便秘解消のための腸浄化

自律神経を整え血流が改善すると細胞が活性化して腸内環境も整う

聞いたことがあるかもしれませんが、自律神経には、交感神経と副交感神経という2つの神経があります。この自律神経は、呼吸器や循環器、消化器の活動などを、私たちの意思とは関係なく、無意識のうちにコントロールしているのです。

交感神経というのは、日中や体を動かしている時に活発になり、副交感神経は夜間や安静時、リラックスしている時に活発になります。普通はこの2つの神経のバランスが保たれています。

そして、自律神経のバランスが乱れると、私たちの体には、さまざまな不調があらわれます。現代に生きている多くの人々が、多忙な生活やストレスによって自律神経が乱れ、健康を害しているといわれています。

自律神経の乱れを正すことができれば、血管が拡がって全身に質の良い血液を、しかもじゅうぶんに送ることができ、体はどんどん元気になります。

細胞が活性化されると、日常生活に必要なエネルギーが細胞内で効率良く生成され、代謝の活動が活発になります。ですから、全身の細胞のひとつひとつが元気になって、例えば肩こりや腰痛といった体に出る痛みが改善されたり、腸をはじめとした内臓のはたらきも活性化されます。

腸は全身の健康をつかさどる重要な臓器ですから、特に、免疫力に影響を与える腸内環境が整うことで、病気にかかりにくくなるのです。

副交感神経を優位にする呼吸法

副交感神経がつかさどっている体のはたらきの中で、呼吸だけが唯一、自分の意思でコントロールできます。

ストレスを感じると、呼吸は無意識に浅くなり、血流も悪くなります。そんなときは、息を長く吐いて意識的にゆっくり呼吸することで、副交感神経を高めることができます。

息を吸うのが1秒だとしたら息を吐くのが2秒となる、1対2の呼吸がおすすめです。4秒吸ったら8秒吐くくらいを目安として、ゆっくり呼吸することを心がけましょう。

日頃から、深呼吸することを意識しておくことも大切です。

腸が健康になると肌も健康になる

腸には便を排出するというとても重要な仕事がありますが、そのほか、消化吸収、免疫、ホルモンの分泌、解毒、血液の浄化などにも関わっています。

小腸には、食べたものを細かく分解して、その中から栄養素を吸収するという大切な役割があります。そこで吸収された栄養素は、血液と一緒に全身へ運ばれます。そして、ふつうは残ったカスが便として排出されるのですが、腸が弱ると、腸の壁に汚れが詰まったり、消化されていない食べたものがそのまま溜まったりして、腐敗することになります。

そうすると、栄養素が吸収されたときの腸の汚れも一緒に吸収されて血液に流れてしまうので、血液が汚れます。汚れた血液は流れが悪くなって、体のむくみや冷えを引き起こし、肌には吹きでものができやすくなるのです。

腸が元気にはたらかなくなる原因としては、乱れた食事や生活習慣、また、ストレスといった精神的なことも大きく影響しています。このような生活が続いているとすれば、排便が毎日あるという人の場合にも、腸が弱っている可能性はじゅうぶんにあります。

腸というのはとても敏感な臓器で、便を出すための刺激が強すぎると、余計な緊張を与えることになって、腸は疲弊してしまうのです。

腸の活動が元気になれば自然と便通が整います。血液がきれいになって流れもスムーズになるので、むくみや冷え、吹き出ものも改善されます。さらには、高血圧が改善されたという例もあるというので、いかに腸と血液が深く関係しているのかがわかります。

特に女性にとってはうれしいことがたくさんあるので、いつも腸を健康な状態にしておきたいものです。

腸をひねることで排便をスムーズにする

便意があるのに、トイレに入っても出ない!そんな経験はないでしょうか。

女性や年配の人に多い便秘の原因となっているのは、次の3つのタイプです。

  1. 腸の蠕動(ぜんどう)不全型
  2. 直腸・肛門型
  3. ストレス型

1つめの腸の蠕動不全型の場合は、腸内環境の悪化によって、腸の活動(蠕動運動)が低下しているものです。2つめの直腸・肛門型では、排便の際に肛門を広げたり縮めたりする括約筋(かつやくきん)に問題があって、便が腸の中にあるのに排便にまで至らないのです。3つめのストレス型では、精神的にストレスやプレッシャーを感じることによって、腸の活動を司っている副交感神経のはたらきが低下しています。

これらは、互いに影響し合って、腸の活動を低下させます。しかし、便を排出するためには、原因がどのタイプの場合であっても、まずは腸のはたらきを良くして、蠕動運動を促さなければなりません。便秘を根本的に解決するには腸を動かすことが大切なのです。

蠕動運動を促すには、食事で食物繊維を摂るなど体の内側から腸内環境を良くすることが必要ですが、それ以外に、体の外側から刺激を与えることも重要です。

トイレに入ってもなかなか便が出ないというときには、トイレに座ったまま簡単にできるエクササイズがあるので試してみましょう。

ロダン作の「考える人」という彫刻のポーズがあるのですが、このポーズは、なんと排便に最適な姿勢だといいます。前かがみに座って体をひねるだけの簡単なポーズです。
まず、便座に座ったら、足を肩幅くらいに開きます。そして、上半身を少し前に倒し、右腕のひじを左足のひざの上に置いて手は軽くアゴに添えるようにし、上体を左へひねります。続いて、腕を逆にして同じようにし、上体を右へひねります。

前かがみに座ると肛門へ通じる直腸がゆるくカーブして、腹圧もかかるため、便が出やすくなります。体をひねることでも肛門括約筋が刺激され、直腸から便を排出させるのです。

トイレでの注意点は、便がなかなか出なくても焦らずリラックスすることです。どうしても出ない場合には、その時はあきらめてもかまわないのです。次のトイレチャンスを待ちましょう。