体内酵素の不足が病気の原因になる
私たちは生きていくために、食事から栄養を摂っています。しかし、この栄養素はそのままのかたちでの利用はできません。例をあげると、タンパク質はアミノ酸に分解され、体内でさまざまな科学反応が起こり、筋肉などの体をつくる材料になっています。
こうした化学反応には「酵素」の力が必要になります。体内で起こる化学反応は、酵素なしで行うことができないのです。
酵素は、体内にある体内酵素(潜在酵素)と、外部からとり入れる体外酵素の2種類に大きく分けられます。体内酵素は、さらに、食べ物を消化するための消化酵素と、細胞の再生などの生命活動を行う代謝酵素に分けられます。体外酵素というのは、生の食品に含まれている食物酵素を指すのですが、その食物を消化するはたらきがあります。
体内酵素というのは、一生のうちに生産される量や一日に生産される量がだいたい決まっていて、暴飲暴食を繰り返していると消化酵素が大量に使われてしまい、生命活動に必要な代謝酵素にまわす分が足りなくなります。
さらに、体内酵素が不足すると、栄養を吸収する腸のはたらきが悪くなって、栄養不足の状態になってしまいます。特に、タンパク質がじゅうぶん消化されないと、大腸の中で悪玉菌が分解され腐敗物をつくります。そして、これらがガンなどさまざまな病気の原因となります。
食べ物から栄養を吸収するのは小腸です。小腸には、全身の免疫のおよそ70パーセントが集中しているといわれていますが、酵素で小腸の免疫が活性化され、免疫力も上がります。
生野菜や果物から体に必要な酵素を補給する
生で食べる野菜や果物には、酵素が含まれています。
さまざまな病気の原因となる体内酵素の不足を防ぐには、生野菜や果物から酵素を積極的に摂ることが大切です。しかし、生ものばかり食べているわけにもいかないので、加熱調理したものと半々くらいでよいでしょう。
また、納豆やぬか漬けなどの発酵食品にも酵素が含まれているので、こういった食品も摂るようにするとよいです。ぬか漬けには、腸の腐敗を改善するのに役立つ乳酸菌が含まれています。