形も働きもまったく異なりますが、もとをどれば同じもの。骨髄の造血幹細胞から生まれ、分化したものです。だから、骨は正確にいえば骨髄の造血機能がきちんと働いていることが、きれいで、健康な血液をつくる大前提といえます。

すべての血球のもとは骨の中にある

血球や血小板、また白血球の顆粒球と単球は、造血醐胞から分萄化した骨髄系幹細胞から生まれ、骨髄の中で育ったあと、血管の中に旅立っていきます。白血球のうちリンパ球は、造血幹細胞から分化したリンパ球系幹細胞から生まれます。

血液のガンは骨髄の問題

白血病や再生不良性貧血といった、いわゆる「血液のガン」は、骨髄の造血機能が、なんらかの理由で正常に働かなくなったために起こります。
白血病は、未熟な白血球が骨髄の中で異常に増殖し、正常な白血球細胞の増殖が抑えられてしまう病気。再生不良性貧血は、造血幹細胞が減少し、赤血球、白血球、血小板がいずれもいちじるしく減少してしまう病気です。

ガン予防のための習慣

「血漿」血液成分のチェック

必要な物質もゴミも運ぶ液体

血球以外の液体成分である血漿。そのおよそ9割は水分でタンパク質や脂質、ブドウ糖、ホルモン、血小板とともに働く血液凝固因子など、命に欠かせない必要物資を溶かし込み、体中に運ぶ役割をしています。
もちろん、血漿そのものは運ぶものを決めることができません。
なんだって運ぶのです。
食べ過ぎが続いたり、消化・吸収の働きが低下していると、糖や脂肪がかたまりになって血漿の中を浮遊します。こうした浮遊物はプラークと呼ばれます。プラークはなんの役にも立たないごみです。

たとえ必要な成分でも、増えすぎればいいことはありません。みな血漿中に漂う汚れになってしまいます。血液がきれい・汚れているという判断は、血渠が運ぶ荷物の種類や状態、量によるわけです。

なお、「血清」という言葉も、よく見聞きすると思います。試験管に入れた血液を放置しておくと、下のほうに血球などの固形成分がたまってかたまります。
このかたまりには血液凝固因子も含まれています。上澄みの液体が血清です。つまり、血祭から血液凝固因子が除かれたものが血清です。一般におこなわれる血液検査では、この血清が含む、いろいろな物質の有無、量を調べているのです。

「血小板」血液成分のチェック

緊急時に活躍、出血を止める

血小板は赤血球白血球よりもずっと小型の円盤状をした血球です。

平常時にはあまり出番のない血小板ですが、けがで血管が破れたときなど、緊急時には活躍します。
血小板には、粘着性と凝集能力があります。
そのために血管が傷ついて出血すると、損傷部分に血小板がくっつき、傷をふさいで出血を止めたり、血管の修復をする働きをします。

血小板のもつ粘着能力と凝集能力には、血管を詰まらせる原因になるかたまり(血栓)をつくってしまうという、こまった側面もあります。詰まらせるほどの大きなかたまりにはならなくても、血小板が凝集した状態は、血液の流れを滞らせてしまう原因になりかねません。

もちろん、「だから血小板は少ないほうがよい」ということではありません。少なすぎれば、出血しやすく、また止血しにくい状態になってしまうのですから。血栓や凝集をまねく状態をさける…。つまり、血液をきれいな状態に保てば、血小板も「こまった側面」をみせないですむのです。

血小板に関する検査

少なすぎても多すぎてもよくありません。

  基準値
血小板(PL) 15~40万個/mm3

「白血球」血液成分のチェック

外敵と闘う防衛の役割

私たちのからだの中には、呼吸や飲食などを通じて、いろいろなものが入り込んできます。無害なものならいいけれど、なかには細菌やウィルスなどの病原体もまぎれています。

こうした外敵から、からだを守る大事な役目を果たしているのが白血球です。白血球の働きがなければ、私たちの血液は異物だらけに。

血液をきれいにする大きな役割をもつ血球といえます。白血球といっても、形や性質によって種類はいろいろで、防衛のしかたも異なります。

まずは「食べて無害化する」方法。これは好中球や単球という白血球の担当です。「抗体をつくって対抗する」方法はリンパ球の担当です。

リンパ球にはT リンパ球(T細胞) とBリンパ球(B細胞) の2種類があります。抗体をつくる実行役はBリンパ球、「抗体をつくれ」とBリンパ球に命令するのはTリンパ球の役目です。

がん細胞をやっつけるナチュラルキラー細胞(NK細胞)も、リンパ球の仲間です。異物を直接、攻撃・退治する好中球は1.5日と短命なのに対し、免疫システムを担うリンパ球は比較的に長生きです。抗体をつくるB細胞の寿命は10~20日間程度、そして指令役のT細胞は、免疫反応を記憶するという重要な仕事があるため、10年間も血管内で生き続けます。

あらゆる手段で防衛する

白血球は形や性質によって、大きくは「顆粒球」「単球(マクロファージ)」「リンパ球」に分類されます。顆粒球は、さらに性質の違いから「好中球」「好酸球」「好塩基球」の3 つにわけられています。

体を守る貪食作用

体内に細菌などの異物が侵入してくると、まず好中球や単球(マクロファージ、貪食細胞ともいう)が集まってきて、異物を取り込んで消化し、無害化してしまいます。

抗体をつくって守る免疫

体内に侵入してきた異物(抗原)をTリンパ球(T細胞)がとらえ、Bリンパ球(B細胞)に異物に対抗する抗体をつくるように命令、指令を受けたBリンパ球は抗体を生産し、血液中に放出します。再度、同じ抗原が侵入してきた場合には、すぐに大量の抗体がつくられ、抗原を無力化します。

白血球に関する検査
  基準値
白血球数(WBC) 4000~8000個/mm3

「赤血球」血液成分のチェック

赤い色の血をつくる酸素の運び屋

血液が赤いのは赤血球があるからです。ひと目で「赤い」とわかるのですから、血液中にたくさんの赤血球が含まれていることは容易に想像できますね。

実際、血球のほとんどは赤血球であるといってもいいくらいです。肺で受け取った酸素を体内の細胞に供給し、細胞から二酸化炭素を回収してまわる役目を果たしているのが赤血球、正確いえば、赤血球の中にぎっしりつまったヘモグロビン(血色素)です。

運搬役のヘモグロビンの量が減ってしまうと、細胞が酸欠状態に陥ってしまいます。この状態が「貧血」です。正常な赤血球は、丸いクッションの真ん中をくぼませたような形をしていて、直径約7~8ミクロメートル(1ミクロメートルは1000分の1ミリメートル)、厚さはおよそ2ミクロメートルほどの小さなもの。ひとつつひとつの赤血球は、約120日、だいたい4ヶ月でその寿命を終えます。

酸素の運び屋は「ヘム鉄」

ヘモグロビンは、ヘムという鉄分を含んだ赤い色素と、グロビンというたんばく質とが結合したもの。鉄は酸素と結びつきやすい性質をもっているので、ヘモグロビンが酸素をいっぱいつけて全身のすみずみの細胞まで酸素を運んでいきます。

赤血球に関する検査

少なすぎれば貧血です。ただし、多すぎるのも、血液がドロドロになって血栓ができやすくなるため、よい状態ではありません。

 
基準値
  男性 女性
赤血球 400~550万/mm3 350~450万/mm3
ヘモグロビン 13~18g/dl 12~16g/dl
ヘマトクリット 40~50% 35~45%
     

関連情報

ダイエットの成功も血液にかかっている

「この頃、体重が増えている」「全然、やせない」とお悩みのあなた。あなたの血液、栄養過剰のドロドロ血液かもしれません。

太る!その仲介役は血液

太る理由は単純です。それは、からだには「あまったものはためておく」というしくみがあるからの他なりません。食べものから得た栄養のうち、すぐにエネルギーとして消費されるもの以外は中性脂肪に変わり、皮下の脂肪細胞や肝臓にたくわえられます。

食事ができない、激しい運動などでエネルギーが不足しそう、といった緊急時に備えているのです。でも、現代の生活では、こうした緊急事態より、食べすぎや運動不足などによるエネルギー過多のほうが問題。中性脂肪がどんどんたまれば、当然太ってしまうのです。

ここで着目したいのは「すぐにエネルギーとして消費されるもの以外のよぶんな栄養」という点。過剰な栄養分を脂肪細胞に運ぶのは血液です。

運ぶものが多ければ流れも滞りがち。血液はドロドロ、ネバネバしてきます。それを解消するために、よぶんな栄養分を脂肪組織が保管しておくわけです。

つまり、脂肪細胞を動員して「きれい」にしなければならないような血液の状態では、いつまでたっても肥満は解消されない、といえるのです。

断食の有効性

「ダイエットに有効」「血液をきれいにする」などといったうたい文句に誘われて、「断食しようかな」…なんて考えている人はいませんか?

確かに、食べなければ、血液によぶんな栄養が入り込むことはないし、たくわえを取りくずすしかないので、やせるでしょう。しかし、断食はおすすめできません。
というのも、食べなければ、ビタミンやミネラルといった体内でつくりおきできない栄養素が、絶対的に不足してしまうから。体重は減っても健康はそこなわれるという、こまった事態が起こる危険が大きいのです。

ドロドロ血液は肥満のもと

  1. 甘い物や脂っこいものををたくさん食べる
  2. 血液中の栄養分が過剰になりドロドロ度アップ
  3. 脂肪組織に余分な栄養を蓄えてしまう(皮下だけでなく内臓の周囲の脂肪組織も膨らんでいく)
  4. 肥満(脂肪組織が膨らんで肥満状態になる)