乳酸菌 腸の機能をアップさせよう

おなかの調子は、血液の状態を大きく左右します。乳酸菌など、腸内でよい働きをしてくれる善玉菌を増やして、おなかの調子を整えましょう。

腸の機能が高まれば、血液もきれいに

糖類に働きかけて乳酸をつくる細菌類が乳酸菌です。よく知られているビフィズス菌のほかにも、いろいろ仲間がいます。ヨーグルトや乳酸菌飲料だけでなく、チーズやバター、しょうゆ、みそなどができるのも乳酸菌のおかげです。

乳酸菌は私たちの腸のなかにも棲みついています。腸内の乳酸菌は、腸の働きを活発にしてくれる善玉菌。善玉菌が増えると、有害物質をつくる腸内の悪玉菌の繁殖が減って消化・吸収機能がアップ、便通を改善する効果も。

いずれも、きれいな血液を保つために有効です。また、乳酸菌にはコレステロールを減らす働きがあることもわかってきました。乳酸菌の菌の表面には、コレステロールをくっつける性質があるのです。

食品に含まれる乳酸菌は、胃酸で死滅してしまうものも少なくありません。でも、腸に届く前に死んでしまった場合でも、コレステロールを身につけて体外へ出ていったり、腸内で生きている善玉菌のエサになったりと、腸内環境を整えてくれる効果は望めます。

乳酸菌の摂取量

ヨーグルトなら1日カップ1 杯、130g 程度はとりましょう。乳酸菌そのものを、サプリメントでとる方法もあります。

ヨーグルト、乳酸菌飲料が手軽な供給源

乳酸菌を手軽に、しかも効果的にとるには、牛乳を乳酸菌で発酵させたヨーグルトや乳酸菌飲料がおすすめです。とくに特定保健用食品に利用されている乳酸菌類は、胃の中で死滅しにくく、生きたまま腸に届きやすい種類のもの。免疫力を高めたり、がん予防効果が認められているものもあります。ヨーグルトや乳酸菌飲料を選ぶときのめやすにしましょう。

生きたっま腸に届く乳酸菌
  • ビフィズス菌
  • BE80
  • ラクトパチルス菌
  • LG21
  • LC1
  • GG
  • ロイテリ菌
  • ガセリ菌SP株
  • アシドフィルス菌
  • L55
  • ヤクルト菌
  • L・カゼイ・シロタ株
オリゴ糖をプラスすれば、いっそう効果的

糖質の一種、オリゴ糖には、腸内の善玉菌の工サになって、善玉菌を増やす働きがあります。ハチミツやきなこなど、天然のオリゴ糖を含む食材をヨーグルトのトッピンクにもちいれば、腸内環境の改善に、いっそう役立ちます。
乳酸菌&オリゴ糖 2つの力でおなかスッキリ

脂質 魚の脂が血栓を予防する

コレステロール、中性脂肪などの脂質は、多すぎれば血液の汚れを進める最大の原因に。脂質の種類にも注目して、バランスよくとることが大事です。

脂質もいろいろ、バランスが大事

脂質にはいろいろな仲間がありますが、大きくは、コレステロールと脂肪酸の2つにわけられます。中性脂肪は脂肪酸とグリセロールという物質からできていますが、脂肪酸もまた、複数のタイプにわけられます。

さまぎまなタイプの脂質は、それぞれ、からだの中で違った働きをしています。「ダイエットの大敵」と憎まれがちな脂質ですが、とりすぎより欠乏するほうがもっと大問題です。
とりすぎないのはあたりまえ。血液をきれいにするためには、もう一歩進んで、「どんな脂質を、どれくらいの割合でとるか」を考えることが大事です。

とくに注目したいのは魚の油です。魚がもつDHA、EPAという多価不飽和脂肪酸は、コレステロールを下げる働きがあるだけでなく、血液をかたまりにくくし、できてしまった血栓を溶かす作用もあります。
魚を食べる回数を増やすことは、脂質のバランス改善に効果的な方法。まずは、ここから始めてみるとよいでしょう。

摂取量

総エネルギー量の20~25% 程度に。脂肪たっぶりの食材は控え、調理に使う油は、1日大さじ1~2程度にとどめます。

それぞれのグループからバランスよく

脂質のうち、脂肪酸の仲間のバランスに注目して。ひとつのグループにかたよらないようにしましょう。

飽和脂肪酸(肉の脂肪、バター、卵など)
コレステロールは、飽和脂肪酸を材料に体内でも合成されます。だから、飽和脂肪酸のとりすぎは、コレステロールを増やしてしまいます。
不飽和脂肪酸(一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、N6系、N3系)
不飽和脂肪酸は、体内でのコレステロールや… ∩ー6 系や中性脂肪の合成を抑える働きがあります。…ただし、多価不飽和脂肪酸のうち、∩ー6 系が増えすぎると、この効果も半減。逆に∩ー3 系ぱかりでは、酸化が進みやすいというデメリットもあります。
1日1食は魚を主菜に。植物油もかえてみる

まずは、1日1食は魚を主菜にしましょう。さらに調理やドレッシングに使う油の見直しを。コレステロールや中性脂肪を上げにくいとして、特定保健用食品に認定されている食用油は、大豆油や菜種油を加工してつくられたもの。こうした商品を利用したり、オリーブ油を使うのもよい方法です。

血栓の予防にEPA・DHA

糖質(炭水化物)血液をネバつかせる「甘いもの」は控える

疲れているときに、甘いものがほしくなることがありませんか?甘いものは糖質の一種で、即効性のあるエネルギー源になります。でも、食べすぎは禁物です。

甘いものほど、消化・吸収されやすい

私たちは、ブドウ糖という燃料を燃やしてエネルギーをつくっています。このブドウ糖をはじめとする「単糖」が、つながってできたものです。ごはんもケーキも、糖質をたっぷり含むという点では同じです。

ごはんとケーキは似ても似つかないイメージを持っている人も多いかもしれません。たしかに、甘さが全然違います。糖質の仲間には、単糖類、単糖が2個つながった2糖類、たくさんつながっている多糖類の3つの種類があります。

糖のつながりが少ないほど、甘味を強く感じます。ごはんに含まれる糖質は、でんぷんという多糖類、ケーキにたっぷり含まれた砂糖は二糖類。どちらが甘いかは、いうまでもありませんね。糖質は、すべて単糖に分解されて吸収されます。たくさんつながっていれば、それだけ消化・吸収にかかる時間が長くなります。

逆に、砂糖のような二糖類は、消化・吸収のスピードが速くなります。即効性の高いエネルギー源という利点はありますが、半面、急激に血液中の糖分が高まってしまうおそれも。血糖の高まりは、血液を汚す原因のひとつです。

摂取量

総エネルギー量の50% 以上は糖質からとるようにします。主食をしっかり食べていれば、このくらいの割合になります。

穀類、イモ類などを主体に

ケーキや果物などの甘いものは、すぐに消化・吸収されてしまうため、急激に血糖値を上げるもとに。エネルギー源の補給には、甘いものより、穀頬やイモ類を活用して。
でんぶんなどの多糖類は、分解されにくいため、消化・吸収のスピードがゆっくり。食物繊維が多いこともあって、血夜が汚れにくいという特徴があります。主食をしっかり食べておけば、甘いものがほしくなる回数も減るはずです。

主食を胚芽米に変える

エネルギー源になるごはんは、白米より胚芽米がおすすめです。胚芽米は、胚芽米は、胚(種子が発芽する部分)を残した米のこと。この胚芽米を1~2時間水につけておくと、ギャバ(γ-アミノ酪酸)という成分がつくられます。
ギャバには、脳の血流をよくす終審凍る働きや、血圧を下げたり、中性脂肪を減らしたりする作用があります。どうせなら、大きなエネルギー源になる主食を胚芽米に変えて、ギャバの効果も活用しましょう。