「ロングフライト血栓症」という病気を知っていますか?「エコノミークラス症候群」と聞けば、「ああ、アレね」とピンとくる人も多いのではないでしょうか。
乾燥によるドロドロ血で危険が増す
飛行機などで遠距離移動をしたときには、長時間、同じ姿勢で座っていなければなりません。その場合、足の静脈の血が流れにくくなり、膝の裏あたりの静脈に小さな血栓ができることがあります。
その血栓が静脈を通って肺まで流れていくと、肺の細い血管に詰まって、息苦しさや胸の痛みを感じるようになります。これがロングフライト血栓症です。
おもな原因は、長時間、足を動かさないでいることと、乗物内の乾燥です。足を動かさず血液の流れがわるくなると血栓ができやすくなります。また、乾燥によって体内の水分が失われていくと、血が濃くなって血液の粘り気が増します。これも血栓ができやすくなる一因です。
乗物内で足を動かすこと、そして移動中はこまめに水分補給、これが発症を防ぐポイントです。肥満ぎみの人や、大きな手術を受けた人、過去に血栓ができたことがある人、激しいスポーツで足の血管が痛んでいる人などは発症しやすいので、とくに予防を心がける必要があります。
昔の呼び名のほうが知名度が高い
「エコノミークラス症候群」という名称で知られるようになりましたが、飛行機のエコノミークラスに乗った人だけでなく、ビジネスクラスや、ファーストクラスに乗っていても起こるケースもあるため、最近は「ロングフライト血栓症」とよばれるようになってきています。
長距離列車、長距離バスでの移動でも、まれに発症することがあります。長旅のあと、気になる症状があれば、すぐに病院へ。病院では、血栓を溶かすための治療をおこないます。
エコノミークラス症候群 | 桜島 活泉水による水分補給の効果
水分補給と足の運動で防げる
1 時間に1回は水分をとろう
1時間ごとにコップ半分ほどの割合で、水やジュースを飲むようにしましょう。コーヒーやアルコールには、水分を尿として出してしまう作用があるので、飲みすぎに注意。
ペットボトルを持参
眠っていて機内サービスを受けそこねた、ということも。飛行機に乗り込むときには、水分補給用に水や茶などのペットボトルを持参すると安心です。
足を動かす
1時間に1回、3~5 分くらい、かかとやつま先を上げ下げしたり、足首をくるくる回したり、左右の足で足踏みしたりしましょう。毎回、最後に深呼吸をすればより効果的。