「血小板」血液成分のチェック

緊急時に活躍、出血を止める

血小板は赤血球白血球よりもずっと小型の円盤状をした血球です。

平常時にはあまり出番のない血小板ですが、けがで血管が破れたときなど、緊急時には活躍します。
血小板には、粘着性と凝集能力があります。
そのために血管が傷ついて出血すると、損傷部分に血小板がくっつき、傷をふさいで出血を止めたり、血管の修復をする働きをします。

血小板のもつ粘着能力と凝集能力には、血管を詰まらせる原因になるかたまり(血栓)をつくってしまうという、こまった側面もあります。詰まらせるほどの大きなかたまりにはならなくても、血小板が凝集した状態は、血液の流れを滞らせてしまう原因になりかねません。

もちろん、「だから血小板は少ないほうがよい」ということではありません。少なすぎれば、出血しやすく、また止血しにくい状態になってしまうのですから。血栓や凝集をまねく状態をさける…。つまり、血液をきれいな状態に保てば、血小板も「こまった側面」をみせないですむのです。

血小板に関する検査

少なすぎても多すぎてもよくありません。

  基準値
血小板(PL) 15~40万個/mm3

「白血球」血液成分のチェック

外敵と闘う防衛の役割

私たちのからだの中には、呼吸や飲食などを通じて、いろいろなものが入り込んできます。無害なものならいいけれど、なかには細菌やウィルスなどの病原体もまぎれています。

こうした外敵から、からだを守る大事な役目を果たしているのが白血球です。白血球の働きがなければ、私たちの血液は異物だらけに。

血液をきれいにする大きな役割をもつ血球といえます。白血球といっても、形や性質によって種類はいろいろで、防衛のしかたも異なります。

まずは「食べて無害化する」方法。これは好中球や単球という白血球の担当です。「抗体をつくって対抗する」方法はリンパ球の担当です。

リンパ球にはT リンパ球(T細胞) とBリンパ球(B細胞) の2種類があります。抗体をつくる実行役はBリンパ球、「抗体をつくれ」とBリンパ球に命令するのはTリンパ球の役目です。

がん細胞をやっつけるナチュラルキラー細胞(NK細胞)も、リンパ球の仲間です。異物を直接、攻撃・退治する好中球は1.5日と短命なのに対し、免疫システムを担うリンパ球は比較的に長生きです。抗体をつくるB細胞の寿命は10~20日間程度、そして指令役のT細胞は、免疫反応を記憶するという重要な仕事があるため、10年間も血管内で生き続けます。

あらゆる手段で防衛する

白血球は形や性質によって、大きくは「顆粒球」「単球(マクロファージ)」「リンパ球」に分類されます。顆粒球は、さらに性質の違いから「好中球」「好酸球」「好塩基球」の3 つにわけられています。

体を守る貪食作用

体内に細菌などの異物が侵入してくると、まず好中球や単球(マクロファージ、貪食細胞ともいう)が集まってきて、異物を取り込んで消化し、無害化してしまいます。

抗体をつくって守る免疫

体内に侵入してきた異物(抗原)をTリンパ球(T細胞)がとらえ、Bリンパ球(B細胞)に異物に対抗する抗体をつくるように命令、指令を受けたBリンパ球は抗体を生産し、血液中に放出します。再度、同じ抗原が侵入してきた場合には、すぐに大量の抗体がつくられ、抗原を無力化します。

白血球に関する検査
  基準値
白血球数(WBC) 4000~8000個/mm3

「赤血球」血液成分のチェック

赤い色の血をつくる酸素の運び屋

血液が赤いのは赤血球があるからです。ひと目で「赤い」とわかるのですから、血液中にたくさんの赤血球が含まれていることは容易に想像できますね。

実際、血球のほとんどは赤血球であるといってもいいくらいです。肺で受け取った酸素を体内の細胞に供給し、細胞から二酸化炭素を回収してまわる役目を果たしているのが赤血球、正確いえば、赤血球の中にぎっしりつまったヘモグロビン(血色素)です。

運搬役のヘモグロビンの量が減ってしまうと、細胞が酸欠状態に陥ってしまいます。この状態が「貧血」です。正常な赤血球は、丸いクッションの真ん中をくぼませたような形をしていて、直径約7~8ミクロメートル(1ミクロメートルは1000分の1ミリメートル)、厚さはおよそ2ミクロメートルほどの小さなもの。ひとつつひとつの赤血球は、約120日、だいたい4ヶ月でその寿命を終えます。

酸素の運び屋は「ヘム鉄」

ヘモグロビンは、ヘムという鉄分を含んだ赤い色素と、グロビンというたんばく質とが結合したもの。鉄は酸素と結びつきやすい性質をもっているので、ヘモグロビンが酸素をいっぱいつけて全身のすみずみの細胞まで酸素を運んでいきます。

赤血球に関する検査

少なすぎれば貧血です。ただし、多すぎるのも、血液がドロドロになって血栓ができやすくなるため、よい状態ではありません。

 
基準値
  男性 女性
赤血球 400~550万/mm3 350~450万/mm3
ヘモグロビン 13~18g/dl 12~16g/dl
ヘマトクリット 40~50% 35~45%
     

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