血液の汚れが原因の病気・症状

糖尿病 過剰な糖は汚れでしかない

血液中のブドウ糖(血糖)は、全身の細胞のエネルギー源。でも、増えすぎると血管を傷つけるもとに。血糖が増えすぎる病気、糖尿病には注意が必要です。

血管の傷みをまねく過剰なブドウ糖

全身の細胞がブドウ糖を利用するためには、膵臓から出るインスリンというホルモンの働きが必要です。インスリンの働きがわるくなると、ブドウ糖が利用されにくくなり、血液中に漂うことに。これが糖尿病の状態です。

血液中の過剰なブドウ糖は、血管壁にくっついて血管壁のたんばく質と化学反応を起こします。このとき発生する活性酸素が血管壁を傷つけます。
こうしてできた傷は、アテローム性動脈硬化症のきっかけのひとつになります。また、血糖を養分に、血液中に入り込んだカビや細菌が繁殖しやすい状態になります。

これを排除しようとして白血球が集まり、プラークをつくったり、酸化をさらに進める危険もあります。糖尿病は、腎臓、目などの細い血管だけでなく、心臓や脳の血管にもダメージを与えます。血液中の過剰な糖は、血管を傷めつける汚れでしかないということはあきらかです。

糖尿病 | 健康メモ

動脈瘤 血液の逆流がまねく静脈のコブ

足の静脈がぼこっとコブのように浮き出る静脈瘤。中年以降の子どもを産んだ経験のある女性に多くみられます。静脈の血液の流れにくさが、コブのもとになってしまいます。

長時間の立ち仕事は避ける

静脈には、逆流を防ぐために心臓の方向に開く弁があります。ただ、静脈の場合、動脈と追って血液の流れがゆるやかです。そのため血液がよどみやすく、血液がたまって静脈内の圧力が上昇したり、弁に障害が起きたり、静脈壁の内膜が傷ついて血栓ができたりすると、血液の逆流が生じ、静脈の一部がふくらんでコブをつくることがあります。これが静脈癌です。

静脈癌は足の静脈によく起こります。立った姿勢では、青いコブがボコッともりあがっているのが目立ちますが、足を持ち上げて寝ると、コブは消えます。

また、立ったままでいると、だるくて重苦しい痛みが出ますが、歩くと症状が少し改善されます。軽症なら、長時間の立ち姿勢をさけて足を持ち上げるようにし、マッサージなどで静脈の流れをよくします。症状が強く、皮膚にも変化がみられるようなら、静脈癌を取り除く手術が必要になります。

動脈瘤 破裂すれば命にかかわる場合も

動脈にできるコブ、つまり、動脈の壁が弱くなって、部分的あるいは全体的にふくらんだ状態が動脈瘤です。ときには命にかかわる事態になることもあるため、治療が必要です。

コブをつくる要因のひとつは、やはり動脈硬化

動脈硬化の血液はこちら
動脈は、血圧によって広がろうとする内側からの力に対して、血管壁の平滑筋や弾性線維などが収縮することによって、形を保っています。

しかし、内側からの力が強まったり、平滑筋や弾性線維になんらかの障害が起きると、血管がふくらんでコブができます。この場合、動脈壁の三層構造(内膜、中膜、外膜)は保たれていますが、動脈壁の層がはがれできる、特殊な動脈瘤(解離性動脈瘤) もあります。どちらのタイプの動脈瘤も、動脈硬化や高血圧があると起こりやすくなり・ます。

外傷、からだの組織をつなぐ結合組織の弾力性が生まれつき弱いことなどが原因で起こることもります。動脈瘤が破裂したり、中膜のはがれが進んだりすると、命にかかわることもあるので、早急な治療が必要です。