同僚の左遷がきっかけでうつになってしまったが4日目で眠れるようになった

布団に入ると焦燥感で眠れずに仕事も集中できなくなった

「ラフマ葉エキスを飲んだら不眠が解消し、その後、うつも再発していません。ほんとうに助かっています。 駅近くにある機械関連会社で働く普通のサラリーマンです。普通の暮らしをしてきました。平凡な生活です。

数年前から残業がなくなり、定時に帰宅できて休日出勤もなくなってしまいました。ところが、翌年ごろから急に夜の寝つきが悪くなったのです。布団に入って目をつぶっても、なかなか眠くなりません 。

逆に、わけのわからない焦燥感のようなものがわき上がり、ひどい寝汗をかくこともありました。電気を消した真っ暗な部屋で、上半身を起こして頭を抱えている私の姿を見て、隣に寝ていた妻は驚いたようです。

そこで、会社の医務室で産業医の診察を受けました。しかし、血圧測定でも触診でも異常は見られず、医師から「心配ならば大きい病院で検査したらどうか」といわれたのです。 体に異常がないことがわかって一時はホッとしましたが、その後も寝つけない日が1ヶ月ほど続きました。寝不足のせいか会社に行っても仕事に身が入らず、書類作成などのミスが重なって落ち込む毎日。 休日も何となくイライラして、子供と遊んだりテレビを見たりしても以前のように楽しいと思えなかったのです。

その後、精神科に行くように言われ、睡眠薬をもらうように勧められました。ところがもともと薬嫌いもあってか精神科を受診するのも抵抗がありました。

そこで評判のいいクリニックを受診することにしました。医師の問診を受けると初期のうつだと診断されました。同期の退職や左遷が大きなきっかけになっていることが大きなショックになってそれが尾をひいているようでした。 自分も会社に見捨てられるのではないかと、不安を抱えていたようです。そのため、会社でも家でも心が落ち着かなかったようです。

ラフマ葉エキスが効いてうつ症状が改善

医師と相談して薬を使う前にラフマ菓エキスを試すことにしました。医師のアドバイスに従って、1日あたり4粒のラフマ葉エキスを2回に分け、夕食後と床に就く30分~1時間前に2粒ずつ、1日計4粒を飲むようにしたのです。

最初はほとんど変化が感じられませんでしたが、ラフマ葉エキスを飲みはじめ4~5日後、床に就いて間もなく眠りに落ちました。翌日は焦燥感や不安感が消え、集中力が復活。仕事に身が入るようになったのです。ラフマ葉エキスを2週間ほど飲みつづけたら毎晩快眠できるようになりました。 その後、診断時にうつは解消されたと言われました。現在も再発はしていません。

ラフマ葉エキス「セ・シ・ボン」 というのはあまりなじみのない言葉ですが、セロトニンサプリです。

セロトニンとは、脳内で働く神経伝達物質のひとつで、感情や気分のコントロール、精神の安定に深く関わっています。 セロトニンが不足すると脳の機能の低下が見られたり、心のバランスを保つことが難しくなります。 セロトニン不足は、ストレス障害やうつ、睡眠障害などの原因になりうることも知られています。

サプリで不足したセロトニンを補ってうつ症状を改善させます。

ラフマ葉エキス「セ・シ・ボン」は中国で1800年余り前から「眠りの正常化」や「心の安定に役立つ」お茶として使われているハーブである「ラフマ葉エキス」を、1粒中に38mg 配合! 180粒入り 1日2粒~3粒(目安) 60日~90日分。 

お子様からご高齢の方々まで、ストレス時代のご家族の健康維持にお役立て下さい。ラフマ葉エキスは、薬とは一緒に飲めない抗ストレスハーブの「セントジョーンズワート」などと違い、薬への相互作用は一切ありませんので、安心して飲んで頂けます。薬と一緒に飲めますので安心です。

うつによるしんどさ、不安がやっと水溶性低分子キトサン「ヌーススピリッツ」で改善

今から10年くらい前、私は、強迫性障害(強迫性障害についてはこちら)と診断されました。

強迫性障害は、自分の意思に反して、不合理な考えやイメージが頭に繰り返し浮かんできて、それを振り払おうと同じ行動を繰り返してしまう病気です。

それにともなってうつ病を発症し、病院に通っていました。しかし、症状はほとんど改善されない状態が続き、さらに仕事のストレスから少しずつうつ病は悪化してしまったのです。この頃は精神的にもどん底だったと思います。

当時のことはあまりよく覚えていないのですが、とにかくしんどかったことだけはよく覚えています。

結局、仕事を辞め、心身共に休養することになりました。病院を変えたり、色々なサプリメントを試してみたり、漢方を飲んできましたが、どうしても、ある一定のしんどさや、心の不安に襲われるといった症状が解消されない日々が続きました。

しかし、薬は増やしたくなかったので、何か良いものはないかとインターネットで調べていたところ、「水溶性低分子キトサンのヌーススピリッツ」と出会いました。半信半疑ではあったものの、少しでもよくなればという藁にもすがる思いで、さっそく飲みはじめてみることにしたのです。

朝と晩に2カプセルずつ飲むようにしていたら、それまでにあったイライラした気分や緊張性の頭痛が軽減したように感じました。

ただし、まだうつ症状は残っていたので、飲用量を増やしてみたところ、1ヶ月が過ぎたころから変化が現れたのです。具体的には、心から笑っている自分や、なんでも気楽に考えている自分に気づきました。

また、物事にやる気が出てきて、料理を楽しく作れるようになりました。夜も安心して眠れるようになったのは、飲用をはじめてから3ヶ月が経った頃でした。

これからももっと効果を感じられるかも!と希望が湧いて、とてもうれしく思っています。

うつによるしんどさ、不安がやっと水溶性低分子キトサンで改善 – 水溶性低分子キトサン「ヌーススピリッツ」の効果と感想

人生はどうしたら幸福になるのだろう?

ある父母には愛する子どもがいました。親は子どもにたくさんの愛情と暖かさを見せ、とても深く、強く接してきました。

子どもの将来の助けになると思ったことをすべて、子に教えました。必要なときには怒って、しつけました。巣立ちのときが来ると、その親は複雑な感情愛情、希望、自信(そして心配も) の入り混じった感情を禁じ得ません。

こうした感情を持って、私たちはこのページに集約したいと思っています。

このページをごらんになっている方を個人的には知らないにしても、愛情を感じており、みなさんに幸福を選択する生き方をしていただきたいと願っています。

そして、みなさんがそうできると、自信を持って断言できます。しかしながら、親が愛する子どもの巣立ちのときに心配の入り混じった気持ちで最後の注意をするのと同じように、心配も禁じ得ません。

ここでは、あなたが幸福への道を歩むために生かしてほしい、少しばかりのアドバイスをリストアップしてみました。

自分で自分に話しかける方法を変える

私たちはみんな毎日、「自分に話しかける」ことをします。肯定的に、あるいは否定的、批判的に話します。もし、頻繁に自分を批判していれば、自分に恨みを持ち、うつになるのは当然です。

自分を責めるのはやめましょう。肯定的なことがらに目を向けてください。過去の失敗に居座るのでなく、なしとげたことに日を向けてみましょう。

自分が自分を無意識に批判しているのと同じように、あなたは人のことも批判しているでしょうか? 自分はそうした厳しい見方が必要だと思っているかもしれませんが、そうではありません。そこから抜け出ることです!自分の手首に輪ゴムをはめておいて、自分を責めている自分を発見するたびに輪ゴムをはじいてください。

自分の感情を理解する。しかし行動に焦点をおく

セラピストはよく人の感情と行動に関して、極端になりがちです。あるセラピストは感情に重きをおく一方で、別のセラピストは行動、または考え方を重視します。私たちはこれらのすべてを直視しなくてはならないと考えます。

まず感情は大切であり、向き合わなくてはなりません。感情への洞察を持ち、感情と向き合ぅことは大切です。

幼児期の出来事が、現在私たちがどのように感じているかにいかに影響を与えているかを理解することは大切です。

感情や問題を自分の愛する人たちと分かち合う自由があることは大切です。よって感情は極めて大切なのです。まとめますと、私たちは感情を理解しなくてはなりません。感情について話し合う友人が必要であり、こうした感情に向き合う必要があります。

しかし、その時点で私たちは感情を超えて、行動に焦点を当てる必要があります。感情は理解されなければなりませんが、それに人生を支配させてはなりません。なぜなら感情は気ままで変わりやすいからです。

彼のように、満ちては引くのです。生き方を定着させるもっと安定した基盤は行動です。行動を健全な論理と固い確信に基づかせるべきです。

具体的行動プランに焦点をおく

うつを克服するには、「自分の行動を変えなくちゃ」と自分に言い聞かせるだけではダメです。その行動を変えるための、具体的な行動プランが必要です。

私たちがどう感じるかを決めるのは、日々の小さなことがらなのです。

たとえば、朝起きる時間、朝一番の伴侶への言葉、朝食を食べるか食べないか、自分を勇気づけるためのスローガンがあるかどうか、仕事で手一杯の状態かそうでないか、社交づきあいを十分に保っているかどうか、いい食事をしているかどうか、定期的に運動をしているかどうか、こうしたことがらが私たちの感情の動きを規定しているのです。

あまりに単純に思われるかもしれませんが、実に多くの人が毎日行なう、たとえば10のことがらから成る具体的な行動プランを無理にでもたてることで、うつを改善させています。1~2ヶ月の練ったスケジュールをこなしたあとは、明らかな改善がまちがいなく見られます。自殺を考えていた患者のケースを見てみましょう。

救急室でどうしたのか、何を悩んでいるのかと聞かれた彼は、その朝起きると気分が落ちこんでいて、落ちこんでいるから仕事に出なかったと答えました。すると仕事を休んだことに村してさらに気分が落ちこみ、テレビを見始めるとメロドラマをやっていて、そのドラマに納得しながら見ていると、ますます憂うつになってきたのです(もっと落ちこまなかったのが逆に不思議です! )。

自分でまずいと思うことをしていたかどうか(うつにつながった原因の可能性) と聞かれると、彼はうつをさらに深めることになったあることをしていたと言いました。その後、行動を変える助けが与えられると、彼は顔つきが明るくなりました。

私たちが毎日している、こうした小さなことがらが感じ方を決定するのです。では、非常に重いうつ状態のある主婦のケースを見てみましょう。毎日の日課を聞かれると、彼女は朝気分が落ちこんで起き上がりたくないので、いつも遅くまでベッドに入っていると言います。

するともちろん遅くまで寝ていることにうしろめたさを覚えます。夫の朝食を作らず、作らなくてはと思いながらもできないことをうしろめたく感じていました。彼女の日課を変える具体的なプランを作ってみることで、うつを克服することができるようになりました。

そのリストには次のようなことが含まれていました。

  1. 気分がどうであれ、7日のうち3日は朝早く起きる
  2. 社交づきあいを増やす
  3. しなくてはならない、そしてやればいい気分になれる家事をする

行動を変え、さまざまな感情を表現することで、彼女はうつを克服することができました。

ある状況に関してうつに陥っている人には、私たちはまずゆっくり落ち着いて座り、うつを克服するための他の方法をあれこれリストアップしてみるよう薦めます。このプランをこなす決意を固めてもらい、実行に移します。数週間たってもプランがうまくいかない場合は、新たなプラン作りを薦め、別の選択肢を探るように言います。

しかしうつをひきおこすことは避けなくてはなりません。多くの人が、うつをひきおこしている特定の問題に直面すると、他に選択肢はないかのように「やってみるべきことは他にない」と思ってしまいます。しかし、落ち着いて座り、あらゆる選択肢を(ばかげた選択肢ですらも) リストにしてみると、実にいろんなことがらが出てくるのに驚くことが多いのです。すべてリストにあがるまで選択肢の評価はしないことで、創造性のプロセスがさえぎられずに続きます。

ときにばかげた選択肢のひとつが実際はもっとも実用的で、役に立つことがわかったりすることもあります。

うつの場合、具体的なうつ克服のためのプランを立てるべきです。このプランを実行する決意をし、数週間、毎日このプランにとりくみます。そうすればたいていは改善が見られるようになります。

新しい興味、行動を見つける。

うつの人はよく決まりきった方法にのみおちいっているものです。新しい興味の対象、行動を見つけることが大切です。妻をデートに連れ出す、あるいは単に帰宅の道順を変えてみる、新しい友達を作る、何か運動をするなど。うつの人には、新しい興味、行動範囲を広げることが役立ちます。この結果は即座には得られないかもしれませんが、普通は数週間の間に気分が改善してきます。

祈ることでエネルギーを取り入れる。

祈りはうつの人が使えるとても大きな資源なので、ここで少しくりかえしましょう。祈りを通じて、超自然の強さを取り入れ、呼びかけることができます。

祈りは肯定思考以上のもの、暗示や精神科医らが呼ぶところの魔法的思考以上のものです。私たちが神に対して抱いている確信は、願い求めるなら、神はそれを聞き入れて下さるということです。神は私たちがうつ状態でいることを望んではいません。私たちがうつからの回復のエネルギーを持たないのは、求めないからです。

私たちが宇宙に属していることを思い出す。

宇宙がいかに大きいかを考えると、これは驚くべきことです。光のスピードで数百、数千億の銀河のひとつである天の川だけを通過しても、通過し終わるまでに十万歳になっているのです。これは人間の理解を超えるものです。私たちがこうした巨大な宇宙に属していることを考えることが、うつを克服する助けになることは明らかです。

友情を育てる。

深刻なうつにおちいっている人は、話ができる友人は1人もいないと思っています。彼らには、ありのままの自分を受け入れてくれる人がいないことがあります。拒否を強烈に恐れるのです。友情を育てるだけで、うつを克服する大きな助けになり得ます。

ソロモンは「2人は1人にまさる。彼らはその労苦によって良い報いを得るからである。すなわち彼らが倒れるときには、その1人がその友を助けおこす。しかし1人であって、倒れたとき、これを助けおこす者のない者はわざわいである」と言っています。

人生の戦いのなかで、私たちは友人が必要だということです。この節では「もし倒れたとき」という言葉を使っていますが、1人なら、もし倒れたら、の問題ではなく、いつ倒れるかの問題となります。

ダビデは「私は右のほうに目を注いで見まわしたが、私に心をとめる者は1人もありません。私には避けどころがなく、私をかえりみる人はありません」と言っています。私たちは頼れる、私たちの魂を見てくれて、心を見せることができる、そして自分が受け入れられると知っている友人が必要です。

1人でいることはうつをひきおこし、またすでにあるうつを強化します。第二次世界大戦中、もっとも効果的な刑罰を見つける実験をした国があります。それは独房に入れることだったのです。独房のなかで数日すごしたあとは、

たいていの人間はすべてを自白します。水が十分にない人は水について幻想を抱き、独房に入れられる人は人について幻想を抱くのです。私たちは人が必要であり、友人が必要です。これはうつを克服するうえで大きな部分を占めます。友人とは暖かく、懸念し、気づかい、問題をいかに克服したかを心を開いて分かち合ってくれる人です。敏感で、愛に満ち、受け入れてくれる人です。人のために自分を与える人です。友とは私たちが傷ついたときに真に気づかう人です。

人が傷ついているとき、心から気づかい、愛し、祈ることは真の勇気づけとなることでしょう。友人がじっくり話を聞いてくれ、サポートと導きを与えてくれたときに、うつからの大きな解放を経験する人は多いのです。うつで苦しんでいる本人が友情を育てることは困難です。人がそれほどまでに自分のことを気づかっていることが理解できないからです。そして、あまり親しくなると、拒否されるのではと恐れています。

この心の枠組みを克服できて、友情を育てていくことができれば、この考えはあたっていないこと、さらにこうした友情がうつを克服する助けになることがわかるでしょう。うつの人は人と親しくなるのが恐いために、防御のメカニズムを使って、人を遠ざけておくようにすることがあります。

こうした防御には普通、大きく分けて4タイプあります。それは、否認、置き換え、とり入れ、そして投影です。まずは否認です。人へのニーズ、つまり自分自身の依存のニーズを否認してしまうのです。

たとえば、こうしたニーズを、人を助けることでかくそうとする場合があります。表面的な友人はたくさんいても、本当に親しい人は一人もいません。否認を使って、人と本当に親しくなることを避けているのです。

次に、うつの人は自分の依存のニーズを否認するにつれ、またこうした依存のニーズが満たされないため、自分が不安で怒りがあることをも否認します。そして不安を体に置き換え、こかいようの置き換えによって胃潰瘍などの身体の問題を抱えるようになります。

3番目に、うつの人は「とり入れ」という防御を使い、自分がしていないことで自分を責めたりします。現実的には自分のコントロールのおよばないところの出来事の責任を感じたりします。たとえばあるクライアントは、自分の上司が若い女性と情事を重ねているのを見て罪悪感を感じたと言います。この種の防御は、その起源を自分が重要だと感じるニーズにたどることができると言われています。

うつの人にもしそれほど罪状と、その責任があるなら、自分で感じているほどに自分は無価値な存在ではありません。うつの人は、人から距離をおくためにとり入れと投影を組み合わせて使います。投影は多くの点でとり入れの逆になります。投影者は自分の非や感情を人に映すのです。

もしうつの人が人と親しくなりたくなければ(拒否される恐れのため)、その感情を人に投影して、相手は自分と近づきたくないんだと思うのです。相手は自分に対してよそよそしいと思いこむかもしれません。

うつの人はこうした4つの防御を、コミュニケーションをかなり歪曲し、人を近づけないために用います。

フェローシップ(仲間)のなかで成長する。

うつの人は、引きこもり、1人になりたいのです。しかし、引きこもって、1人でいることは、うつを悪化させる最悪のことです。

だれl人完壁な人はいないことを知る。

うつの人は、だれ1人とて完壁な人はいないこと、だれもがときにミスを犯し、罪を行なうことを知る必要があります。

うつの人は自分に極端に厳しく、自分を許そうとせず、非現実的な期待を自分に課します。自分がミスを犯すのを許さない、厳しい主人なのです。私たちはだれも完壁な人はいないこと、だれもが罪を犯すこと、ミスを犯すことを知る必要があります。

さらに、ミスから何かを学び、役に立たせることができることを理解する必要があります。だれも完璧な人はいないことを知ると同時に、自分への期待も低くしなくてはなりません。

アサーティブネスに焦点をおく。

うつの人の大半はアサーティブではない、すなわち率直ではありません。攻撃的になり、人を平気でふみにじり、不必要に傷つけるのは間違っています。

しかし、受動的自分の意見を言うべきときに言わないで、感情を内向させ、苦々しくなるなのもまた間違っています。うつの人は受動的になりがちです。人に土足でふみにじらせ、いやな思いをして、落ちこむのです。

うつの人は長い間受動的で、怒りをどんどんためこみ、ついに逆の極端な何らかの攻撃的行動で爆発させるのです。健全なバランスを保つためにはアサーティブであることが大切です。アサーティブであることとは、愛をもって、うまく自分がどう感じているかを告げることです。アサーティブであるためには、とくにそれが自分に関連することである場合、人の責任にしないことです。

一般に、受動的すぎるうつの人はもっとアサーティブになる努力をしなくてはなりません。

依存の二- ズと向き合う。

うつの人には、何かに依存したいという依存のニーズが多くあります。でもそれらを健全な方法で対処する術を知りません。人に近づいて、そうして依存のニーズを満たすべきなのですが、拒否されるのではないかという恐れが大きいため、人に近づかず、すると依存のニーズはいっそう増大するわけです。

この依存のニーズを、まったく逆の極端(独立すること) で満たそうとしたり、「超人」になって人助けをしようとするかもしれません。彼らはなんとだれも必要でないばかりか、すべてを助けることができるのです! もちろん、これは自分のニーズを否定して、人助けをすることで補おうとする防御メカニズムです。

しかし、彼らの根底にあるうつという基本的問題は、まだそのままであり、生き方を複雑にさせます。こうした依存のニーズを、自分からあえて人に近づく努力をすることで学ばなくてはなりません。そのためには、生き方のパターンをいくつか変えなくてはならないかもしれません。

たとえば、自分が人に拒否されるのではないかという恐れから人を拒否するパターンをやめることです。単に人をもはや拒否しないようにすることで、人に近づけるのです。なかには、人を近づけないために太っている人がいます。彼らは体重を落としても大丈夫なこと、人に近づけることを学ぶ必要があります。

飲酒問題に向き合う必要があるかもしれませまひん。人を近づけないためにアルコールを乱用し、脳を麻痔させて、人に傷つけられないようにしている人もいます。健全な方法で近づくことが可能なこと、いつも傷つくぼかりではないことを学ぶ必要があります。

自分は超人だと思うようになった犠牲のパターンを変える必要があるかもしれません。超人は一時的な助けにはなっても、依存のニーズはますます満たされなくなるので、うつが悪化するだけです。このパターンを変えなくてはなりません。ただし、このパターンの人はもはや人助けをやめるべきだと言っているのではありません。そうではなく、自分がしていることを認識し、より良いバランスをとりなさいということです。

拒否されることの恐れを認識する。

うつの人はごく不健全なサイクルにとらわれてしまうことがあります。内面に過剰なニーズ、子どものときに満たされなかった依存の(甘えの) ニーズが多くあり、それらは今なお存在しており、人に関心を向けてもらうことを切望します。

しかし甘えの欲求が多い一方で、ちょうど親が彼のニーズにそえなかったように、人もどうせそれにはそえないだろうと一歩ひいて期待することも学んでいます。

そして彼らは怒り、敵意を持ち、いろいろ要求してみて相手がどこで背を向けるか愛情のテストをするようになります。その間、内心、ずっと拒否されることを期待しているのです。自分が拒否されるように仕向けていくわけですから、しまいには拒否されることになります。

これが人に近づく恐れを増長させることになり、人を避けるようになります。さらに、人に近づかない結果、依存のニーズはますます大きくなり、怒りは増し、その悪循環が続きます。自分が拒否しなければ拒否されると無意識で恐れるあまり、近くの人たちを拒否するのです。

行動を変えることで、拒否される恐れと向き合う。

うつに加えて前述のサイクルにいる人は、自分の行動を変えることでこのパターンを変えることができます。彼らは人に近づけるということ、いつも失望させる人ばかりではないことを学ばなくてはなりません。

人の愛情テストをするかわりに、もっと現実的な期待を人にすることを、そしてあえて人に近づくこと、人を拒否するのをやめることを学ばなくてはなりません。投影の防御テクl二ノクに注意しなくてはなりません。簡単に言うと、行動のパターンを変えることで、拒否のサイクルを破らなくてはなりません。

怒りを認識する。

うつの人は怒りを持っていることが多いのですが、しかし大半がそれを認識していません。よく拳を握りしめ、顔をしかめて、なおかつ自分は怒ってはいないと言うのはよくあることです。

うつの人は怒りを認識し、認めることができ、それに関する洞察を得ていくにつれて、うHつが改善していきます。ただし、怒りを認識するだけでは十分ではありません。それと向き合わなくてはならないのです。この怒りと向き合う方法は、すでに説明しました。

内省に注意を払う。

洞察は人がうつを克服する助けになりますが、一方、健全な洞察の度を越して内省まで進むと、非常に危険です。

うつの人はそもそも過剰に内省的なのですから、とくに注意すべきです。私たちは患者に、内省の時間はセラピーのセッション中だけにするよう、または親友と話しているときに限るよう薦めています。

すべてを理解しょうとして何時間も内省にふけることは避けるように言います。彼らは過剰に批判的で自分に厳しいためです。もし自分にとらわれて、内省的であるのをやめられない場合は、少なくとも自分の問題を考える時間を1日のなかで別に設定して、それ以外の時間には考えないようにするよう指導しています。

もしそれを1日中、毎日考えていると、エネルギーを使いはたして、うつは悪化するでしょう。内省がうつの人によくないひとつの理由は、彼らの内省の多くが客観性を欠くからです。彼らは過剰に悲観的で、ネガティブ思考のため、自己評価、状況評価が現実離れしていることがばっとう多いのです。うつの人が内省的になりそうなら、何か別のことに没頭して、できるかぎり内省をやめることが必要です。

神のようなふるまいをやめる。

前述したように、うつとは自分で自分に背を向けた状態です。怒りを自分に向け、自分が罰を受けるべきだと感じているのです。みじめで落ちこんでいるときに、自分が当然あるべき姿になっていると信じているのであり、ある意味で、彼は神を演じているのです。

神に過去の罪を許してくれるよう、正当な罰を決めてもらうよう求めなくてはなりません。もしかしたら、神はそれ以上の罰を与えないことにするかもしれないのです。もしそれが神の望みであるなら、神の意思に従って、自分を責めるのをやめることを学ばなくてはなりません。

仕返しをするのをやめる。

うつの人の多くがうつを用いて人を操作し、仕返しをしようとします。うつは人を苦しませ、操作するための強力な道具となりうるのです。うつはたまった怒りを解き放つ手段です。よって、うつを使って自分の怒りをやわらげ、人と互角に向き合おうとするのです。

またうつを、人の関心をひくための方法として使ったりもします。恨みを晴らすにはもっと健全な方法を探さなくてはなりません。人の関心をひくには、他にたくさんの生産的、健全な方法があります。そもそも自分が他人の関心を必要としていることを、認識していないかもしれません。

うつの責任を受け入れる。

うつの人の多くは、うつの責任を受け入れればうつが改善し始めます。自分の生命の責任を自分でとることで、良くなっていくのです。

人が「このうつからどうしても抜け出ることができない」と言うとき、実際意味しているのは、「うつから抜け出る気はない」ということなのです。

それには無意識の理由が多々あります。うつで人の関心をひいたり、人を操作しているかもしれないし、それを使って自分や他人を罰しているかもしれません。

あるいは頑張って何かをしたり、より生産的になることができないことの言い訳にうつを使ったりもします。あるいは単に希望を失ったのかもしれません。

健全な対処術を選ぶ。

多くの人が、不健全な方法で日々のストレスに村処し続け、うつを再強化しています。たとえば、怒りを内在化させ続けたり、また心配するといったおきまりのパターンのために、心のエネルギーすべてを使いはたしてしまったりします。

あるいは単にそれに慣れっこになっていて、なじみのある対処術であるためにうつのパターンを使い続けるのかもしれません。そのような場合は、新しい、健全な対処術を見つけることでうつに対処できるようになります。

前述したように、運動は敵意のエネルギーを取り出して、生産的な健全な方向に向けるためのいい方法です。私たちは毎日、何らかの社交づきあいが必要です。

自分のことばかりでなく、他人のことを考えることも大切です。関心を自分からそらして、人に向けることは健康なことです。

実際、それによって、自分の問題がより客観的に見られるようになります。私たちは自分が直面する自分の問題、課題に向き合う必要がありますが、それだけにとらわれてがんじがらめになってはいけません。そうではなく、人を助けることに焦点を当ててみると、それが結局は自分の問題と向き合う助けとなるのです。

希望があることを認識する。

希望があることを認識させる手助けをすることは、うつの治療に高い成功率を得ています。だれでもうつを克服できるのです。

その最初の必要なステップは、単に本人に希望があることを認識させるだけであることが多いのです。最近、ある男性が、自分は20年うつを患ってきたこと、その間少なくとも6人のセラピストにかかったと私たちに言いました。

私たちが彼に絶対に希望があること、うつは克服できることを告げると、彼は「自分が治るなんて私に言った人は、これまでであなたがはじめてですよ! 」と叫び声をあげました。ひと月もしないうちに、彼は20年来はじめて楽になったのです。希望は絶対にあるのです。

罪の罠を避ける。

人がうつにおちいる理由のひとつは、彼らが罪を犯しているからです。多くのうつとグリーフは、罪ある行為にかかわらないことで防ぐことができます。

たとえば、女性の多くの後悔のひとつに、中絶をしたことがあげられます。婚外交渉など、不適切な性的関係もまた大変なグリーフを残します。

さらに、罪はうつをひきおこすだけではなく、うつになると人は心の痛みをやわらげようとして、さらなる罪を犯したりすることがよくあります。しかし結果はさらなる落ちこみを招くことになるのです。

罪悪感の罠を避ける。

うつの人は、多くの罪悪感を抱いています。罪悪感が真の罪悪感なら、それをどこか安全な場で告白するか、または人との関係においては、つねに良心に責められることのないようにつとめるだけでよいのです。

しかし、強迫性人格の多くの人が強烈な偽りの罪悪感を感じています。自分の性格を洞察するだけで、この罪悪感の多くが消えるでしょう。

環境操作する。

内からのストレスと村処することを学ぶことで、また環境操作をすることでうつから立ち直れるようになります。ストレスの新しい対処術を教えるのに多くの時間をかける一方で、私たちはまた外部ストレスを変え、取り除くのにどうしたらいいかを教えます。

おそらく、うつはひとつには働きすぎによってもたらされているため、労働時間をけずるなど、外的要素を操作することで外部ストレスを軽減することができます。また罪悪感をもたすような行為ゆえにうつが出てきている場合は、その行為をやめることで外的ストレスをやわらげることができます。自分が経験している外的ストレスの量を操作するのに、個人ができることは実に多くあり、それによってうつが相当に軽くなります。

過剰に反応しない。

多くののうつ患者は、ストレスの状況が出てくると非常に強く反応します。過剰に攻撃的になつて、他の人を攻撃したりします。そしてそれをあとで悔やんだりします。自分の反応をコントロールすることを学び、反応するかわりに正しく適切に対応することを学ぶと、自分のこと、状況の村処の仕方について自信が持てるようになります。

自尊心を高める。

うつの人は、非常に自尊心が低いことが多く、これを高めなければいけません。キリストは、自分自身を愛するように隣人を愛せよと言いました。これは健全な自己イメージを持つべきことを意味しています。

もし自分のことが低くしか見られなければ、私たちは自分のことばかりで手一杯で、人には何もしてあげられないでしょう。

プライドと自己価値とはちがうものです。自分の劣等感が強いほどに、偽りのプライドでごまかそうとして、人に対して「人よりまし」の態度をとるようになります。これは自分の力量不足感をカバーするものです。どうやって適切なレベルに自己イメージを高めることができるのでしょうか?

まず第一に、他の人たちとの関係において成長すること。そして第二に、現実的目標を定めて、それらに向かって励むことです。自己イメージを高める第一の方法は、他者との関係をうまく保つようにすることです。自己イメージを高めるために、人に過剰に頼ることは健全ではありません。

しかし私たちの大半が、人とつきあって、人から得るフィードバックに注意を払うことで、ある程度まで自分がどういう状態かを感知できます。人との関係が親密になるほどに、自己イメージも高まります。私たちはだれでも、少なくともだれか一人の人間から愛されることが必要です。これは基本的で、自己イメージにとってもっとも大切なことです。事実、そうした愛がないことが、多くの感情的問題の中心的課題になっているのです。自己イメージを高める第二の方法は、目標を設定し、それらを達成することです。現実的目標を立てて、それを達成すれば、自分の気持ちもよくなり、自己価値感が得られます。

心理的、身体的レベルでうつに対処する。

これらのレベルは、それぞれいくつかのカテゴリーに分かれています。特定の問題、カテゴリーを理解することで、問題に対処できるでしょう。

1 心理的問題

A.心理生理学的問題(潰瘍、大腸炎、高血圧など)
  1. クライアントに問題の心理学的側面について助言する。
  2. 問題の身体的側面については、治療プランを立ててもらうよう、医師を紹介する。
  3. 必要なら他の心理的側面に関して、他の専門家といっしょにとりくむ。
B.人格傾向と人格障害
  1. テキスト人格の特徴を見極め、それによってカウンセリングのアプローチを変える。たとえば、ヒステリー性の人とうつ患者を同じようにはアプローチしない。
  2. クライアントが自分の問題、生活歴、感情を話すときは、共感を持って聞く。
  3. クライアントに人格の強さと潜在的な弱さについて説明する。
  4. クライアントが問題解決のための具体的行動プランを作る手伝いをする。
  5. 必要なら、心理学、精神医学のトレーニングを受けている他の専門家といっしょにとりくむこと。
C.神経症
  1. 神経症のタイプを見極め、それに応じてアプローチする。
  2. 問題、過去のこと、感情を打ち明けるクライアントの話を、共感を持って聞く。
  3. 本人がしていること、本人におこっていることを説明する。洞察力が得られるよう手伝いをする。
  4. 問題と向き合うための具体的行動プランを作る手助けをする。
  5. 必要なら、心理学、精神医学のバックグラウンドのある他の専門家といっしょにとりくむ。これは自殺、あるいは殺人を犯す恐れのある場合は必要となるかもしれない。またカウンセラーが自分の手に負えないことを認識した場合も、これが必要となる。もし心理テストが必要なら、心理士に紹介する。もちろん両者ともがクライアントにセラピーを行なえる。
D.精神病
    1. 他の専門家(地元の医師、精神科医、心理士ら) といっしょにとりくむ。
    2. 精神病の場合、脳内化学物質に異変がおこつているので、投薬が必要。よって精神科医に紹介するべき。

2.身体の問題

当然、身体的問題は地元の医師、精神科医に紹介する必要があるが、心理的要因もある可能性があるため、カウンセラーは医師とチームでとりくみたいと願うかもしれない。以下の問題にはとりわけ注意を要する
  1. 運動過剰
  2. 高血糖・低血糖
  3. 甲状腺の問題
  4. 加齢による脳の器質的症候群
  5. 生物化学的うつ

笑うことを学ぶ。

もっと多くのユーモアを生活にとりいれ、もっと笑うことを学ぶにつれ、患者の症状は改善していきます。リラックスするのに笑いにまさるものはありません。だれも完璧な人はいないことを学び、自分の自他への完全主義的期待について笑えるようになれば、多くの人が快方に向かいます。

うつとは何でしょう?

何がうつをもたらすのでしょう?

どうすれば防げるのでしょう?

すでにつらい状態の場合、どうやったら克服できるのでしょう?

幸福は本当に選びとるものなのか、それとも自分は状況の被害者でしょうか?

もし私が幸福を選んだなら、幸福を手に入れるためにはどの道を歩むべきでしょうか?

答えは実に多岐に渡り、簡単な答えはありません。ためこまれた怒りは大半のうつの根っこの一大要因であるにもかかわらず、すべてのうつの原因はひとつではありません。

これ! というひとつの解決方法はありませんが、解決は非常に複雑だとしても、解決できるのです。おそらく将来には新しい、速効性のある解決法が見つかるかもしれません。しかし今でも、実践することで、うつは100% 治療可能です。事実、うつは(数週間、数ヶ月) 100% 治療することが可能なのです。

幸福は、ゆっくりしたプロセスの中で手に入れることができます。幸福は選びとることができるのです。あなたがそれを選ぶのです!

不安感に襲われたときどう対処すればいいか? 不安症状、

不安は多くの人をつまずかせます。しかも私たちはみな、ときに不安を覚えます。不安はうつをともなうことがよくあり、そわそわ感、どきどき、ひどい気おくれ、心細さ、緊張感、落ち着きのなさ、心配などの特徴があります。不安な人はよく不幸、危険、悲運を予期します。

不安の症状

不安な人は過剰に警戒し、イライラ、そわそわし、依存的です。しゃべりすぎたり、入眠困難もあります。入眠困難とは、眠ろうとベッドに入ってもなかなか眠れないことです。30分~60分以上眠れない場合です。

集中力は欠如し、記憶力も働きません。不安にかられるあまり、動きがとれないかもしれません。

また、不安な人は過剰な発汗、筋肉のはり、緊張、頭痛、声の震え、大きなため息、腹部のどうきひん痛み、吐き気、下痢、胃のあたりがそわそわと落ち着かない感じ、高血圧、動惇、失神、頻尿、インポテンツ、冷感症などが見られます。

不安は精神科領域で扱う問題の原因の大半となっています。これは神経症、精神病、精神生理学的問題の原因です。

それほど危険でも脅威でもない場面やことがらに村して、恐れる理由がないと知りつつ激しく恐れ、これを避けよぅとするもの) の原因です。

自分が許されがたい罪を犯したと思っている人の真の原因となっています。心理学も、不安が正常、異常の両方でおこることがあることを指摘しています。

心理学者は長い間、人が何らかの不安があるときのほうが効率的かつ生産性が高いと言っています。しかし不安が強烈になると、効率もそれにしたがって低下します。強烈な不安は健康ではありません。新約聖書には、「不安」と訳されるギリシャ語が25回ほど出てきます。これは普通否定形のなかで使われ(心配、イライラの音環で)、しかしときには肯定的にも(現実的懸念) 使われます。

不安の原因

不安には多くの原因があります。そのひとつとして無意識の内的な精神的葛藤があげられます。つまり、不安は普通、自分の思考、感情、動機の真実を見つめることへの恐れからおこるものです。

ときとして私たちの心は、現実を押しこめようとします。私たちの心の緊張が、まさに不安なのです。それは(不安な親から) 例を学んだことによるものかもしれないし、子ども時代の葛藤に根を発する、または現在の問題によるものかもしれません。

不安であることに不安なのかもしれません。あるいは劣等感、貧困、病気への恐れなどから来ているのかもしれません。私たちはみな、幼児期に不安をかりたてる経験をしています。

多くの悪い経験に満ちた、極めてストレスの多い幼児期をすごすと、あとで相当不安に苦しむことになります。この不安の多くは、それが表れてきたときに対処されずに、無意識に押しこめられています。ペンフィールドという脳神経外科医が、脳の機能は高音質のハイファイテープレコーダーやCD のようであることを発見したことを述べました。

脳はまるで記憶装置のあるコンピューターのように機能するのです。脳のあるエリアを電極で触ると、本人はときに何か特定の出来事を思い出したり、またそうした出来事に付随している感情を思い出したり、またとくに具体的な出来事を思い出すわけでもないのに、高揚、うつなどの感情を思い出したりします。

この実験結果からペンフィールドは、特定の記憶や感情は記録され、蓄積され、またそれらはそれが実際おこつたときと同じく鮮明に再演されうると結論したのです。これらは現在のストレスによって出てきます。現在、不安をひきおこされるような状況、経験に出会うと、幼児期からの不安にかりたてられます。

それは子ども時代の感情であって、特定の出来事は思い出せないことが多いのです。抑圧された感情が現在の状況にも同じようにあてはまることは実際にはないのですが、そのように過去と現在を重ね合わせてしまうのです。

すると、私たちがなぜ現在の状況に過剰反応してしまうかがよく説明できます。私たちは現在の状況に反応しているのみならず、また同時に子ども時代の抑圧された感情にも反応しているのです。すると現在の状況からの不安は、部分的、無意識に抑圧され、強迫的心配や恐怖症にも貢献しているのかもしれません。

そしてそれが内在化されるとうつになるのです。本人が不安であることに対して不安を感じることによって、または本人が持っている特定の恐怖症や強迫観念に関する不安が出てくれば、あるいはうつ状態であることに対して不安が出てくれば、さらなる不安が生じてくる可能性があります。

不安を少なくするための(聖書が教える)行動パターン

不安を克服するための方法が重要となります。

1.肯定的な考えについて黙想する。
心配症の人によく私たちは「心配するのはよして、リラックスしよう。不安はリラックスのための合図だ。さあ、リラックスしよう」と言って指導しています。そしてこれを何度もくりかえしてもらいます。不安は普通、よりいっそうの不安が募る合図なのですが、しかしこうし0た単純な行動修正によって、脳は不安をリラックスのための合図とするよう条件づけることが16できます。
2.神の意にかなう行為に焦点を当てる。
不安な人に私たちはよく言います。罪を避けること、小さいフェローシップ(仲間)の集まりに参加すること。
3.満足できることに専念する。
自分の満足感を大切にします。
4.貧困の恐れを取り除く。
貧困は不安を招く原因になります。神は私たちが必要とするすべてのものを提供すると約束しています(私たちがほしいものすべてでなく)。
5.神の恩寵が自分とともにあることを知る。
神のめぐみ・いつくしみを信じます。
6.音楽を聞く。
音楽はリラックスに欠かせません。
7.適度な運動をする。
理想的には1回20分、週に3回。適切な運動については医師と相談します。活発な運動は血中にエンドルフィンを放出し、幸福感を増し、エネルギッシュにしてくれます。
8.十分な睡眠をとる。
大半の人は一晩8時間の睡眠を必要とします。眠れない場合はこちら
9.不安をおこす問題、恐れと向き合うために自分でできることをする。
いろいろな方法を変えてみて、解決方法を探り、試みます。
10.週に少なくとも1回は自分の欲求不満について親しい友人に話す。
話すことで開放されます。
11.適切なレクレーションをする。できれば週に2~3回。
脳にも体にもいい影響を与えます。
12.その日1日だけを十分に生きる。
おそらく私たちが不安に思っている、あるいは心配している98% のことは、実際にはおこすべらないでしょう。今日1日を生きる術は、しだいに学びとり、うまくできるようになります。
13.最悪の場合、何がおこりうるか考える。するとそれもそれほどは悪くないことを考えてみる。
先のことを考える
14.ものごとを先のばしにしない。そうするほどに不安が増す。
先延ばしにいいことはない。
多くの人が何かをいつも心配するようにプログラムされています。悪いプログラミングを改善するひとつの方法は、毎日心配に使う時間に制限を設けることです。
多くの人は毎日、四六時中心配しています。心は休まることなく、つらさは続くばかりです。
私たちはこうした人の助けになる簡単な(そして深遠な)方法を見つけました。
たとえば1日夜15分など時間を決めて、自分の問題について考える時間を設けるのです。
そしてその時閣外に問題が心に浮かんできたら、「今は考えてはいけない。あとで決められた時間にゆっくり考えることにしよう。今はそうしてはいけないのだ」と自分に言い聞かせるのです。これをすることで、心配に追い立てられ、そして悪いプログラミングを再強化してうつをひどくする心のエネルギーを自由にしてあげることができます。
こういう人はものごとを何時間も際限なく心配して、時間を無駄にしています。その大半、おそらく九八% は実際けっしておこらないことばかりです。将来のことをあれこれ気にもまずに今日1日を生きるのです。キリストは毎日その日だけでも、わざわざ未来から借りてこなくても十分な心配はあるのだと言っています。
心配は私たちが選びとっているのです。まとめると、私たちは今日1日を生きることが大切なのであり、もし心配が続いて意識に侵入してきたら、1日で決めた時間だけそうすること。そうして自分を規制するのです。そうすれば四六時中、心をわずらわせることがなくなり、心のエネルギーを不安、うつ、否定的思考に費やすことから解放されるでしょう。

抗うつ薬と入院が必要なケース 入院治療のメリット・デメリット

抗うつ薬は使うべきでしょうか? 答える人にもっよるのですが、NOと答える人もいます。

必要な状況では抗うつ剤は使っても、薬だけに頼らないほうがよいと答えます。ペニシリンが発見されたときも、多くの人がその効果を信じようとしなかったために亡くなりました。

私たちも、過去数年の間にガンの手術を拒否したために亡くなった人たちを数人知っています。有名大学の学生自治会会長が、州議会にレアトリル(杏などの核から製する制ガン剤)を合法化するように一人説得しているうちに、1977年、ガンで亡くなりました。多くの奇跡を神がおこしたからといって、神が奇跡をおこして病気を治すか、まったくそれはあり得ないかのどちらかだとする主張をそれで正当化できるでしょうか?

誇大妄想的人格でもなければ、超自然治癒は強要できません。今日、たしかに神はまれに、ある人々に超自然の治癒を与えますが、大半の人々は医療技術、投薬による常識の応用によって治るのです。

糖尿病患者で、インスリン注射が毎日必要な人はそうすべきでしょうか? それとも自分がいかに勇敢で極めて秀でていることを証明するために、インスリンを拒否して、2日のうちに昏睡状態におちいって死んでしまうべきでしょうか?

はっきり言えることは、もし自分がいかに勇敢で、秀でていることを証明したいのなら、そうやって死ぬのもいいでしょうが、しかし、私たちは生きるほうを選ぶということです。

神は私たちに与えられた常識を使うことも、また期待しておられるのだと信じます。うつよりも幸福を選ぶのです。

さて、抗うつ薬は使うべきでしょうか? ある状況下ではもちろんです。患者がうつ状態で、不眠や自殺願望を訴えてやってくると、3つの方法で治療します。

ひとつは処方薬なしで毎週の面接治療を続けることで、これだとうつは平均して6~12ヶ月で(もし最初の2ヶ月の、睡眠障害やひどい感情的な痛みを患っているときに自殺しなければ) 治ります。

もうひとつは、毎週の精神療法とあわせて抗うつ薬を出すことです。この場合だと、おそらく3~6ヶ月でうつがなくなるでしょう。

抗うつ薬を出してから最初の10日でよく眠れるようになり、また感情の改善が見られるようになり、自殺のリスクは低くなります。

3番目の方法は、入院型のプログラム。総合病院の精神科に入院していただき、毎日精神療法と投薬を続ければ1週間以内で楽になり、うつも3~6週間でなくなり、そのあと外来ベースで1~2か月の精神療法を続けるだけで良くなります。もし患者が4人の子持ちで、何ヶ月もうつのせいでつらい思いをしているのだとしたら、どのやり方が一番良いでしょうか?

自殺が現実味を増しているときに、子どもを父親なし(母親なし) にすることによって、感情的な深い傷を残す可能性を前にして、どの選択がもっとも適切でしょうか?

私たちなら、もしうつ本人が自殺のリスクがあるか、現実から逃れる(精神病的うつ) 危険カがあれば、入院はほぼ必須だと考えます。人命の賭けをする必要はありません。あまりにうつがひどく、生活上の支障がおきている場合、しかし自殺や現実から逃れる危険がない場合は、投薬しながらの外来精神療法がベストでしょう。

薬は使わなかったとあとで自慢するためにどうして3~6ヶ月もさらにうつを引きずる必要がありましょうか?

軽度のうつなら、薬は高価ですし、口が渇く、車の運転時に反応が鈍るなど、軽度の一時的副作用がありますので、投薬はしないほうがいいでしょう。

入院治療のメリット・デメリット

深刻なうつの場合の入院の利点は、以下のようにまとめることができます。

  1. 患者は集中的精神療法が受けられる。
  2. すぐに投薬調整が行なえる。
  3. ストレスの環境から安全な環境へ逃れられる。
  4. 病院の自殺防止システムにより保護される。
  5. 和やかな、サポートしあう、雰囲気がある。
  6. 改善していく他のうつの患者たちと知り合えることが勇気づけになる。
  7. うつの症状、感情的つらさがみるみるうちに改善する。
  8. 訓練された精神科看護師、他のスタッフらが精神科医のカウンセリングなどをサポートし、患者が自らについて洞察を得ることの助けになる。
  9. 看護師が患者の行動パターンを毎日観察しており、この情報を精神科医に伝え、患者が洞察を得るのに役立つ。
  10. 入院は(長期的には)長引く通院よりも安上がりである。普通保険でカバーされるからである。また患者は、比較的容易に職場復帰できる。

入院の短所には以下のようなものがあります。

  1. 依存性の強い人のなかには、精神科医のいる病院に入院して、うつのふりをしていることで、さまざまな責任から逃れようとする者がいる。
  2. 精神科への入院に村して、社会的不名誉がついてまわることがある。昇給や求職を困難にすることがある。
  3. 患者が入院して3~6週間後に退院すると、本人はうつを克服して楽になり、生きることに熱意を持っているような態度になるが、周囲の人たちは最初、本人を傷つけてはいけないと恐れて入院体験を聞くことをはばかる。これを本人は、個人的な拒否ととらえてしまう。
  4. 保険がなければ入院は非常に高価で、1994年の統計では平均1日1000ドル程度かかる。保険があっても、医療費の負担額は高い。

うつの処方薬

インシュリンのショック療法(訳者注‥インシュリンを皮下または筋肉内に注射し、意図的に低血糖性昏睡を生じさせる治療法。妄想や興奮に効果があるとされていたが、近年は向精神薬療法が一般的)や、電気ショック療法(ECT 、ESTとも呼ばれる)(訳者注‥頭部に通電させ、脳機能を改善させる治療法。

うつや妄想に効果があると言われる)を使用することはありません。健康への悪影響の可能性があるし、多くの場合、これらはほんの一時的な軽減にしかならないためです。ショックセラピーは現在のうつを治すこともありますが、

しかし本人がまたうつにならないためにはどうしたらいいかを教えはしません。精神科医のなかには、抗うつ剤をいやがる自殺願望のある患者、改善が見られない患者にショック療法を使う人もいます。

普通はこれに外来の精神療法でフォローします。私たちはまた依存性のある処方薬も使いません。三環系抗うつ薬は依存性がありません。これらは毎日就寝時、150mg、普通6ヶ月、投薬します。

その後は、セロトニンレベルが平常化すれば、抗うつ剤の服用をやめても服用していたときと同じように楽になります。近年ではトフラニール、エラヴィル、シネカンなどよりもっと効果的な薬が出ていますが、私たちはあるタイプのうつには新薬といっしょにこれらの古い薬も使います。

古い抗うつ剤と同様に、これらにも依存性はありません。リウマチ、偏頭痛、繊維筋痛、腰痛、その他の内科の病気などの慢性的な痛みには、私たちはシネカンとパキシル、あるいはゾロフト、エフレクソール、プロザックなどをあわせて使います。なぜならこれらの薬は慢性の痛みをよりやわらげ、耐えられるレベルにしてくれる痛みの限界値を上げてくれるからです。

プロザックやゾロフトを使うと大半の人が週に一ポンドから数ポンド、体重が減ります。患者がやせすぎるようだったらこれらの投薬をやめなくてはいけません。

 

怒りがわいたときは

幸福に生きるための「7つの習慣」の3番日は、恨みはその日のうちに捨てること、と紹介しました。ここでは、怒りにどう対処するかについて紹介しますが、その諸原則に従えば、うつはけっして悪化しないでしょう(もちろん遺伝的、内科的な要因がなければ)。

1.あなたの怒りが適切か、不適切かを分析する

自分自身、友人、その他だれかに怒りを感じているときは、その怒りが適切か、不適切かを分析すれば、怒りによく村処でき、なぜ自分が怒りを感じたかの洞察も得られるでしょう。

ある怒りは、私たちを傷つけた人に村する極めて適切な反応(正当な憤慨)でしょう。

たとえば、ゴシップやうそをでっちあげる人たちなどに対して、怒りが生じるのは、当然のことと言えます。しかし、怒りの多くは不適切です。不適切な怒りには、3つの原因があります。

1.自分の自己中心的な欲求が満たされないゆえの怒り
わがままは不適切な怒りの大半の原因です。わがままがすぎるほどに、怒りはますます増大します。そして、恨みを翌日に持ち越すことはうつの一大要因であるため、深刻なうつの問題を抱えるでしょう。
2.完全主義的期待が満たされない場合に出てくる怒り
完全主義者(強迫性人格)は自他ともに、多くを期待しすぎています。その結果、彼らはよく自他(たいていは自分自身) に恨みを持ちます。国際的に認められている10の人格タイプのなかで、完全主義者が一番うつの率が高いのです。
3.疑惑から出る怒り
妄想を持ちやすい人格傾向がある場合、よく人の意図を誤解します。ある人が本人のことに気づかないとすると、わざと避けられているのだと決めつけるのです。また、親近感を得ようとしてちょっとからかったりしようものなら、その「友だち」は自分をばかにする気だと思ってしまいます。こうした妄想的な傾向がある人は、自分の抑圧された怒りに盲目で、それを人に投影し、人も自分に怒りを持っているとかんちがいしてしまうのです。

つまり、自分の中に相当の抑圧された怒りがたまっているために、ある人のしたことが自分の犯した罪をあまりに想起させるので、ささいなことで激怒したりするのです。
自分が怒りを抱く対象の人というのは、おそらく自分と似た人格のタイプである可能性が高いのです。

私たち人間は、自分の非をごまかすために、だれか同じょうな欠点を持った人がやつてくると、その人に対してわけもなく否定的な反応をしてしまいがちなのです。人間はみなこのようなことをしますが、とりわけ妄想を抱きやすい人格の人はその傾向が強いのです。ここでまとめましょう。不適切な怒りの主要な3つの原因は、

  1. 自己中心性
  2. 完全主義
  3. 疑惑

です。

怒りが適切か不適切かを正しく洞察することがいかに婁か、明らかになったかと思います。願わくば、自分のわがまま、疑惑、完墜を期待するなどの多くを取り除くことができれば、怒りの大半はなくなることでしょう。

洞察力を得ることは、うつを克服するのにも大きな助けになります。もちろん、第1ステップは自分が怒っていることを認識することです。

怒りは、個人がその存在を認識しないことには向き合いがたいものですし、またある状況で、人がなぜそんなに怒りを出すのかを理解することもまた、次に怒りをコントロールし、処理するのに役立ちます。

たとえば、友達に軽くあしらわれたようなときに極端にかっとなるとします。現実の出来事とは思えないような怒りを出すのなら、それは奪感、力量不足感を感じた別の場面のことを想起したためかもしれません。

現在の出来事が、こうした過去の感情、不安定さ、いわば地中に埋まっている地雷を刺激、強化したのです。おそらく反応の25% は現在の状況への、そして75% はずっと昔に抑圧した感情への反応でしょう。

同様に、自分の人格を正しく洞察することができれば、怒りやうつもより良くコントロールできるようになります。そうたとえば、循環気質性人格 の人が自分の操うつパターンの洞察を得れば、そしてどのくらいの頻度で人に拒否されたと感じて腹を立てるかがわかれば、次からは不適切な怒りをコントロールできるようになります。

また、強迫性人格、完全主義者の人が、過剰に厳しい見方で人(また自分も)を見ていることに気づけば、今後は不適切な怒りをコントロールできるようになるでしょう。ヒステリックな人が自分が過剰に感情的になる傾向があることに気づき、一瞬のうちに敵意を抱くことを理解すれば、不適切(自己中心の) な怒りをコントロールする助けになります。

個人の子ども時代の洞察や、それが現在にどう影響しているかということの洞察は、現在の怒り、うつを克服するのに大きな助けとなります。同様に、現在の人格傾向の洞察もまた、怒り、うつの克服の助けとなります。しかし、注意しなくてはならないのは、洞察は危険でもあるということです。

本人が処理できない状態のときの急激な洞察は危険です。洞察をあまりに急激に行なった場合、現実の痛みを持ち抱えるために混乱してしまうこともあります。こうした状態のときには、彼らは非現実のなかに生きるため、洞察は遮断されています。

洞察は注意深く与えられ、用いられなくてはなりません。

2.怒りを口に出してみる

もし自分の怒りが適切だと確信できるなら、この怒りを何とかしてロに出すことです。そして、相手と仲直りをしましょう。私たちが相手に怒りを持っていなくとも、相手が自分に怒りを持っていれば、やはりその人のところに出向いて行き、仲直りすることは私たちの責任だと言えます。

そうするには、大きな勇気と豊かな変が必要です。私たちが怒りを口に出す心理的な利点を以下にあげてみましょう。

  1. 怒りを抑圧して、なぜこんなにイライラしたり、落ちこんだりするのかといぶかるのでなく、
    私たちが真実、すなわち自分が本当に怒っていることに気づくのに役立ちます。
  2. 怒りを口に出さずにだれかを許すことは可能ですが、怒りをその人の前に出すことで、たとえ相手が私たちの怒りが不適切であると考えたとしても、ずいぶん楽になります。相手がどんな反応をしようとも、私たちは相手を許さなくてはなりません。人の罪のためになぜ自分がうつを患わなくてはいけないのでしょう? それはばかげています。怒りを口に出して、相手が許しに催するかしないかにかかわらず、相手を許すべきです。
  3. 私たちが怒りをうまく口に出す(真実を言う)ことができれば、相手に問題を自覚させることができます。それには怒りをうまく口に出さなくてはなりません。怒りを口に出す意図はつねに相手と仲直りするためであるべきで、けっして恨みを晴らすためのものであってはなりません。
  4. 怒りをうまく口に出すことは、結婚や友情をよりいっそう親密なものにします。怒りを口に出さないと、人間の本性上、受動攻撃的な(そして普通、無意識の)方法、たとえばふくれっ面、だらだらと後回しにする、夕食を焦がす、セックスの場面になると頭痛がする、遅く帰宅したり、遅くなることを電話しないなど、言葉以外の方法で怒りを見せるはめになることはほぼ確実です。
  5. 怒りをうまく表すと、相手はたいていの場合、私たちが、(a)率直で、(b) 感情をきちんとコントロールしていて、(c) 責任もって怒りに対処しているために、以前にもまして私たちを尊敬するようになります。
  6. ゴシップになるのを防ぎます。自分が怒りを感じているのにその相手に怒りを表現しないと、第三者にその人のことを言いつけたくなる誘惑が圧倒的に大きくなります。衝突を解決する、あるいは少なくともオープンに衝突を認め合えば、私たちが相手のゴシップの種になることも防げます。

ここでふれたことを度を越して実行されないように、ひとつ明らかにしておかなくてはいけないことがあります。

つまり、少しでも怒りを感じたときは、すべてその怒りを口に出すようにしなさいと言っているのではないということです。この点は自分の判断で、現実的であるべきです。

たとえば、アメリカの大統領が何か自分の気にいらない意思決定をしたのがちょっと腹立たしいからといって、大統領に電話したりはしないでしょう。上司に怒りがあるなら、そしてそれを口に出すことによってあなたがクビになるなら、上司にではなく、だれか別の人に話を聞いてもらって、上司を許すための助けを得るようにしたほうがいいでしょう。

またある場合は、上司にうまく怒りを伝えたり、大統領の決定事項に対して抗議の電報を送ったりすることが極めて適切な場合もあるでしょう。

要するに、自分の判断を使って行動することです。上司への怒りを、のちに妻と話し合うことで問題の本質に焦点を当てることができ、それによって許しを選ぼうと思えるようになるかもしれません。

ジョギングをしたりテニスボールを打ったりするなど、怒りを体で出すことで、怒りがより明確になって許しを可能にしてくれるでしょう。

ただし、運動はいい方法ですが、運動だけに怒りを出さないように注意してください。フットボールのようなスポーツを見ることでも、象徴的に怒りの一部分を出す助けになります。しかしそれだけでは十分ではありません。

もし恨みを長い間抱えていれば、うつになるのはこ当然です。脳セロトニン、ノルエピネフリンも、「恨みのレベル」が長期に、多量になれば枯かつ渇してしまいます。

その期間と量には個人差があります。怒りを口に出す2つの対称的な方法についてふれましょう。怒りを表現するには2つの極端な方法があります。ひとつは攻撃的、もうひとつは受動的な方法です。自分が怒りで攻撃的になっているとき、私たちはその感情を自分から出して、それをだれかを犠牲にして吐き出します。

相手の性格、個人攻撃をするのです。もうひとつの極端な方法は受動的な方法で、その場合、私たちは自分が感じるようには表現せずに、たとえばものごとをだらだらと先のばしにするとか、だんまりを決めこむとか、いい加減な仕事ですませるとか、人に自分の生き方を任せて、かつ同時にそれを恨むとか、本当はNoと言いたいのに意に反してYesと言ったりといった、無意識の受動的操作によって怒りを出します。

どちらの極端も健全ではありません。健全なバランスは、アサーティブであることです。すなわち、率直であるということです。アサーティブだと、感じるように感情を表現し、かつ愛と適切な方法をもって言いたいポイントを伝えられます。

YesはあくまでもYesで、NoはNoなのです。自分が立ち上がるべきもののために立ち上がり、大切だと思うことを求めます。

例を出すとわかりやすいでしょう。だれかが私たちの感情を傷つけたとします。私たちが攻撃的だと、相手を個人攻撃して、その人を侮辱するようなことを口にすることで相手の人格を攻撃します。受動的なら、何も言いはしないのですが、単にこのことに関してふくれっ面を見せる(そしておそらく本人のいないところで陰口をたたく) でしょう。

ではアサーティブならどうかというと、本人のところへ行って、このように伝えます。「あなたが言ったことで怒りを感じているけれど、何とか話し合って解決したいので、時間をとってくれませんか? 」となります。どんなに怒りを口にしても、許さなくてはならないことを忘れないでください。許しは意思から始まる、選択の問題です。そこに達するまでに時間がかかるかもしれません。感情は容易に水に流せるものではありません。

私たちのコンピューターをプログラムし直すには時間がかかります。感情を再プログラムするのも同じです。しかし、許すのだという意思はすぐにおこせます。ここが大切なところです。

また、許しはすべてのあやまちを帳消しにすることでもないということも大切です。そうではなく、だれかの罪状に攻撃をしかけないということです。もし許すことがすべてをなかったことにして忘れることだと考えるなら、大変なことになります。許すとは、人の罪をもはや問わないよう心に決めることを意味するのです。基本的に怒りと許しの村象である相手は、五つのグループに分けることができます。

  1. まずは親です。親への抑圧された怒りはよく見られます。私たちもまた、子どもを育てるの
    にミスを犯した親を許さなくてはなりません。親が私たちの許しに催するか、しないかは別としてです。
  2. 次に、私たちは自分自身を許さなくてはなりません。人に腹が立つのと同様に、あのときああすれば、こうしたらよかったのに… と自分に怒りを抱きます。人に対するよりも自分自身に批判的で、厳しくあたります。過去のミス、罪については自分を許さなくてはなりません。
  3. 3番目に、私たちは神への抑圧された怒りと向き合わなくてはなりません。神を許すのではありません。そうではなく、神への抑圧された怒り、苦い感情を持っているかもしれないということです。無意識に内← 、次のように言っているかもしれません。「神がもし本当に私を見守っていてくださるというのなら、あの状況だって防げたはずだし、何とかしてくれることができたはずだ」と。私たちは神への怒りを告白し、それに関して神と話をし、何とか折り合いをつけなくてはなりません。
  4. 4番目に、伴侶への抑圧された怒りと向き合わなくてはなりません。伴侶がなしたあやまちを許す必要があります。だれでも2人の人間がいっしょに住むと、多くの怒りが出てくる状況がおこり、怒りが数年間にわたって蓄積されます。うつを防ぐには伴侶を許す必要があります。
  5. 5番目は、その他の人々です。このグループには若いころの仲間たちなども含まれるかもしれません。多くの状況がおこって、抑圧された怒りがまだそのままになっている場合があるでしょう。怒りを告白し、相手を許す必要があります。

怒りをコントロールするいい方法のひとつは、成長を続けることです。成長すれば、怒りの多くがおのずと解消され、よって、私たちはより幸せで健康な人間になれます。怒りを分析した結果、怒りが不適切だった(自分の自己中心性、完全主義、疑惑ゆえのもの)とわかったなら、不適切な怒りを口に出すことはおそらく必要ないでしょう。しかし、不適当な怒りでも口に出すことが役に立つこともあります。

その例を見てみましょう。「○○さん、しばらく前まで私はあなたに怒りを感じていました。それでそのことに関して祈り、分析してみたのです。2時間ほど考えてみたところ、自分の完全主義が手に負えなくなっていたことに気づきました。あなたが完蟹であることを期待し、すべてを私の期待どおりにあなたがしなかったことに腹を立てたのです。

そんな私を許してくれますか? あなたが私を友人として求めてくれるなら、私のこの心の狭さにがまんしてもらうことになるかもしれません」。前述したように、不適切な怒りを出すもっとも良い方法は、不適切な怒りの元(わがまま、完全主義、疑惑) を断つことです。

3.報復したい、という気持ちを手放す

怒りをとどめておく(恨みを持つ) 無意識の動機はたったひとつしかありません。それは復讐です。最近、ある患者が過去3年間のうつの原因をさぐろうとオフィスにやってきました。「3年前、つまりうつが始まる前に、だれかに怒りをためていましたか? 」と聞くと、最初はその質問に驚いていた彼が、考えて1分もたたないうちに怒りを表に出し始めました。

首にはできもののようなものがいっぱいできていて、赤くなっており、瞳は開き、指はだんだん力が入って拳になっていきました。

彼は3年前、彼がやってもいないのにカンニングをしたと大学の仲間たちの前で決めつけた女性教師のことを、罵言を含め、明らかな敵意をみなぎらせて語りました。

「その教師をなぜ許さないのですか? そうすればうつが良くなるのに」と聞くと、彼は怒りながら「そんなこと絶村にあり得ませんよ。死ぬまでけっして許せませんね。許す価値もないですよ」と言いました。そこで少し、そのことがいかにばかげているかを指摘するのに、少し刺激を与えるのが適切であると思われました。

それで「いやあ、たいした仕返しですねえ。そのために3年間もうつ状態だなんて。はたしてその価値はあるんでしょうか? そもそも彼女はあなたのこと、覚えてますかね? 」と言いました。ここはうつのメカニズム(恨みを抱くとその人自身の中でどんな生物化学的変化がおこるか) を彼に説明するのにも絶好の好機でした。

教師を許す(彼女が実際許しに催しないにもかかわらず) ようになると、これまで3年もおおいかぶさっていた彼のうつは、ほんの数週間で消えていきました。復讐は愚かな動機です。個人的復讐はまったく不必要、かつ愚かです。復讐するか、恩寵を見せるかは神が決めることです。私たちの出番ではありません。神の邪魔をしないことです。

私たち人間は、いろいろな方法でたとえば人を裁いたり、復讐しようとしたりして、人生の半分を神を演じようとしてすごします。なんと愚かなことでしょう。もちろん人間は少しばかり動物より頭が良くて幸いですが、自分をあまりに落ちこませるあまり、自殺するのは人間だけなのです。

さて、使徒パウロがローマ人への手紙で、復讐について言っていることを見てみましょう。だれに対しても悪をもつて悪に報いず、すべての人に村して善を図りなさい。あなた方は、できるかぎりすべての人と平和にすごしなさい。愛する者たちよ、自分で復讐をしないで、むしろ、神の怒りにまかせなさい。

なぜなら、「主が言われる。復讐は私のすることである。私自身が報復する」と書いてあるからである。むしろ、「もしあなたの敵が飢えるなら、彼に食ゎせ、乾くなら、彼に飲ませなさい。そうすることによって、あなたは彼の頭に燃えさかる炭火をつむことになるのである」。悪に負けてはいけない。かえって、善をもって悪に勝ちなさヽ一〇しY相手が間違ったことをしたときだけ相手を許し、自分がミスを犯したときに自分を許しさえすれば、私たちはけつしてうつの苦しみを味わわなくていいのです。まとめましょう。怒りに向き合うには3つの方法があります。

  1. 自分の怒りが適切か、不適切かの正しい洞察を得る
  2. 重要で、適切な怒りを口に出し、就寝前に許す
  3. けっして人に仕返しをしない。

多くの読者がこの原則を実践してくださることが私たちの願いです。幸福は自分で選びとるものだからです。

「うつ」な気分から抜け出す方法

次の7つの習慣にのっとって生きていけば、だれでもうつのつらさの大半は避けられると確信しています。

もちろん、ある程度の気分の上下はあるでしょうが、そしてだれでも同じようなグリーフ反応(喪失による深い悲しみに対する反応) はあるでしょうが、それでも(遺伝的な障害がないかぎりは) うつの症状は軽くなるでしょう。「7つの習慣」に入る前に、ひとつ大切なことをつけ加えなければなりません。精神科医として私たちは、患者が「できない」という言葉を使うと悲しい気持ちでいっぱいになります。

たとえば、「夫と仲良くできません」、「夫とは話ができないのです」、「子どもを思うようにしつけられない」、「なかなか愛人と別れられない」、「仕事が見つけられない」、「むちゃ食いがやめられない」、「やってみたけど妻を愛せない」等々。いい精神科医ならだれでも、「できない」、「やってみたけど」の多くは言い訳であることを知っています。

私たちは、自分に正直になって、状況の真実を表す言葉を使ってほしいと主張します。それで、患者に「できない」のかわりに「しない」を使ってもらいます。

「夫とは仲良くしません」、「夫とは話をしません」、「子どもを思うようにはしつけません」、「愛人とは別れません」、「仕事は見つけません」、「むゃ食いはやめません」、「妻のことは愛していません。少しは愛そうとしたのですが、うまくいかない」。

「できない」をすべて「しない」にかえれば、現実を避けることをやめ、自分をあざむくことをやめて、真実に生きられるようになります。つねに転んでしまう人は、自分で自分を挫折させているのです。自分を自分最大の敵に回しているのです。うつになっている人は、自らうつを選んでいるのです。

人によっては、普通なら8~9ヶ月のところを数年かかる人もいますが、最終的には全員がうつの症状を乗り切ります。しかし何かを信じて受け入れようとしない人は、うつから抜け出る力を持っていません。

1年後には、またもとに戻ってしまいます。しかし「7つの習慣」に従う人は、うつを克服したあとにうつが戻ることはまずありません。ではここで、幸福な、生きがいのある、有意義な人生のための7つの習慣を、ひとつずつ見ていきましょう。

1.毎日、人生に感謝し、生きる決心をする。

朝起きて、また1日、人生を楽しめる日を与えられたことを感謝します。すべての人が日々あやまちを犯すように、今日もあやまちを犯すかもしれませんが、自分自身をよりいっそう愛すること、自己批判的にならないことを決心します。

2.毎日、黙想する時間を持ち、生活に取り入れる。

私たちの脳は、意志のあるコンピューターのようなものです。私たちは自己中心的な性質を持って生まれているので、時々間違ったこと(うつや自己被壊につながるようなこと) をしてしまいがちです。

そればかりか自らのあやまちを否認しさえします。もし私たちが幸福を選ぶなら、私たちの「コンピューター」である脳を、自分のおかしな思考ではなく、健康な状態にプログラムすることを選ばなくてはなりません。黙想することによってのみ、それができるようになります。

ある脳神経外科医が、電極を使って脳の実験をしたことがあります。彼は、脳のあちこちの部位を電極でふれると、被験者が過去の出来事を思い出すことを発見しました。さらに、出来事だけでなく、その出来事に付随しておこつた感情もまた思い出せるのです。

ときには特定の出来事は思い出せなくても、ある感情だけを思い出すこともあります。この実験結果から、脳はコンピューターのような役割をはたすこと、ときに記憶を、ときに感情を、ときには記憶と感情の両方を記録することが推論できます。

またいったん記録されたことは、いつでも再生することができ、そのときの行為の多くに影響を与えうることもまた推論できます。

つまり、過去からの悪いプログラミングは現在の行為に影響を与えるのです。さらに私たちは日々自分にひとりごとを言い聞かせていますが、それをどう感じるかにも影響を与えます。人の関心を得るための手段として、また人を操作する手段としてうつを使うことも促します。

1日中、否定的な思考パターンを抱かせることもします。四六時中、くよくよ心配ばかりさせたりもします。うつをいっそう深めるようなつらい思考を抱かせ、自己疑惑と批判でいっぱいにさせたりします。他者との関係を疑い、また人から受け入れられているかどうか疑問に思わせたりもします。何年も前にプログラムされたことを、直接コントロールすることはほとんどできませんが、コンピューターをプログラムし直すことはできます。心を入れ変えるプロセスはゆっくりとしたもので、1回きりの現象ではありません。一生涯続くものです。心に相当悪くプログラミングされた場合は、正しい方向にプログラムし直すためには何年もかかるかもしれません。

しかしそれは可能なのです。もうひとつの再プログラミングする方法は(少なくとも悪いプログラムを再強化しないようにするには)、自分が何を考えているかをチェックしてみることです。批判的、否定的思考はうつの気分を強化します。その考え方を変えることで、気分をよくすることができます。ポジティブ思考には実にパワーがあるのです。

3.怒りを翌日にもち越さない

憤ったままで日が暮れないようにつとめましょう。それができれば、怒りはまったく蓄積されません。

4.伴侶、子どもたち、親、兄弟姉妹、親しい友人たちと、時間をともにすごすことを毎日心がける

家族との衝突を解決するためには、できるかぎりのことをしなくてはなりません。家族のメいやンバーにけっして恨みを抱かないことです。そのためにはできるかぎり、自分の傷を癒すことです。

家族との親しさは、自己肯定感、そして心の健康にとってとても大切です。ときとして家族の衝突は未解決のまま、何年も続きます。家族という言葉はこの場合、身近な親戚というよりももっと広義で理解してください。今日の社会のいい例は、アラブとイスラエル間の絶え間ない「家族戦争」です。兄弟のライバル意識はもう数千年も続いています。これが数千年前に解決されていたならば、実際そうであるべきなのですが、アラブとイスラエルは今日、苦々しい敵ではなく親密な友だったことでしょう。

精神科は、多くの医師が多忙ですが、子どもがまだ小さかったころ、毎晩週日は平均2時間、週末の土日は4時間、いっしょにすごすように努力します。

「子どもとすごす時間数でなく、時間の質が大切だ」などとよく言われますが、これはナンセンスです! 時間は質と同じくらい大切です。

また、毎日、深く、親密に妻たちとも意思疎通をはかるための時間をとります。また毎週、最低1~2回は妻たちをデートに連れ出しています。また親、兄弟姉妹、親友たちと親密な友情を深めるためにすべきことを、常に考えています。みんなは認めようとしませんが、私たちの自己肯定感は、親からの愛情と私たちがいかに受け入れられたかに基づいているのです。家族の衝突を解決するためのイニシアチブをとらなくてはなりません。

親戚が私たちの感情を害したことを「反省」するまで、疎遠にしてはいけません。もっとも大切なことは、家族の衝突の解決に100% 責任を持って、仲直りをするためのクリエイティブな方法が見つかるよう努力することです。

それがうまくいかなければ、別の方法を試してみなくてはなりません。もちろん親戚が虐待をする人なら、彼らとのつき合いを絶つことで自分を守ることが必要になるかもしれませんが。

5.毎週、友人1~2人と時間をともにすごす

既婚者ならほかの既婚者たちと楽しめばよいでしょう。こうすれば、夫婦ともに、他者との親密さから多くのものを得ることができます。

「知恵ある者とともに歩む者は知恵を得る。おろかな者の友となる者は害を受ける」という言葉があります。友人は注意深く選ぶことです。自分が意図する、しないにかかわらず、あなたはますますその友人のようになっていくからです。

心の重荷を友と分かち合いましょう。だれも1人では生きられません。1人で幸福にはなれません。孤独はつらいものです。親しい友がいなくてはなりません。そして、友人を選ぶ責任は、自分が100% 持たなくてはなりません。

もし友人がほしいなら自分から出かけていって、親しくなることです。友人は自分で得るものです。人間はだれもが拒否されることを恐れます。この恐れが人一倍強い人もいます。しかし、人に好かれることを期待してはいけません。

3~4組の夫婦に親しく接して、そのうち1組からいい反応が返ってくれば、それはラッキーだと考えるべきです。数多くの友人はいりません。親しい人が2~3人いればいいのです。もしそのうちの1人が死んだり、引っ越していなくなっても、自分が苦しむ程度はかなり軽減されるでしょう。

まだ二人、頼れる友が残つているのですから。「世には友らしい見せかけの友がある。しかし兄弟よりもたのもしい友もある」という言葉もあります。親密さが必要なのであって、数ではありません。そして、どの友にもけっして恨みを抱かないことです。恨みは簡単にたまっていきます。

それを口に出して怒りを消化しないと、それは無意識レベルに蓄積されるようになるでしょう。「愛を追い求める人は人のあやまちを許す、人のことを言いふらす者は友をはなれさせる」という言葉もあります。

6.自分に満足をもたらす、決まった日課をする(仕事、遊び、家事、その他の活動などを含む)。

日々の日課を選ぶ際、あまり意気ごみすぎないように注意しましょう。参考までに、私たちは以下の優先順位リストにしたがって日々の日課を選びます(もちろん読者は読者自身の優先リストに基づくべきです)。

  1. 祈りと黙想の時間を作る。
  2. 自分の心の健康のための時間をとる。自分の心が健康でないことは、家族や他者にとってもあまり有益ではありません。だからこのような時間を作る必要があります。これには、骨休めしてリラックスする時間も含まれます。自分が好きならフットボールなどスポーツの観戦もいいでしょう。伴侶や他の夫婦らとの交流、また運動なども含みます。
  3. 伴侶とのより親密な関係を築いて継続していくための時間を十分に設ける。これには楽しみを共有する真剣な会話、いい性生活も含まれます。伴侶は子どもよりも優先順位を高くするべきです。
  4. 子どもをしつける時間を十分にとる。これには、子どもと遊び、彼らの問題に耳を傾け、学校の活動に参加するなどが含まれます。
  5. その残りの時間の一部を、生活の糧を得るためにすごす。家族の面倒をみることも大切です。たとえ優先順位の1~4 によって、収入が減ることになっても(多くの家庭がそうでしょうが)、そうであるべきです。家族はあなたのお金よりも、あなたのことを数千倍必要としているのです。
  6. そして、時間が少しでも余ったなら、才能、特技を使って人のために役立つことをする。

7.週1回、だれか1人のために何かいいことをする

この親切な行為は、肉体面で(たとえば家事を手伝うとか)、心で(本をプレゼントしたり、相談にのってあげたり)、あるいは精神面の(ともに献身、祈りを捧げる) ものでもいいでしょう。これらの「7つの習慣」のうち、あなたはすでにどのくらい実行しているかを考えてみましょう。

こうした「7つの習慣」は、熱心に( いい加減な気持ちでなく) 実践する人には数か月のうちに幸福をもたらします。幸福は自分で選びとることができるものなのです。

 

うつが起こる仕組みの解明

では、うつの心理的、生理的メカニズムについてざっとまとめたいと思います。不健全な家族パターン、とくに人生最初の六年が、その後の人生でその人がうつにおちいるかどうかの重要な鍵となります。

そのおもな原因のひとつは、幼いときに、怒りをうまく建設的に表現するかわりに、怒りを抑圧することを教えられることです。それほど重要ではありませんが、遺伝という要因も考えられます。

強迫的人格(完全主義的)演技性人格のダイナミクスについては、前にふれました。これらの要因のすべてがうつの土壌となり、そこヘストレスが加わるのです。

一時的にグリーフ反応はあってもうつにおちいることなく乗り切ることができるでしょう。しかし幼児期の環境(もしかして遺伝も) 要因を持っており、怒りを抑圧することを学んだ人は、うつをひきおこすまで肥大してしまうのです。そして前述した生理的症状などが出てきます。

学習によるパターン化

うつは学習によってパターン化します。親がうつだと子どもも同様に、うつのライフスタイルを発達させるようになります。

生き方として、ストレスの対処法として、うつを学習するのです。うつの家族は、次世代にもこのうつのライフスタイルをひき継がせます。子どもたちの人格も、親に似てきます。

脳には気分を司る大脳辺縁系と呼ばれる部位があり、上機嫌、意気消沈、安定した気分などをコントロールします。脳内アミンは神経細胞間のシナプスを行き来する神経伝達物質です。こかつこうした伝達物質( ノルエビネプリン、セロトニン) の枯渇がうつの一大要因であると考えられています。

ためこまれた怒りはこうしたアミンの枯渇をもたらし、その結果、神経系が正しく機能せず、不眠、疲労感、食欲の変化、動惇などがおこります。子ども時代を、否定的で、慢性的にうつ状態の親とすごした子どもも、同じような態度を学習します。

よって、彼らは普通の人以上の怒りを持ち、脳内アミンはほとんどいつも枯渇しているようになります。ぜひとも私たちの子どもを、うつのライフスタイルのなかで育てないようにしましょう。

他人を操作するためにうつになる人

ときには、うつは人に対処する手段となります。実際、うつは人を操作し、自分の思い通りにするためのパワフルな手段となりえるのです。伴侶を操作するためにうつを使う人もいます。子どもは感情を分かち合うよう奨励されるべきですが、悲しいふりをして人を操作するやり方に、あまり左右されないようにしましょう。

自分で自分を罰する人

うつは、自分で自分に歯向かう病です。ですからうつを感じ、みじめになると、それで当然だと思ってしまうのです。そして、自分で自分を罰してしまうのです。もし罰を受けるべき行為をしたとしても、それは神が与えるものであって、自分でもたらすものではないことを知る必要があります。神は何とか彼に教えをさとそうと思うかもしれませんが、それは神がすることであって、自分ですることではないのです。

つら い思考 が エスカ レート す る人

うつになると、どんどんつらい思考に向かっていきます。希望はますますなくなり、無価値感、罪悪感を強めていきます。自己批判が強くなり、自己評価も低くなります。

そしてうつに2なると、全般的につらい思考パターンが現れてきます。不適当な思考はより不適当な思考を生10むという循環を招くというわけです。この思考を変えることはできるのでしょうか?

カウンセリングを受けている人は、自分にこく言い聞かせるメッセージを変えることでずいぶん気分が楽になっています。自分をそんなに酷し便せず、批判的にならないことが大切だと感じています。

うつの人は、20人からほめられても、たった1人に批判されると、20人からほめられたことを忘れてしまいます。これを逆にして、人からの肯定的な評価を重要視するようにし、それほど大切でない、たまにしか出ない否定的な意見ばかりに気を集中させないことが大切です。

うつになって得た報酬に味をしめる人

子どもは子ども時代にどんな報酬を与えられ、しつけを受けたかによって反応の仕方を学びます。

たとえば、うつになると学校を休むことが許されて、余分に関心をかけてもらえることを学んだ子どもは、うつをライフスタイルとするようになります。うつに不適当な報酬が与えられたので、それが強化されたのです。

夢をみないとうつになる

うつの最大原因のひとつが、ありふれた疲労です。身体的、精神的に頑張りすぎると、うつがおこります。

よく学生が徹夜して勉強したり、幾晩も連続で5~6時間の睡眠ですませようとしたりします。催眠のニーズを無視するのは危険です。私たちの体は平均して8時間の睡眠を必要とするのです。

健康を保つには、夢をみる時間も必要です。大人はみな寝ている間、90分につき約20分は夢をみています。

しかし、途中で起きることがないかぎり、その夢を覚えてはいません。3晩夢をみなければ(睡眠は十分でも)、大半の人がうつになり、また妄想的になるでしょう。では、どの脳内物質が人に夢をみせるのでしょうか?

最近の研究では、ノルエビネフリンとセロトニンが夢の開始、維持を司ることがわかっています。夢では、現在の無意識の衝突がすべて象徴化されます。どの夢にも象徴的な意味があります。幸福を選ぶのなら、健全な睡眠パターンを選ばなくてはなりません。睡眠、夢は健康と命を保つのに必要なのです。

思春期のうつ

成人は、うつになると行動でわかります。しかし思春期の子がうつになっても典型的なうつの現れ方をしません。

そのかわり、嘘をついたり、不法薬物に手を出したり、性的にまずい行動をしたりします。ある10代の女子の例を見てみましょう。

彼女は最近まで極めて健康な子でした。娘がうつにかかっていると知らされた母親は、娘に性的行動や薬物の乱用に制限を設けるようにと言われました。娘はセラピーを受け、抗うつ剤を服用すると、数週間のうちに、以前のような健康な子に戻りました。

数多くの思春期の子が同じょうなことで治療を受けています。しかしこの治療は、甘やかされて、小さいころから好き放題してきた子にはうまくいきません。親が離婚したあと、子どもがうつにおちいることはよくあります。

子どももまたうつを行動化します。10代のうつ、自殺はアメリカで過去40年の間に300% の増加を見せています。これは家族崩壊のためです。親の離婚に関する子どもの怒りを話し合い、そして親を許すことができれば、子どもは良くなります。また、父親の死後、グレたり薬物に手を出したりする子は、父の死について、感情を話し合うことができ次第、改善されていきます。

産碍期のうつ

女性が出産後(とくに第1子の) にうつになることはよくあることです。この産後のうつは、とくに出産に関する複雑な感情を抑圧している母親にもっとも多く見られます。

複雑な気持ちを持つことは正常です。赤ん坊を産んで、一生親となることは大変な責任です。しかし、赤ちゃんを産むことの恐れが母親にとって受け入れがたい場合、そしてこの感情を抑圧すると、うつがおこります。こうした恐れを素直に認めて、夫や友人に話をするほうがはるかに簡単ですし重要です。母親がこうした感情を話し合うことができれば普通、うつは消えますが、抗うつ剤を必要とする場合もあります。ただし、抗うつ剤は、妊娠中、授乳中は普通は避けるべきです。

中年期のうつ

中年期にうつがおこることはよくあります。自分で設定した目標にけっして到達できないと感じている強迫的な人には、とくに顕著に見られます。これに気づいた彼らは自分自身に非常に腹を立て、うつになります。それとは逆に、目標を達してうつにおちいる人もいます。

目標に達しても不安定に感じているからです。彼らのつらさは外的要因でなく、自分とつき合って生きなくてはならないところから来ています。彼らはよくうつになって、つらさを罪のない伴侶やだれかのせいにします。

中年期には多くの喪失がおこり得ます。たとえば研究によると、中年女性の最大の恐れは、美貌が衰えるということです。その次の恐怖感は、伴侶に先立たれ、1人になってしまうのではないかという恐れです。こうした恐れのほかに、女性は子どもが家を離れて独り立ちしていくこと、子離れもあります。

また、以前はあった夫からの関心がなくなるという喪失に反応しても、うつになるのです。閉経にともなうホルモンの変化によって、うつになる場合もあります。データははっきりしませんが、女性によってはエストロゲンなどのホルモン療法が有効な場合もあります。

男性も中年期にうつになり、これを不適切な性的行動で表すことがあります。自分がまだ若いことを確認するように、若い女性にひかれたりします。これは深刻な不安定さ(自分が老いていくのではないと信じこもうとしている) のためです。

中年期のうつは性的行動に現れることが多く、または飲酒量が増える、体重増加、さらに前述したうつの諸症状として現れることもあるでしょう。

加齢とうつ

高齢化すると、個人の人格が際立ってきます。そしてこれまでもずっとうつの症状があった人は、加齢とともにいっそううつの症状がひどくなります。村照的に、人生を肯定的にとらえ、ありのままの自分に自己評価を感じている人は、成長し続けるために加齢とともにいっそう満ち足りて、賢くなっていきます。

基本的ニーズ(自己評価、他者との親密さ) は以前にもまして満たされることでしょう。一方、年をとると、脳細胞の一部が減少していくために差恥心が減っていき、罪悪感が増えることが問題となります。

老人はまた、孤独になるためにうつになることがあります。伴侶を失って、落ちこむこともよく見られます。この場合、同性の友人たちが大きな支えになります。

仕返しの手段としてうつになる

多くの人が、仕返しのための手段として、うつ、怒りを吐き出します。こうしてある程度の怒りは出せますが、しかし他者もみじめにしてしまいます。慢性的なうつの伴侶と暮らすことは相当に刑罰的ですが、これはその人の無意識の仕返しの場合があります。こうした患者には、私たちはほかの方法で伴侶に接する方法はないか考えてもらいます。そして怒りと向き合い、伴侶を許し、それによってうつを晴らすようにと薦めます。

人の関心をひくためにうつになる

うつを、人の関心をひくための手段として使う人がいます。これはすでにふれたようにうつで人を操作するのと同じです。

実際、うつは最初は人の関心を集めますが、しかし本人に舞い戻ってきて、やぶへびの結果に終わります。本人と向き合おうとする家族や友人がイライラするようになって、いっそうのトラブルをひきおこします。関心をひくためのうつは、伴侶や友人の喪失につながることが多く、さらなる深刻なうつにおちいることになります。

仮面うつ

1950年代に一般に知られたのが、この「仮面うつ」です。これは、病理学的には何の根拠も持たないように見える体の不調をいいます。

この状況には抗うつ剤が効果的です。前述したように、自分には何ら感情の衝突はないとして自分をごまかすために、感情の衝突を身体の衝突にすりかえます。これは面子を保つ防御メカニズムです。こうした人の多くが、筋肉痛、咬合不全、慢性疲労感、内耳障害、多発性硬化症などの不安を訴えますが、根拠が見られません。

生活の変化は想像以上のストレスとなり、うつを招く

自分がなぜうつなのか理解できないある若い男性です。しかし、よく話を聞いてみると、彼は前の年に多くの変化を経験していたのです。

実際、彼が経験した人生の変化を、「変化適応ストレスチャート」で加算してみると、なんと400以上になりました。研究者は、人生の変化のポイントが年間で合計200以上の場合、精神障害の深刻な増加につながると言っています。

また、ストレスをおこすひとつの原因に、喪失のひとつである引越しがあります。何度も引越しをさせられる子どもは、うつになることがよくあります。

もっともストレスをおこす変化は、配偶者、親、その他の親しい親戚との死別です。そして、死亡率は死別の1年目にぐんと高くなります。しかし、私たちが全米中の治療した数千件のケースでは、愛する配偶者の死よりも離婚のほうがより高いストレスとなっているようです。

子どもにとっては、親の死がもっともつらいものです。明らかなうつになったり、してはいけないことをしたり、未練がましい行為などでそれが示されます。子どもが不安定であれば私たちはほかの方法で伴侶に接する方法はないか考えてもらいます。そして怒りと向き合い、
伴侶を許し、それによってうつを晴らすようにと薦めます。

うつを多角的に見る

精神疾患は、普通ひとつの要因のみでおこるのではなく、いくつかの要因がかかわっていることも多いのです。たとえば精神疾患の場合、遺伝的背景は重要です。

とりわけ躁うつ病(気分障害) の場合、血縁者のなかに同じ症状を持つ人がいる確率が高いと言えます。また、統合失調症(精神分裂病) の親を持つ子どもは、子どもがたとえ親から離れて育てられても、同じく統合失調症(精神分裂病) になる確率が高いと言われています。

次に人格の形成に影響するのは、環境です。子どもはときに控えめに、積極的に、ときに行儀よく、そしてときに粗野にしつけられるのです。たとえば、16歳の男の子がなぜ行儀が悪く、反抗的で、すなおでないのか、彼の親は頭をかしげます。しかし親は一度もしつけをしていなかったのです。

このなかには身体の健康に対する正しい知識も含めてもいいでしょう。大人も子どもも、体が不調だと感情的ストレスに耐える能力が低くなります。普通、心理的な問題にもっとも大きな影響を与えるのはやはりストレスです。ある人が遺伝的要素を持っていて、幼児期の環境も劣悪だったとしても、何らかの急性のストレスが生じなければ、心理的問題はおこらずにすむかもしれません。

遺伝と環境的背景は非常に重要です。これをないがしろにするわけにはいきません。しかし、これらだけを現在の行動の言い訳にするのも誤ったことです。多くの問題は、機能不全な行動ゆえにもたらされたのです。遺伝が要因と強調されるうつは、内因性うつと呼ばれます。これは内側から、生物化学的に、そしてもちろん遺伝的なことが誘因となっているということです。

環境が要因となるものは、神経症性うつと呼ばれます。これは子ども時代の無意識レベルの、未解決の葛藤からおこります。急性のストレスが原因とされるうつは、反応性うつと呼ばれます。つまり圧倒されてしまぅような問題のある状況がうつの原因になっているということです。

うつ患者の特徴

うつの人には、いろいろな共通した人格特徴が見られます。

  1. 心配症で悲観的なものの見方をする
  2. 何をやっても無駄、ダメだと感じる
  3. 自分に無価値感を持っている
  4. 過去にひたる
  5. イライラしている
  6. ものごとに集中できない
  7. 体を動かすことがおっくう
  8. 死の不安がある
  9. ものごとに興味がなくなる
  10. 朝起きるのがいやだ
  11. 食欲減少(普通は減少するが増加もする)
  12. 体重減少(普通は減少するが増加もする)
  13. 疲労感がある
  14. 手足が冷たい
  15. 眠れないことが多い
  16. ときどき睡眠が増える
  17. 朝早く目がさめる
  18. 性欲の減退
  19. 生理不順
  20. 自殺念慮
  21. しよっちゅう泣きたくなる
  22. ユーモアのセンスがなくなる
  23. 緊張性頭痛、動惇、感染症、胃腸障害がある
  24. 熱意が失せる
  25. 自分の体に現実感がない
  26. 他人に意地悪されていると感じる
  27. 人に過剰に期待し、かといって拒否されるのを恐れる。
  28. 人は自分に腹を立てていると(そうでなくとも) 確信する
  29. 他の家族員の怒りの対象となる

甲状腺機能低下症とうつ

甲状腺機能低下症がうつをもたらすことがあります。医師は長年の知識として、甲状腺の薬がうつに効くということを知っています。

低甲状腺症によってひきおこされるうつばかりでなく、他のいくつかのうつも含みます。甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH6)が効くこともあります。

うつは甲状腺に影響を与え、低甲状腺症の発症を促すことがあると、科学者は考えています。心と体は緊密に関係しあっていることはよく知られていますが、どちらが先に発症するかはかならずしも知られてはいません。しかし、感情的、精神的に成熟すれば、身体的な病気の大半は避けられると、私たちは信じています。

低血糖がうつの原因

低血糖は、今日強調されすぎており、低血糖について善かれた本が多く出版されています。疲労、うつ、その他ありとあらゆる病気の原因が低血糖とされてきました。

この考えについては、医学界で疑義を抱く人も多いのです。低血糖は実際に存在し、不安を高じさせ、既存の感情的問題をさらに悪化させますが、不安やうつの大半がそれで説明しきれるものではありません。

うつの原因かもしれない「低血糖症」

生体アミンのアンバランス

脳内アミン(とくにセロトニン、ノルエビネフリン)が神経細胞間のシナプスを行き来している神経伝達物質であることは前述しました。こうした神経伝達物質の減少はうつの一大原因と考えられています。この仮説を支持する土壌には以下のようなものがあります。

  1. ずっと前に、レザピンという薬物が高血圧の治療に用いられており、レザピンを服用していた人の多くがうつになったと報告されました。現在では、レザピンは脳内アミンを枯渇させることが研究室での動物実験などによって明らかになっています。
  2. うつの治療に使われる薬は、脳内アミンレベルを上げることで知られています。脳内アミンが正常レベルに達したとき、明らかにうつの多くが消えます。実験によれば、これらの薬物は過敏で、落ち着きがない状態をひきおこすこと、つまり気分を上げることもわかっています。
  3. 深刻なうつ患者の尿中には、カテコラミン代謝物(生体アミンが小さく分解されてできるもの)が少量しか見られないことがわかっています。
  4. うつには強力な生物学的要因があるという証拠に加え、心身症はうつがあるときにおこると言われています。たとえば、睡眠障害、食欲の増加・減退、性欲減退などが見られます。また、うつは代謝障害などの病気とも関係することもわかっています。これは、うつには生物学的要因があるという仮説を裏づけるものです。
  5. 脳内アミンのうち、アメリカでもっとも注目を浴びているのがセロトニンとノルエビネフリンです。これらアミンの研究から、うつはこうした脳内アミンの枯渇の結果おこるという理論が出てきました。セロトニンが枯渇し、パキシルのようなセロトニンのレベルを上げる薬に効果が見られる場合もあります。トフラニールはおそらくノルエビネプリンとセロトニンの両方のレベルを上げ、パキシル、プロザック、ゾロフトのような抗うつ剤との組み合わせでよく使われます。プロザック、ゾロフトを服用すると、体重が減少する傾向があり、やせすぎる場合は服用を中止しなくてはなりません。

内分泌のアンバランス

うつと内分泌障害に関連があることは以前から知られていましたが、最近の研究の結果、この関係はより明らかになってきました。

脳下垂体はAC H(副腎皮質ホルモン)、成長ホルモン、黄体形成ホルモン、、甲状腺刺激ホルモンなどを分泌しています。

視床下部は放出因子を分泌し、プロラクチこれを受けて脳下垂体が前述したホルモンの放出をひきおこすのです。さらに、視床下部からの放出因子はノルエビネフリンなどの生体アミンによってコントロールされていることが知られています。

もちろん、これはセロトニンと同じくうつの場合に枯渇することが知られている物質です。よって脳内生体アミンに乱れがあれば、うつがおこり、また内分泌異常がおこる可能性があります。これは正しいことが証明されてきています。

またうつの場合、血中コルチゾール( ストレスホルモン)レベルが上がることがわかっています。考えられるのは以下のことです。

コルチゾールレベルが上がると、抗体を作り出すリンパ球(白血球の一つ) が抑えられます。抗体が減少すれば、人はありとあらゆる病気にかかりやすくなります。つまり、ためこまれた怒りはノルエビネフリンを減少させ、これが視床下部からのACTH放出因子を増やし、脳下垂体からのACTHを増加させ、副腎腺からのコルチゾール放出を促し、リンパ球を減らし、抗体を減らし、あらゆる感染症にかかりやすくさせるのです。蓄積された怒りが主要な死因となるのです。

また、黄体形成ホルモン、成長ホルモンのレベルが下がることがあることがわかっています。性衝 動 の低 下 は 、 う つの場 合 によ く お こ る こと が 知 ら れ て いま す 。 これ は 、 性 ホルモンへの内分泌システムの影響によるものかもしれません。甲状腺刺激ホルモン放出因子が投与されると、うつの症状が一時的にやわらぐという興味深い報告もあります。こうしたデータはすべて、うつと、セロトニンやノルエビネフリンなどの脳内アミンの低下、そして内分泌障害の間には関連があるという仮説を支持しています。

電解質の障害とうつの関連

うつ障害には、よく電解質の異常が見られます。たとえば、ナトリウム、カリウムの障害が、うつ、および操の両方の患者に見られます。

この電解質の乱れ(障害) がうつをひきおこしているのか、それともうつの結果としておこつているのかは不明ですが、おそらく後者でしょう。電解質は、うつ要因であるノルエビネフリンなどの神経伝達物質の合成、保存、放出、不活性化に重要な役割をはたしています。

電解質の分布はいくつかの方法によっておこります。たとえば、ナトリウムの分配はコルチゾール、アルドステロンなどのホルモンに影響を受けます。そして、コルチゾールはまたノルエビネフリンなどの生物アミンレベルによって影響を受けます。最初にどちらが影響を与えるのかははっきりとわかっていません。電解質が感情障害とかかわっているという私たちの最終的証拠のひとつは、炭酸リチウムが感情障害の治療に劇的な作用を発揮することでもわかります。この炭酸リチウムのはっきりした電解質代謝への効果はわかっていません。

ウィルス感染を併発する

うつはよくウィルス感染症をともないます。ウィルスによる比較的軽度の呼吸器系感染症を持っている場合でも、気持ちが落ちこむことがあります。

これは身体的、生化学的レベルでのことです。一時的なウィルス性の疾患は、一時的なうつに似た症状をひきおこすことがあります。また前述したように、うつになると、ウィルス性疾患を含めたあらゆる感染症にかかりやすくなります。

 

ストレスはうつを加速させ、複雑化してしまう

ストレスには、たとえば子どもが白血病にかかっていると告知されることから、伴侶の浮気を発見することまで、またあなた個人が極めて緊急なストレスを感じる状況まで、いろいろなことが含まれます。

私たちはこうしたストレスを、直接自分で、あるいは無意識に自分でもたらしているのです。なかには、すべてのストレスは自分の罪と無責任ゆえにもたらされたと考える人もいますが、これは賢い考え方とは言えません。

もし、子どもが白血病で死に行くとわかった親が助言と慰めを求めてきたら、私たちは心の底から、彼女とともに悲しむでしょう。病気や死は彼女の罪の結果などではなく、人が生まれたり恋に落ちたりするのと同じく人生の一部であることを彼女に告げるでしょう。

なぜかと言うと、子どもの死は、親が犯した何らかの罪の裁きに違いないと、誤って考える人がいるからです。

そう考えることは間違いです。一方、週に2回夫に殴られていると言って助けを求めにくる女性に対しては、私たちはもしかしたら彼女は受動攻撃性人格で、無意識的に夫の爆発的行為をひきおこしているのではないかと(もちろん、夫の責任は少しも減らないわけですが) 疑ってみることがあります。

こうしたタイプは、夫は暴力行為におよんだあと、非常に後悔を感じ、その後数週間は妻にやさしくします。その間、妻はまわりの人から自分が何よりもほしい同情を得て、無意識の欲求を満たしているのです。彼女は自分自身の罪悪感を晴らし、すべての男は父親と同じく女を殴るものだということを証明しようとしているのかもしれません。

ほとんどの人は、自分の異性の親とよく似た人と結婚します。その親がどんなにひどい親であったとしてもです。そして、虐待された子どもはしばしば、大人になって虐待の加害者と結婚します。

歴史をくりかえすのです。これは精神科医が毎日のように出くわす状況の一例にすぎません。私たちは、自分で自分の人生をコントロールしていると思っている人間に会いますが、実際には彼らは無意識の動機に支配されるままになっているのです。

普通、人間はストレスの原因を、生きることを耐えがたいものにする何らかの外部環境に求めようとしますが、カウンセラーなら、そのストレスに影響されないために、本人ができることを探すべく、本人の心(無意識の思考、感情)に焦点を当てるでしょう。なかには、専門家のカウンセリングを受けることを好まず、ばかにする人さえいますが、これもまた自分自身の防御のしわざなのです。知識のある聖職者や専門のカウンセラーの援助を得ることは、人生の圧倒されそうなストレスを克服する助けになるのです。

良質のカウンセリングを得て、それを人生にあてはめていくことは、人生の師を得ることと同じです。愛に満ちた洞察力のある友人、牧師、カウンセラー、ときに精神科医らによる問題への直面化を通じて、多くの人々が救われるのです。科学的研究によれば、深刻なうつの85% がストレスによってもたらされることを示しています。さらに自殺を企てる人の環境は、極めてストレスの多い状況であることがわかっています。以下は、うつの原因としてよく見られる大きなストレスをリストアップしたものです。

大切なものの喪失
うつをもたらすもっともよく見られるストレスは、愛する人の死や離婚などの重大な喪失体験です。

うつをもたらすもっともよく見られるストレスは、愛する人の死や離婚などの重大な喪失体験です。

昇進は、新しい役職で頑張らなければならない、しかし自分の能力では無理だと感じるなど、大きな脅威になり、かなり落ちこむ理由になることがあるかもしれないのです。

怒りが自分の内面に向かっている
深刻な喪失には、さまざまな反応がおこります。気づいているいないにかかわらず、何らかの怒りの反応をすることもあります。

この怒りが抑圧されると、うつになるのです。つまり、
重大な喪失を経験した際、それと向き合わなかったり、誤った対応をとるとうつとなるのです。

たとえば、ある人が死んだ人に怒りを抱いていたとします(親、兄弟との死別を体験する子どものほぼ全員が、カウンセリングを必要とします。数年間続くような、そして命日のたびに悪化するようなうつを防ぐためです)。死人に怒りを表すことは、自分にとってとても受け入れがたいことであるため、怒りは内側に向かい、その結果がうつとなるのです。

子どものとき虐待された人もまた、かなりの怒りが内側に渦まいています。そして自分は「くず」で、いじめられて当然だと誤って信じこんでいます。このテーマに関する多くの文献で、うつは内側に向けられた怒りであると記されています。

たいていの場合、怒りはうつの人の顔の表情、声、ジェスチャーなどに明らかに表れます。相当な怒りを持っているのですが、普通その怒りに気づきません。かえってそのことを指摘する精神科医に向かって腹を立てたり、感情的に否認したりします。もし自分自身をビデオで見ることができさえすれば、自分の強烈な怒りを認めることでしょう。本人はまた防御的であることも否認するでしょう。この怒りとどう対処するかは、後ほど。

自己イメージが傷つけられる
うつを加速させる出来事として、「自己イメージの傷つき」があります。離婚した人の多くは自分が拒絶されたと感じ、自己イメージが傷ついています。外部状況に直撃された結果、自己概念が低下するのですが、これはまた内側からもおこり得ます。

たとえば、私たちが罪を犯すと、良心が痛み、自己イメージは自動的に低くなります。この状態は、その罪が神と自分自身によって許されるまで続きます。ある患者の例ですが、その患者は2ヶ月間うつ状態が続いていると訴えました。

私たちは「この2ヶ月間、何をなさってきましたか? それがうつの原因だとも考えられませんか? 」と尋ねました。するとその患者は驚いたふうに、「実は愛人と関係を持っていたんですが、それとうつとが関係あるとは知りませんでした」と言うのです。その後、彼は愛人との交際をやめ、また自分自身をも許すと、うつは消えたのです。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)
PTSD(心的外傷後ストレス障害)という言葉は、重大なストレスを受けて、非常に不安、うつ状態になっている状態を表すときに用いられます。私たちはみな、ときに深刻な問題を経験し、不安にかられたり、落ちこんだりします。しかし普通私たちは問題に対処でき、それがぅっに発展する前に何とか対処できるのです。しかし、深刻なストレスは、悪夢、パニック障害、うつにつながります。
偽りの罪悪感を持つ
前述したように、強迫神経症の人は自分に厳しく、批判的です。心配性で偽りの罪悪感に陥りやすく、しまいにはこの心配と偽りの罪悪感が自分に向かうようになります。ある意味で、彼は自分に歯向かっているのです。不健康にも良心は自分に歯向かい、やがて弱体化して、うつがもたらされます。
真の罪悪感を持つ
真の罪悪感はうつの原因になりえます。うつをひきおこすに至った真の罪悪感は、道徳的、倫理的あるいは宗教上の罪を犯した人の正常な反応です。事実、罪を犯して、真の罪悪感にかられない人は、回復が困難です。正常に反応する人たちが、罪と真の罪悪感のためにうつを患うのです。
誤った見方
患者の多くに共通して見られるうつをひきおこす原因は、誤った物の見方です。私たちは豊かな社会に生き、多くのかたよった情報や誘惑にさらされています。そのため、容易に誤った見方におちいってしまうのです。

ここでまとめましょう。多くの人々は、ストレスがおこつて疲労回復するまで何年もうつと対処し、戦い続けます。

うつが結果としておこった場合、その誘因となっているストレス(それが何であれ) はつねに、抑圧された怒りによるものです。積み重なったた怒りは、うつの大半に見られます。大半のストレスは、自分自身の極めて微妙な、無意識の、自己破壊的態度、感情、行動パターンによってもたらされます。

しかし人生には、たとえば愛する人を失うとか、自分自身の死と向き合うなど、私たちが村処しなければならない十分すぎるストレスがあります。ストレス誘因に、もし私たちが責任もって対処すれば、うつをひきおこすことはありません。くりかえしますが、幸福は選びとるものなのです。

うつを感じている場合

強迫性人格(完全主義) についてふれましたが、それとはほぼ逆の人格障害があります。

これは「演技性人格障害」と呼ばれるものです。演技性人格障害の男性、女性は非常に感情的で、外交的、ドラマティック、衝動的、純真、そして非常に誘惑的です。彼らはルックスもよく、社会的にかなりのカリスマ性を持っています。

強迫性人格が男性に多く見られるのに対し、演技性人格障害のほうは女性に多く見られます。完全主義者はだれよりもうつになりやすいのですが、演技性人格障害の人はうつの演技をします。演技性人格障害の女性はとくにうつを訴えます。

しかしよく診察してみると、彼女らがうつに関する最新のすぐれた本でも読んでいないかぎり、真のうつを患っていると診断されることはごくまれです。

こうしたケースを「演技的うつ」と呼ぶことがあります。演技性人格障害の人(男女ともに) も他の人格障害のタイプと同じく、ときにうつになります。しかし彼らは、子どものころからずっとうつのふりをするか、あるいは人を操作するために一時的にうつになるのです。人の関心を向けたいとき、権威ある人(普通、親、友人、伴侶など) の言いなりになりたくないときにそうするのです。

完全主義者の場合、深刻に自殺願望を訴えるときには本人を保護するために入院させます。しかし演技性人格障害の人が自殺したいと言っても、私たちは普通、「それもひとつの選択肢ですね。でも、あなたが怒っていることを他にどんな方法で表せるでしょうね? 」と言います。そして夫に対して過激に行動してみせるかわりに、夫にその感情を告げるなどの他の選択肢をいくつか話し合います。

すると、数分間のうちに自殺をほのめかすようなうつ状態は解決するのです。自殺を何回も「試みた」演技性人格障害の患者は数多くいます。ある方は自殺を17回「試み」ました。しかしこうした患者のうち、実際死亡してしまう人はごくわずかです。

このタイプの患者が実際に自殺をする状況についての報告を読んだことがありますが、普通、死に至ってしまうのは事故の場合が多いようです。

たとえば、ある演技性人格障害の女性が夫に腹を立てているとします。夕方5時に薬物の多量服用をすれば、5:30には夫が帰宅して彼女を見つけ、病院の救急室に担ぎこまれるという筋書きを立てます。しかし夫の帰宅途中に車のタイヤがパンクして、家に着くと6:30を回っており、妻は死んで発見されるわけです。彼女はまったく死ぬ気はなかったのです。

こうして衝動的に、「事故」で自殺したことになるのです。私たちはもちろん、演技性人格障害の患者であれ、すべての自殺するという脅迫を深刻に受けとめます。というのも、事故死という可能性もあり、自殺をほのめかす人の1割が実際に死亡しているからです。ですから、私たちは演技性人格障害の患者の自殺の脅しを現実的に受けとめ、そうすることで患者は脅しの手を使わずに、怒りを別の方法で表現することを学ぶことができるようになるのです。

強迫性人格の場合と同じく、演技性人格障害の根は、子ども時代にさかのぼります。もし女の赤ちゃんを演技性人格障害を持つ女性に育てたいと思うなら、母親は次の12のルールに従えばいいのです。

  1. いつも母親に意思決定を頼るように仕向け、自分で考えなくていいようにする。
  2. 彼女を甘やかし、つねにいいなりになる。とくにふくれっ面をしたり、泣いたりしたときは折れる。
  3. けっして夫の性的ニーズを満たさない。暖かさと愛情を求めて、夫は妻のかわりに娘に過剰な愛情を注ぐようになる。
  4. 娘が自分を否認するテクニックを学べるよう、たくさん嘘をつく。
  5. つねに性格ではなく、ルックスをほめる。あちこちに鏡をおいて、始終自分にうっとりさせる(これは演技性人格障害を作るのに一番大切なルール)。
  6. 彼女が家出したときは(おそらく彼女は頻繁にそうするだろう)、かならず彼女のあとを追い、最初から彼女の言うようにしなかったことを謝る。
  7. 彼女が悲しそうで、24錠のアスピリン、睡眠薬などを飲みこんで自殺のまねを装うときは、彼女の言うことを最初から聞き入れなくて悪かったとかならず伝える。これは簡単である。なぜなら彼女は母親やボーイフレンドが近くにいて彼女を救ってくれる状況がなければそもそも多量服用をしないから。
  8. 映画スターになるよう彼女に薦める。それまでに彼女は十分にドラマティックで、演技はかなり自然に身についているだろう。
  9. 離婚、再婚を2~3回くりかえし、男はみなクズだと教える(しかし彼女はそれでも男と暮らすはず)。
  10. 誘惑的な衣服を着るよう薦める。しかし、実際はあまり薦める必要はないだろう。なぜなら彼女は父親を喜ばせるために自然とそうしているだろうし、父親は娘の性格でなくルックスのよさを賞賛し続けるだろうから。
  11. 娘がデートから帰るのが2時間遅れたら、夫といっしょになって娘をしかる。そして好奇心いっぱいの笑いを浮かべて、興味をくすぐる詳細を聞き出して楽しむ。しかし娘のアドベンチャーを自分がどんなに楽しんでいるかは、たとえ娘は知っていても、気づかせないようつとめる。
  12. 具合が悪いふりをする彼女につくしてあげる。そうすれば彼女は自分の本当の感情に向き合うかわりに病気になって、医者から医者を渡り歩き、しかし何も悪いところは見つからず、こうしたいばった男性の医者たちにますます腹を立てるようになる(だが、助言を求めて何千ドルも使い続けるだろう)。

世界中で精神科の聖書とされている「精神科診断マニュアル」によれば、演技性人格障害の人は、「興奮性、感情の不安定、過剰反応、自己の演劇化に特徴づけられています。この自己の演劇化はつねに関心を呼ぶためのもので、患者はその意図に気づいているいないにかかわらず、誘惑的であることが多いのです。こうした人格はいつも未熟、自己中心的で、うぬぼれが強く、普通人に依存する」となっています。

演技性人格はまた、私たちが受動攻撃性人格と呼ぶ性格傾向(これには「妨害癖、ふくれっ面、ものをぐずぐず先のばしにする、わざと非能率的にものごとを処理する、頑固」などが含まれる) よりも高い率で見られます。

これらは敵意をむき出しにすることなく、依存している人に仕返しをする方法です。私たちの大半がときにはこうした方法のどれかをとったことがあるものですが、真の演技性人格を持った人は、つねにこのようにふるまいます。

ここで2つの短いケーススタディを出しましょう。ひとつは、数年間の治療に通った女性(ジェーン)の演技性人格のケースです。

ジェーンについては、すでにグリーフ(深い悲しみ) を否認しています。彼女は14歳のとき、何度も家出をくりかえして、薬物に手を出し、奇妙な行動をして、総合病院の精神科に入院しました。

たとえば、学校のトイレでかみそりを使って自分の背中を切り、教室にかけこんで、女性の先生(彼女が好意を寄せていた)に切られたと告げるのです。自分に注意を向けてもらうためならほとんど何でもするのです。彼女が病棟のジュースの乗ったカートに向かって話しかけているのを見たとき、完全に精神症状が出現したのかと思いました。しかしあとでわかったことには、それも、人に注意を向けてもらうための演技だったのです。

彼女は病院での集中的な6週間の精神療法ののち、2年間外来で週1回の精神療法を続けました。その間、半日ほどいなくなったことが1回、薬の多量服用が6回ほどありました。これは、すべて母親を操作するためです。ときどきマリファナを吸い、100回もかんしゃくをおこしました。

それでもそのすべてが以前と比べると劇的に改善しているのです。彼女は16歳で少女のための小さな施設に入ったのですが、そのころまでに彼女はだいぶん成熟していました。最初患者としてやってきた14歳のときの彼女は、IQテストは135という高得点であったにもかかわらず、心理的成熟度は3歳だったのです。

16歳で彼女はやっと10~12歳くらいのふるまいができるようになりました。親は、子どもの健康な成長に必要なものを提供できない状態を14~16年も続けてきたあとで、精神科医に数週間で自分たちのミスを全部治療できるだろうと期待するのです。

ことはそう簡単ではありません。 私たちにできることは、親が子どもの課題をのりきる方法のいくつかを探しだす手伝いをするだけです。ジェーンの人生最初の6年間をみてわかったことは、母親が上流階級の出身で、父親は経済的に成功していても、心理的にはとても弱く未熟、といった環境で育ったことです。

家庭では母方の祖母が支配的で、この彼女もまたビジネスの成功者でした。母親は夫をけっして性的に満足させたことはありませんでした)。それで父親は関心をすべて娘に向けました。そして彼は、妻や娘以外の他の兄弟たちを完全に無視しました。

いかにが愛らしいかを何度も何度もほめたたえました。しつけたるものはまったく考えにおよびませんでした。

ほしがるものは何でも与えました。父と母は別々の寝室で、娘は毎晩父といっしょに寝ました。就学前には少なくとも一度、母方の祖父に性的いたずらを受けています。

この祖父もかなり老いており、支配的な妻からけっして性的満足を得ていませんでした。

5歳のとき、彼女と父親がいっしょにべッドで寝ていると、突然父親が心臓発作をおこしました。救急車が呼ばれ、寝室から彼が出て行くときに、「心配しないで、、戻って来るからね」と言ったのです。

しかし父親は病院で息を引き取り、それを信じょうとしませんでした。数ヶ月、彼女はクローゼットやドアのうしろを探し続けました。父親は娘の命そのものだったのです。

彼女は想像力をたくましくして、日に何回も父の名を呼び、父が彼女に話しかけるために部屋に入ってくるのを想像しました。

16歳になってようやくそうするのをやめましたが、それでもたまにそうしているようなふしがあります。強大な否認のテクニックを用いて、ときに彼女は実際そこに父親がいると信じるのです。.

自分がこんなに父のことを必要としているのに、彼女をおいていった父を責めました。もし彼がまだ生きていて、まるで妻のようにふるまい続けたなら、状況は現実よりはるかにひどくなっていたことでしょう。

しかし彼女は父を愛するのと同時に嫌悪していました。彼女は男性一般に対して苦々しい態度をとるようになり、また、大人になるにつれてますます誘惑的な行動をとるようになりました。彼女はまさに演技的人格をフルに発達させました。

2年間定期的にセラピストに会うようになって、彼女は彼女の誘惑、操作に引っかからない、そのかわりに真の愛を率直に示す年上の男性を信頼し、見分けられるようになってきました。

セラピーを受けている間、彼女は信仰をもって成長しようとしましたが、やがて父を操作したのと同じ方法で、神を自分の都合のいいように理解しょうとしている自分を発見しました。ほとんどの人と同じように、彼女は、神は父親みたいなものだと思い、神の全知性、無限力、真の愛と完壁な正義を受け入れるのに困難を覚えたのです。

母親に、家でどう彼女を扱うかに関して話をもちかけましたが、関節炎と心臓病を患った母親は、適切な方法でをしつけることができずは近くの町の小さな施設に住むようになったのです。そこで彼女はうまくやっているとのことです。前述したように、演技性人格障害を患うのは女性ばかりではありません。前に紹介したリストを息子に当てはめれば、容易に息子を演技性人格に育てることができますし、実際多くの男性の演技性人格者がいます。すぐに思いあたる方もいるでしょう。

演技性人格障害の患者は、意識的、無意識的に異性を誘惑し、相手をおとしめてその相手もまた他の男(女)と同じく無価値であることを示そうとします。

売春をする多くの女性が演技性人格であると言う人もいます。多くの演技性人格障害の女性は、性的に自分をおとしめてくれるいい男を求め、そしてまわりの人間には「彼にそそのかされた」と言いふらし、彼の評判を傷つけるのです。

演技性人格の女性の内的心理

過剰に感情的な(演技性人格の)大人の女性の心理構造をさらによく理解するために、かりにMという女性に登場してもらって、彼女の思考、感情を探ってみましょう。Mは社交的で、人好きのする成人女性で、現在2度日の結婚生活を送っています。

最初の結婚は17歳のときのことでした。相手は「ドンファン」タイプでカリスマ的なすごいハンサムで、しかし依存的な男性でした。彼女は、セックスが妊娠につながるということを「うっかりして」忘れてしまったために、結果として彼と結婚することにしたのでした。

実際は、私たちの意見では、彼女は無意識に彼女の父を罰するために妊娠したかったのです。彼女と最初の夫との間では最初からケンカが絶えませんでした。そして両者ともに、カウンセリングに通うことで衝突を解決しようとするほどの責任感は持ち合わせておらず、結局「性格の不一致」のせいにして離婚しました。

これはよく見られる理由づけです(実際には「性格の不一致」たるものはなく、ただやる気のない人間が二人いるだけです。いかなる人格タイプの二人でも、いいカウンセリングを受け、プライドを飲みこみさえすえば、幸せな結婚生活をおくることができます。

ただし両者ともに、何らかの責任ある変化をもたらす意欲がなくてはいけません)。マリリンは離婚後、1人でいる自由さに耐えられずに、すぐに経済的に安定した、自信たっぷりの年上の男性と結婚します。彼女は、彼が相当な強迫性人格であることや、彼の安定感、自信がうわべだけのものであることを理解していませんでした。

また、彼女にとって彼は、対等なパートナー同士であるというよりも、父親代わりだったことにも気づいていませんでした。さて、このMの思考プロセスの内奥まで入りこむ旅を進めていくにつれ、私たちはものごとがより鮮明に見え始めるでしょう。

たとえば、Mは感情的で、興奮しやすく、ときに気落ちしているように見えますが、人好きのする、とてもさわやかな人格のときもあります。彼女は社交的でもあり、パーティの華です。人々は彼女の華やかさにひかれて周囲に集まります。彼女は本当にカリスマ性があり、人々は彼女といるのが楽しみです。

彼女はときに芝居がかっていて、魅力的な身体をしており、人の関心をとりわけ必要としています。彼女は活発で、言葉使いは演劇的かつ表現力たっぷりです。心の奥底では自分自身を愛していないにもかかわらず、人を落ち着かせる能力を持っています。

また、彼女は表面的には感情豊かに見えますが、深層レベルでは人に近づくのが苦手で、理論より感情に重きをおきます。彼女はつねに現在に生きており、未来や過去にはこだわりを持ちません。でも夫はむしろ未来に生きており、将来の目標プラン設定に忙しいのです。

Mの社交上の友人は、彼女が相当に見栄っ張りで自己中心的なことに気づきません。ようばう男性のなかに入ると、彼女は自分が心から欲する「関心」を得るために、美しい容貌を使い、彼女に近づく男性と身体的な「親密な関係」を持とうとします。とくに夫が出張でいないときなどは、他の男たちとよくセックスをします。男性の注目を得るのが大好きで、男たちを操作するためにセックスを利用するのです。

しかし彼女は劣等感を感じており、美しいにもかかわらず、自分の容姿が好きではありません。彼女の人の関心をひく能力に満足できず、自分がいっぱしの人間であることを証明しようとします。夫が彼女を甘やかさないと、彼女はアスピリンやバリウムを多量服用したりしますが、致死量までは飲みません。夫に罪悪感を持たせるに十分な量だけを飲むのです。彼女はドレスやしぐさで巧妙に誘惑し、自分が望む関心を得ようとします。

彼女は拒絶を強烈に恐れているのです。彼女は異性としょつちゅう衝突します。異性をときに過小評価し、またあるときは過大評価します。父親と多くの衝突があり、けっして折り合いをつけていなかったからです。彼女は、子どものころ、うまく操作すれば父親をコントロールできることを学んだことを覚えています。

しかし父親もまた、ときに予測不可能な行動をする男性で、彼女はこれを父親に拒否されたとあいむじゅん感じています。これがのちに男性に拒否される恐れとなり、同時に男性への相矛盾する感情を抱かせることになります。父親やその他の男性への強力な怒りがたまっているため、彼女は夫とのセックスでは冷感症ですが、他の男たちとなら、ある程度セックスを楽しめます。

社会的には、彼女はとても暖かく魅力的な印象を与えますが、感情の起伏が激しく、ものごとを理性的、論理的に見つめる力が欠如しているため、生活はとても不安定です。感情は大切ですが、感情は気まぐれで移り気なのです。

Mは相当感情的であるにもかかわらず、多くの深い感情を抑圧しています。とてもオープンに見えるので、新しい友人はずっと以前からの知り合いのような気持ちになりますが、表面的な関係以上のものを築くことは難しいのです。つまり彼女の知り合いは、彼女と知り合って1時間しかたっていない人程度にしか彼女のことを知らないのです。

Mは、落ち着いた自信たっぷりげのうわべの印象を作り出しますが、不安定感を感じひんばんています。そして療繁に退屈さを味わいます。また、夫はいつも時間に正確ですが、彼女はたいてい時間にルーズです。

これは夫を罰するために彼女が無意識にすることです。そして、彼はすべてを詳細に計画しますが、彼女は詳細はどうでもいいのです。夫は実にきちんと道義をわきまえた人ですが、マリリンは非常に衝動的で印象やカンに頼ります。

一方、アート、音楽にとてもクリエイティブで、鮮やかな生き生きした創造力を持っています。夫はお金に関しても非常に厳しいのですが、マリリンはかなりの浪費家です。

Mはまた、男性と張り合おうという敵対心を持っており、性的にも男を負かそうという気持ちを持っています。セックスを通じて男を魅了し、コントロールします。そして、彼女は権力のある父親的な人物を選びます。男は彼女の容貌ゆえに、ステータスシンボルとして彼女を見ます。

また、彼女は母親的な人物でもあり、男の甘えのニーズを満たします。Mの幻想は、愛と人の関心をめぐつてふくらみます。一方で強迫性人格の夫は、パワー獲得を追い求めています。

子どものとき、Mは病気になって人の関心を得ることができました。また子どものころ、自分の要求を認めさせるには芝居がかったやり方が効果的だったのを覚えています。

また彼女は、過剰に母親に甘えることを学びました。これは彼女の成熟を妨げることとなり、それしっとでいっそう彼女は、特権は男に与えられていると感じ、男性に対して競争心と嫉妬を抱いたのです。幼いころは父親と非常に親密だったのですが、そのうちに父親との衝突が始まり、思春期あたりになると相当の拒否感を感じました。十代のMは人に評価され、認められようと必死でした。他の美人の女性たちとの関係がまずくなったのは、彼女たちが男性の関心をめぐってライバルになるからです。

演技性人格の特徴

ところで、私たちはみな男女とも、ある程度の演技性性質を持っています。私たちの経験から言えば、その傾向が強いほどに、以下の傾向が多く見られるでしょう。

  1. 外交的でいっしょにいて楽しいと言われる
  2. 演技的なふるまいが多い
  3. 不安定ですぐ興奮する
  4. 見栄っ張りで自己中心的
  5. 依存心が強い
  6. 自殺をほのめかす(薬の多量服用をするなど)
  7. 行動も誘惑的(自分では気づかない、わかりにくい方法で誘惑をする)
  8. 異性に対して相反する二面性を持つ
  9. あまりものごとを深く考えない(感情に頼りすぎる)
  10. 異性の関心を何よりも求めるにもかかわらず、無意識に異性への怒り(憎しみ)を持っている。
  11. 他人の関心をひく行為をする
  12. 父親的存在を探し求めている
  13. 父親への深い、苦々しい思いを抱いている
  14. 外見は魅力的ではきはきしている
  15. やたら大げさにものを言う
  16. とてもオープンで、多くのことをすぐに人にしゃべる
  17. すぐに知り合いになり、長いつきあいのような気分になる
  18. しかし深い親密さはめったに築かれない
  19. すぐれた想像力を持っている
  20. 相手を自分の世界観にひきこむような話術を持っている
  21. 表現豊かで落ち着いた印象を与える
  22. 時間にルーズで詳細なプランニングが苦手
  23. とっさのひらめき、カン、印象に頼り、信念を持たない
  24. わくわくする、インスピレーションを与えるような仕事が好き
  25. 他の素敵な女性に敵意や競争心を持っている
  26. 男よりパワーを持ちたいと願っている
  27. 自分は病気だと思うことで感情的問題に直面するのを避けることがある
  28. 人から愛と関心を受けることをつねに求めている
  29. 拒否されることに対しての恐れが強い
  30. 十代のころは、おてんばの時期が長かった
  31. 父親は魅力的で支配欲求が強かった
  32. 幼いころ(5歳以下)は父親と非常に仲がよかった