便意があるのに、トイレに入っても出ない!そんな経験はないでしょうか。
女性や年配の人に多い便秘の原因となっているのは、次の3つのタイプです。
- 腸の蠕動(ぜんどう)不全型
- 直腸・肛門型
- ストレス型
1つめの腸の蠕動不全型の場合は、腸内環境の悪化によって、腸の活動(蠕動運動)が低下しているものです。2つめの直腸・肛門型では、排便の際に肛門を広げたり縮めたりする括約筋(かつやくきん)に問題があって、便が腸の中にあるのに排便にまで至らないのです。3つめのストレス型では、精神的にストレスやプレッシャーを感じることによって、腸の活動を司っている副交感神経のはたらきが低下しています。
これらは、互いに影響し合って、腸の活動を低下させます。しかし、便を排出するためには、原因がどのタイプの場合であっても、まずは腸のはたらきを良くして、蠕動運動を促さなければなりません。便秘を根本的に解決するには腸を動かすことが大切なのです。
蠕動運動を促すには、食事で食物繊維を摂るなど体の内側から腸内環境を良くすることが必要ですが、それ以外に、体の外側から刺激を与えることも重要です。
トイレに入ってもなかなか便が出ないというときには、トイレに座ったまま簡単にできるエクササイズがあるので試してみましょう。
ロダン作の「考える人」という彫刻のポーズがあるのですが、このポーズは、なんと排便に最適な姿勢だといいます。前かがみに座って体をひねるだけの簡単なポーズです。
まず、便座に座ったら、足を肩幅くらいに開きます。そして、上半身を少し前に倒し、右腕のひじを左足のひざの上に置いて手は軽くアゴに添えるようにし、上体を左へひねります。続いて、腕を逆にして同じようにし、上体を右へひねります。
前かがみに座ると肛門へ通じる直腸がゆるくカーブして、腹圧もかかるため、便が出やすくなります。体をひねることでも肛門括約筋が刺激され、直腸から便を排出させるのです。
トイレでの注意点は、便がなかなか出なくても焦らずリラックスすることです。どうしても出ない場合には、その時はあきらめてもかまわないのです。次のトイレチャンスを待ちましょう。