オリーブオイルは腸ストレスに最適

腸にはオリーブオイルがおすすめ、とよく耳にしたり目にするようになりました。ここでそのまとめと、オリーブオイルの選び方をご紹介したいと思います。

まずオリーブオイルの主成分はオレイン酸です。このオレイン酸は、一時的に多く摂った場合は小腸で吸収されにくい成分なので、腸壁をゆっくりと刺激することができます。また大腸を刺激し、さらに老廃物と混じって腸管内の便をなめらかにして、排便をスムーズに促す役割があります。

またオリーブオイルを他のオイルと比べた場合ですが、他のオイルは主に小腸で吸収されることが多いので、大腸まで到達するオリーブオイルは、まさに腸内環境を整えるのには最適です。

オリーブオイルには、その酸度や味によっていろいろな種類があります。まず一番のおすすめは、エクストラバージンオリーブオイルです。オリーブの果実をその涼ま搾ったオイルで、エクストラバージンオリーブオイルはその中でも最高級品になります。

風昧がよくそのままスプーンで飲むこともできます。どんな料理とも相性がよいのが特徴です。またエクストラバージンオリーブオイルには、稀少な有機栽培のオリーブの果実をそのまま搾ったものもあります。
特に品質に優れているので、さらに安心して料理に取り入れることができます。

食用で使われているオリーブオイルのひとつに、ピュアオリーブオイルがあります。これは主に精製したオリーブオイルとバージンオイルをブレンドしたものです。使用する油の量が多い揚げ物などに適しています。

精製オリーブオイルとは、酸度が3.4 % 以上であるランパンテバージンオリーブオイルを精製したものです。精製するとポリフェノールなどの身体によい成分も除去されてしまうため使い分けが必要です。

またオイル同様にオリーブの果実も解毒作用があるのでおすすめです。ブラックオリーブやグリーンオリーブのピクルス、オリーブオイル漬けは、缶詰でも市販されていますので、そのまま食べたり、サラダにプラスするのもおすすめです。

腸のためにおすすめのオリーブオイルの使い方は、伝統的和食にエクストラバージンオリーブオイルをプラスして、地中海式和食にするのがベストでしょう。キッチンに常備するのは腸寿の常識かがみにしたい習慣ですが、さらに小瓶で職場のデスクにも常備すると、腸が喜びます。

最近は、エクストラバージンオリーブオイルも店頭でも多数置かれるようになりましたので、エクストラバージンオリーブオイル選びに迷ったらこちら
ランキング形式で紹介されています。

食物繊維たっぷりのご飯にする

腸の健康に欠かせない食物繊維は意識しないとなかなかしっかり摂ることができません。しかしそうはいっても不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があって働きも異なり、食物繊維の総量は1日25gで、さらにその配分が2対1とか、それらを多く含む食物は何と何で…。ちょっと疲れてしまいます。気持ちもいっばいで、私には無理! となってしまう方は多いと思います。

そこで難しいことは全部忘れて、とりあえず食物繊維摂取を増やすために「ゴハン」を食べてください。しかし普通の「ゴハン」ではありません。腸内環境を整える食物繊維ゴハンのすすめです。
作り方は

  1. お米」1号に粉寒天を小さじ2分の1の割合で追加します。
  2. 炊飯器にお米と粉寒天を入れ、軽くかき混ぜ、1合分の水加減で炊きます。

粉寒天をお米にまぜることで手軽に食物繊維を補えます。

腸のために毎日食べたい寒天

もうひとつのおすすめ腸内環境を整えるためのゴハンは、発芽大麦入りゴハンです。玄米との大きな違いは、食物繊維のバランスです。100gあたり、不溶性食物繊維3.6 g、水溶性食物繊維6.O gで、水溶性食物繊維が優位なので腸に負担をかけません。
また小腸の免疫力をアップさせるグルタミンも多く含み、腸寿的にはもっともおすすめです。米2合に発芽大麦120gを入れて炊くと、おいしい発芽大麦入りゴハンができます。

発芽大麦は、水溶性食物繊維を豊富に含んでいますので、粉寒天や発芽大麦で、2種類の食物繊維を上手に食べることができます。

ここで注意したいのは、玄米の使用です。マクロビオティックなどで玄米ごはんを推奨しているため、実践している方も多く増えています。しかし腸内環境を整えるための食生活の観点からいうと、腸の調子が万全でない方や、慢性的な便秘に悩む人には玄米は消化に時間がかかるので、おすすめできません。

特に便秘に玄米がいい、と思っている方も多いのですが、大量に摂取すると未消化になります。それが便秘の原因になっている本末転倒なケースもありますので、注意が必要です。腸のための食事は、主食で食物繊維を補えますので、あとは副菜で調整するだけで簡単に腸のためのメニューが出来上がります。

ちなみにゴハンは、何も手を加えたくないという人はイサゴールがおすすめです。イサゴールは不溶性食物繊維の水溶性食物繊維の割合がベストの2:1です。

人は誰でも寿命の制限がある

もし、人生が150歳まであるとしたら、どんな生き方をしたいですか? たとえばあなたが40歳だったとしたら、まだ110年間もの人生が残っています。これからなんだってできるような希望が湧いてくるでしょう。これは夢物語ではありません。上手に生きれば、人は150歳は難しくても125歳まで寿命を延ばせることがわかっています。

人は誰もが「寿命の回数券」を持って生まれています。「定期券」ではなく「回数券」です。人生の長さは定められたものではなく、自分が「寿命の回数券」をどのように使うのか、その使い方しだいで決まるのです。ここでは、その「寿命の回数券」についてお話ししましょう。

「寿命の回数券」とは、細胞内にあるテロメアと呼ばれる構造体です。私たちの体は、約60兆個もの細胞からできています。それぞれの細胞は核を持ち、核の中には46本もの染色体が入っています。この染色体は、遺伝情報を担うDNA によって形成されています。

DNA は二重らせん構造を成すとても長い物質ですが、特定のタンパク質に巻きついて、最終的に英字のX状の生体物質になります。これが染色体です。さや染色体の末端には、テロメアが鞘のようにかぶさっています。染色体がほどけて不安定化が起こらないよう、守っているのです。

このテロメアこそが、人間の寿命を決定づけています。人間のテロメアは、誕生時には約1万塩基対ありますが、毎年平均して50塩基ずつ短くなっていきます。これが約5000塩基対まで短くなったとき、細胞は死滅します。細胞の寿命が尽きれば、やがて人の寿命も尽きます。1万塩基対のテロメアが5000塩基対になるまで、年50塩基封ずつ減少すると計算すると、100年かかります。つまり、人は誰もが100歳の寿命を持って生まれついていることになります。

ではなぜ、100歳を待たずに多くの人が亡くなっていくのでしょうか。このテロメアの短縮のスピードが、人によって異なるからです。これが、テロメアを「寿命の回数券」と呼ばせるゆえんです。テロメアは自分の使い方しだいで短縮のスピードは速まりもし、ゆるやかにもなります。そして、短縮のスピードをできる限り遅らせることができれば、100歳の寿命を最長125歳まで延ばせるのです。

それでは、どうすることが「寿命の回数券」を上手に使うことになるのでしょうか。

テロメアが短縮するのは、細胞分裂のときです。私たちの体を構成する60兆個の細胞のうち、毎日約2 パーセントの細胞が新しく生まれ変わっています。その数とは、1兆2000億個という膨大な数です。今この瞬間にも、古く劣化した細胞が死に、新しい細胞に入れ替わるという作業が、次々に私たちの体内で繰り返されているわけです。

そうやって細胞分裂を繰り返しながら、私たちの体は生命を維持しています。しかし、そのたびにテロメアは短くなっています。このテロメアの短縮は自然現象であり、万人に等しくもたらされるもので、防ぐことはできません。ただ一方で、個体差が大きく現れる短縮の仕方があります。それは、病気による細胞分裂です。病気によって死滅した細胞を補うときに、細胞は分裂を速めます。肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病は、細胞が死滅しやすく、分裂を速める病気です。

生活習慣病になると寿命が縮まるのは、病気がテロメアを減らしてしまうからだったのです。

「寿命の回数券」を上手に使うには、腸内細菌を元気にすることです。多くの病気は、腸内細菌のバランスの乱れから生じます。病気を予防し克服する力となる免疫の約70パーセントを、腸内細菌が決めているからです。腸内細菌が数を増やし、腸内フローラを整えるような食生活を送っていれば、免疫が増強され、病気を防ぐことができます。すなわち、「寿命の回数券」の上手な使い方とは、本書で紹介していく腸を大事にする生活術を日々実践していくことなのです。

また、活性酸素もテロメアの短縮を進めてしまう物質です。テロメアを形成しているのは、DNA とタンパク質です。活性酸素は、テロメアのD N A を分解し、タンパク質を酸化させて、壊してしまいます。活性酸素を大量に浴びるたびに、テロメアの短縮はどんどん進みます。体内の活性酸素量を増やすことは、寿命を短くすることに直結するのです。

ですから、テロメアを守るには、体内で活性酸素が発生するような行為を避けること。それとともに、活性酸素の害を消すような食物を食べること。この2つも重要になってきます。これは、腸内細菌を活性酸素の書から守る行動に重なります。腸内細菌も、活性酸素を浴びると大きなダメージを受けてしまうからです。

つまり、腸内細菌を守る生活は、そのままテロメアの短縮をゆるやかにする生活 にな るのです。

ただし、テロメアと腸内細菌の違うところがあります。一度の不摂生や病気により両者に甚大なダメージを与えてしまったとしましょう。腸内細菌の場合、それを克服すれば、腸に残っていた細菌たちががんばって働きだし、再び数を増やしていきます。しかし、テロメアは一度短縮し、消滅したものを、再生させることができません。一度使った回数券は、再び使えないのと同じです。

医者でも糖尿病を患ったことがある医師はいます。現在は、糖質制限食を実践することにより、血糖値も中性脂肪も正常値に治まり、体重も10 キログラム減って適正体重をキープしています。しかし、その二度の大病の際に、テロメアの数を大きく減らしてしまったと自覚しています。

また、若かりし頃、研究に熱中して徹夜をし、ストレスから逃避したい脳を満足させるために暴飲暴食を繰り返してしまったことがあります。テロメアの存在がまだ知られていなかった時代の話ですから、しかたがないといえばそうなのですが、あの頃にも、私はテロメアを短縮させていたはずです。

その反省から言わせてもらえば、不摂生は活性酸素を大量に発生させる悪習です。テロメアの存在を無視して2度くらい大丈夫だろう」と食生活を乱せば、そのぶんテロメアが短くなります。そのテロメアは、高齢になって後悔したところで、取り戻すことはできません。

今後、私はテロメアを慈しむようにして、「寿命の回数券」を大事にする生活をしていきたいと思っています。人生125年と思えば、まだまだ行いたいおう研究を思う存分できる気がしてきます。ともに長寿人生をエネルギッシュに謳か歌していきましょう。

腸にNGな食べ方とOKな食べ方