腸がねじれていて便が出にくい
日本人の多くは、海外の人々と比べ、腸がねじれているといわれています。
過敏性腸症候群という病気は、ストレスによるものというイメージがあるかと思いますが、国際的な診断基準では、腹痛を伴う排便障害の状態をいうそうです。
ある専門医が大腸の内視鏡検査を行ったときに、内視鏡がスムーズに通らない腸が多くて、そのとき、緊張で動きが止まらない腸は確かにストレス腸ですが、動きがなくても検査が難しい腸に関しては、腸がねじれていることがわかっています。
日本人の大半の腸が複雑にねじれているのは、遺伝の可能性が大きいと考えられています。親子や兄弟などは腸の形がよく似ていて、親が便秘だと子供も便秘という場合が多いといいます。
正常な腸というのは、模型や解剖図などで見る四角に収まるような形をしています。
腸がねじれていると、そのねじれた部分に便が詰まり、重みで腸が伸びてしまいます。お腹の中で伸びた腸は、狭いので、複雑に曲がってねじれていき、さらに便が出にくくなるのです。それが、頑固な便秘の原因となっています。
便秘は苦しいので、下剤を使わずにはいられない人もいるでしょうが、便秘薬の服用が習慣になると、大腸の粘膜が傷ついたり、薬が効かなくなることもあります。
自分の腸がねじれているかどうか、検査を受けなくてもチェックする方法があります。次のセルフチェックで2項目以上あてはまったら、腸がねじれている可能性があります。
- 子供の頃から便秘だった
- 排便のときお腹に痛みがある
- 運動をしていない
- 便秘と下痢をくり返す
腸をマッサージで刺激して便通を良くする
ねじれた腸は治すことはできませんが、腸を刺激するマッサージで、便通を良くしましょう。マッサージは、1日に1回、入浴時に行います。お風呂に入りながらリラックスしてできるので、ストレスからくる便秘の改善にも期待できます。
大腸は、正面から見ると、四角を描くようにあります。左側に上行結腸、上部に横行結腸、右側に下行結腸、そして、下部のS状結腸へとつながっています。このうち、腸がねじれやすく便が詰まりやすいのは、横行結腸と下行結腸のつながりの部分、下行結腸、S状結腸の3カ所です。
- まずは、湯船につかってゆったりします。
- 次に下行結腸を刺激します。両手の指全部で下行結腸を挟むようにして、交互に軽くトントンと叩き、上下にさするように1分ほど揺らします。
- 次はS状結腸を刺激。先ほどと同じように、S状結腸(おへその両横あたり)を指で挟むようにして交互に軽く叩き、上下にさするように1分ほど揺らします。
- 続いて、横行結腸と下行結腸を刺激。今度は、立って足を肩幅に開き、リラックスして上半身を左右に1分ほどひねります。
なお、腹部に病気がある人、腰痛をもっている人、妊娠している人は、このマッサージとひねりを行わないでください。