冷え症 血行の悪さが最大の原因

手足が夏でも冷たい、足が冷たくてなかなか寝つけない、しもやけになりやすいなど、冷えの悩みは手足を中心に起こります。その最大の原因は、血行不良です。

ドロドロ血液は手足の末梢まで流れにくい

なぜ冷えるかというと、まず、からだがつくりだすエネルギー、つまり熱の量が少ないことがあげられます。これには食事の量の不足やバランスのわるさ、運動不足などが関係しています。

また、つくられた熱を運んでいるのは血液なので、その流れがわるくても冷えやすくなります。心臓から遠く、血管の内腔も狭い末梢血管ほど血行不良になりがち。
だから手足の先はもっとも冷えやすいのです。血行不良は、自律神経のバランスの乱れなど、さまざまな要因が絡みあって起こりますが、ドロドロとした血液も流れにくくなる要因のひとつです。

からだの冷えは、頭痛、肩こり、肌荒れ、のぼせ、むくみ、頻尿、食欲不振、下痢、便秘、腰痛、月経不順など、全身にいろいろな不快症状を起こします。
しかし、手足の冷えが解消すれば、ほかの不快症状もやわらいできます。末梢血管の血のめぐりがよくなるということは、からだ全体の血液循環がスムーズになることにほかならないからです。
ドロドロだけでない!ベタベタ、ギュウギュウ、ギトギト、スカスカ血液はリスクが高い

足の動脈硬化が原因の場合も

足先の血流を悪化させる原因のひとつに、足の血管に起こる動脈硬化、「閉塞性動脈硬化症」があります。足に十分な血液が行き渡らなくなるため、足が冷えたり、しびれたり、歩くとふくらはぎや太ももの後ろに痛みを感じたり、ふくらはぎがつったりするようになります。
悪化すると、血液が届かなくなった末端の組織が死んでしまい、場合によっては足を切断しなければならないこともあるほど。冷えだけでなく、しびれ、歩行時の筋肉痛などがあるときは、早めに受診しましょう。

手足の冷えを解消するポイント
もむ

手足の先には、血行回復に効果があるといわれるツボが点在しています。手足をマッサージする習慣をつけましょう。

食べる

エネルギーのもとは食べもの。食べものが消化吸収されて、エネルギー、つまり熱がつくられます。食事量が少なかったり、量は十分でも消化吸収がうまくいかなかったりすると、つくられる熱の量が少なくなってしまいます。消化のよい食べものを、十分とるように心がけましょう。

歩く

筋肉が活動するときには熱がつくられます。運動不足では、熱の生産量が落ちてしまいます。歩いて熱を発生させましょう。

温める

温まると血管は広がります。血液もそれだけ流れやすくなります。入浴はもちろん足だけ湯につけて温める足湯も効果的です。足だけでなく全身が温まります。くるぶしが十分隠れるぐらいの湯量、少し熱く感じる程度の湯温が最適です。
体温をあげる

貧血 さらさらしすぎ血液もダメ!

サラサラ流れていれば、血液はきれいなベストな状態…なんて思っていませんか?じっは、そうともいいきれません。サラサラしすぎは、貧血のうたがいがあります。

全身、酸素不足で疲れやすくなる

貧血とは血液が薄くなっている状態のこと。正確には、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの量が減少して、全身の細胞が受け取る酸素が足りなくなってしまった状態です。

貧血のなかでいちばん多いのは、鉄分の不足で起こる鉄欠乏性貧血です。赤血球の大部分を占めるヘモグロビンは、おもに鉄分とたんばく質からできているので、体内の鉄分が足りないと、材料不足で減ってしまうのです。鉄欠乏性貧血は女性に多くみられますが、高齢の男性にも少なくありません。
貧血の予防と治療

貧血になると、顔色がわるくなったり、口の中の粘膜やまぶたの裏側が白っぽくなったりします。動悸、息切れ、立ちくらみ、めまい、耳鳴りなどの症状が起こることもあり、また、とても疲れやすくなります。粘り気の強いドロドロした血液は、全身にわるい影響をおよぼします。でも、貧血のように血液が薄くてサラサラしすぎている状態も、決してよくくはないのです。

貧血のタイプ

  • 材料不足
    鉄やどタミンB12の欠乏で赤血球がつくれない(鉄欠乏性貧血、悪性貧血など)
  • 骨髄の異常
    骨髄の異常によって赤血球がつくれない(再生不良性貧血)
  • 壊れやすい
    赤血球はできるが寿命が短くなってしま
    う(溶血性貧血)
鉄欠乏性貧血の原因

女性に多いイメージがありますが、男性にもあてはまる原因がいろいろあります。

どんどんなくなる

胃、十二指腸、大腸など消化管からの出血、痔からのたびたびの出血、女性の場合は月経血や分娩時の出血など、失われる血液の量が多いと、鉄欠乏を起こします。

使う量が増えた

妊娠中の女性は、おなかの赤ちやんが使う分だけ、必要な鉄の量が増えるため、食事に十分注意していないと貧血に。授乳期間も、母乳のなかに栄養分を送り込むため、やはり貧血になりがちです。

吸収が悪い

胃を切除するなど、消化管の機能が低下すると、鉄分の吸収がわるくなります。それが原因で貧血になることもあります。

エコノミー症候群 遠距離移動時に注意したい

「ロングフライト血栓症」という病気を知っていますか?「エコノミークラス症候群」と聞けば、「ああ、アレね」とピンとくる人も多いのではないでしょうか。

乾燥によるドロドロ血で危険が増す

飛行機などで遠距離移動をしたときには、長時間、同じ姿勢で座っていなければなりません。その場合、足の静脈の血が流れにくくなり、膝の裏あたりの静脈に小さな血栓ができることがあります。
その血栓が静脈を通って肺まで流れていくと、肺の細い血管に詰まって、息苦しさや胸の痛みを感じるようになります。これがロングフライト血栓症です。

おもな原因は、長時間、足を動かさないでいることと、乗物内の乾燥です。足を動かさず血液の流れがわるくなると血栓ができやすくなります。また、乾燥によって体内の水分が失われていくと、血が濃くなって血液の粘り気が増します。これも血栓ができやすくなる一因です。

乗物内で足を動かすこと、そして移動中はこまめに水分補給、これが発症を防ぐポイントです。肥満ぎみの人や、大きな手術を受けた人、過去に血栓ができたことがある人、激しいスポーツで足の血管が痛んでいる人などは発症しやすいので、とくに予防を心がける必要があります。

昔の呼び名のほうが知名度が高い

「エコノミークラス症候群」という名称で知られるようになりましたが、飛行機のエコノミークラスに乗った人だけでなく、ビジネスクラスや、ファーストクラスに乗っていても起こるケースもあるため、最近は「ロングフライト血栓症」とよばれるようになってきています。
長距離列車、長距離バスでの移動でも、まれに発症することがあります。長旅のあと、気になる症状があれば、すぐに病院へ。病院では、血栓を溶かすための治療をおこないます。

エコノミークラス症候群 | 桜島 活泉水による水分補給の効果

水分補給と足の運動で防げる

1 時間に1回は水分をとろう

1時間ごとにコップ半分ほどの割合で、水やジュースを飲むようにしましょう。コーヒーやアルコールには、水分を尿として出してしまう作用があるので、飲みすぎに注意。

ペットボトルを持参

眠っていて機内サービスを受けそこねた、ということも。飛行機に乗り込むときには、水分補給用に水や茶などのペットボトルを持参すると安心です。

足を動かす

1時間に1回、3~5 分くらい、かかとやつま先を上げ下げしたり、足首をくるくる回したり、左右の足で足踏みしたりしましょう。毎回、最後に深呼吸をすればより効果的。