Home > 2015年 > 1月

腸をひねることで排便をスムーズにする

便意があるのに、トイレに入っても出ない!そんな経験はないでしょうか。

女性や年配の人に多い便秘の原因となっているのは、次の3つのタイプです。

  1. 腸の蠕動(ぜんどう)不全型
  2. 直腸・肛門型
  3. ストレス型

1つめの腸の蠕動不全型の場合は、腸内環境の悪化によって、腸の活動(蠕動運動)が低下しているものです。2つめの直腸・肛門型では、排便の際に肛門を広げたり縮めたりする括約筋(かつやくきん)に問題があって、便が腸の中にあるのに排便にまで至らないのです。3つめのストレス型では、精神的にストレスやプレッシャーを感じることによって、腸の活動を司っている副交感神経のはたらきが低下しています。

これらは、互いに影響し合って、腸の活動を低下させます。しかし、便を排出するためには、原因がどのタイプの場合であっても、まずは腸のはたらきを良くして、蠕動運動を促さなければなりません。便秘を根本的に解決するには腸を動かすことが大切なのです。

蠕動運動を促すには、食事で食物繊維を摂るなど体の内側から腸内環境を良くすることが必要ですが、それ以外に、体の外側から刺激を与えることも重要です。

トイレに入ってもなかなか便が出ないというときには、トイレに座ったまま簡単にできるエクササイズがあるので試してみましょう。

ロダン作の「考える人」という彫刻のポーズがあるのですが、このポーズは、なんと排便に最適な姿勢だといいます。前かがみに座って体をひねるだけの簡単なポーズです。
まず、便座に座ったら、足を肩幅くらいに開きます。そして、上半身を少し前に倒し、右腕のひじを左足のひざの上に置いて手は軽くアゴに添えるようにし、上体を左へひねります。続いて、腕を逆にして同じようにし、上体を右へひねります。

前かがみに座ると肛門へ通じる直腸がゆるくカーブして、腹圧もかかるため、便が出やすくなります。体をひねることでも肛門括約筋が刺激され、直腸から便を排出させるのです。

トイレでの注意点は、便がなかなか出なくても焦らずリラックスすることです。どうしても出ない場合には、その時はあきらめてもかまわないのです。次のトイレチャンスを待ちましょう。

腸を揺らしてねじれ腸に詰まった便を出す

腸がねじれていて便が出にくい

日本人の多くは、海外の人々と比べ、腸がねじれているといわれています。

過敏性腸症候群という病気は、ストレスによるものというイメージがあるかと思いますが、国際的な診断基準では、腹痛を伴う排便障害の状態をいうそうです。

ある専門医が大腸の内視鏡検査を行ったときに、内視鏡がスムーズに通らない腸が多くて、そのとき、緊張で動きが止まらない腸は確かにストレス腸ですが、動きがなくても検査が難しい腸に関しては、腸がねじれていることがわかっています。

日本人の大半の腸が複雑にねじれているのは、遺伝の可能性が大きいと考えられています。親子や兄弟などは腸の形がよく似ていて、親が便秘だと子供も便秘という場合が多いといいます。

正常な腸というのは、模型や解剖図などで見る四角に収まるような形をしています。

腸がねじれていると、そのねじれた部分に便が詰まり、重みで腸が伸びてしまいます。お腹の中で伸びた腸は、狭いので、複雑に曲がってねじれていき、さらに便が出にくくなるのです。それが、頑固な便秘の原因となっています。

便秘は苦しいので、下剤を使わずにはいられない人もいるでしょうが、便秘薬の服用が習慣になると、大腸の粘膜が傷ついたり、薬が効かなくなることもあります。

自分の腸がねじれているかどうか、検査を受けなくてもチェックする方法があります。次のセルフチェックで2項目以上あてはまったら、腸がねじれている可能性があります。

  • 子供の頃から便秘だった
  • 排便のときお腹に痛みがある
  • 運動をしていない
  • 便秘と下痢をくり返す

腸をマッサージで刺激して便通を良くする

ねじれた腸は治すことはできませんが、腸を刺激するマッサージで、便通を良くしましょう。マッサージは、1日に1回、入浴時に行います。お風呂に入りながらリラックスしてできるので、ストレスからくる便秘の改善にも期待できます。

大腸は、正面から見ると、四角を描くようにあります。左側に上行結腸、上部に横行結腸、右側に下行結腸、そして、下部のS状結腸へとつながっています。このうち、腸がねじれやすく便が詰まりやすいのは、横行結腸と下行結腸のつながりの部分、下行結腸、S状結腸の3カ所です。

  1. まずは、湯船につかってゆったりします。
  2. 次に下行結腸を刺激します。両手の指全部で下行結腸を挟むようにして、交互に軽くトントンと叩き、上下にさするように1分ほど揺らします。
  3. 次はS状結腸を刺激。先ほどと同じように、S状結腸(おへその両横あたり)を指で挟むようにして交互に軽く叩き、上下にさするように1分ほど揺らします。
  4. 続いて、横行結腸と下行結腸を刺激。今度は、立って足を肩幅に開き、リラックスして上半身を左右に1分ほどひねります。

なお、腹部に病気がある人、腰痛をもっている人、妊娠している人は、このマッサージとひねりを行わないでください。

たまねぎ氷で善玉菌を増やし腸内腐敗を防ぐ

糖尿病をはじめとする生活習慣病の改善やダイエットに効果的だということで、以前話題になったのが「たまねぎ氷」です。

たまねぎ氷の考案者で、料理研究家であり管理栄養士でもある村上祥子さんによると、たまねぎできれいに痩せることができるということで、美しくいたいと思う女性は特に関心が高いでしょうが、たまねぎ氷という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。

手軽にできて、おいしくて、健康に良い、というたまねぎ氷は、加熱したたまねぎを水などと一緒にミキサーで撹拌し、ピューレ状にしたものを、製氷皿に入れて凍らせたものです。

そんなたまねぎ氷ですが、便秘を改善するのにも役立つといいます。

たまねぎで腸をあたため腸のはたらきを高める

便通を良くするには腸のはたらきを健やかにすることが必要で、腸のはたらきを活性化させるためには、腸をあたためることが大切になります。冷たい物の食べ過ぎや飲み過ぎに気をつけることはもちろん、腸をあたためる食材、料理を意識して食べたいものです。そして、たまねぎが体をあたためる食材の代表です。

たまねぎには辛みがありますが、それは強力な殺菌作用をもつ硫化アリルの一種のイソアリインによるものです。イソアリインには、内臓を刺激して、血流を良くするはたらきがあります。腸のはたらきはこれによって高まるのですが、生のままだと胃にとっては少し刺激が強いという一面もあるのです。そこで、加熱したあと凍らせたたまねぎ氷なら、刺激が緩和されて理想的ということになります。

たまねぎを加熱することでオリゴ糖が増えます。オリゴ糖には、腸内の善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌のえさとなってこれらを増やすはたらきがあります。腸内で善玉菌が増え優勢になると便秘が改善され、悪玉菌による腸内腐敗が防げるということになります。

腸の壁はコラーゲンで覆われているのですが、便秘で大腸の中の圧力が上がると、そのコラーゲンが薄くなり、憩室(けいしつ)という穴のようなものができます。そこに便のカスが溜まると、腸内腐敗が進んでしまいます。

コラーゲンの壁を健康な状態に保つためにはビタミンCが必要なのですが、食生活の乱れや疲労、ストレスなどによってビタミンCは破壊されてしまいます。たまねぎにはグルタチオン酸という抗酸化物質が多く含まれていて、それが体内のビタミンCを守ります。

このように、たまねぎは腸をあたためて善玉菌を増やし、腸壁を健康な状態にし、腸管免疫を高めて、ガンの予防やアレルギーの改善などにも力を発揮するのです。

そして、このたまねぎを胃に優しく、手軽に摂れるように考えられたのが、たまねぎ氷というわけです。1日に製氷皿のしきりの1個分だけでいいので、料理に加えて食べると腸内の善玉菌を増やすことができます。