血液中のブドウ糖(血糖)は、全身の細胞のエネルギー源。でも、増えすぎると血管を傷つけるもとに。血糖が増えすぎる病気、糖尿病には注意が必要です。
血管の傷みをまねく過剰なブドウ糖
全身の細胞がブドウ糖を利用するためには、膵臓から出るインスリンというホルモンの働きが必要です。インスリンの働きがわるくなると、ブドウ糖が利用されにくくなり、血液中に漂うことに。これが糖尿病の状態です。
血液中の過剰なブドウ糖は、血管壁にくっついて血管壁のたんばく質と化学反応を起こします。このとき発生する活性酸素が血管壁を傷つけます。
こうしてできた傷は、アテローム性動脈硬化症のきっかけのひとつになります。また、血糖を養分に、血液中に入り込んだカビや細菌が繁殖しやすい状態になります。
これを排除しようとして白血球が集まり、プラークをつくったり、酸化をさらに進める危険もあります。糖尿病は、腎臓、目などの細い血管だけでなく、心臓や脳の血管にもダメージを与えます。血液中の過剰な糖は、血管を傷めつける汚れでしかないということはあきらかです。