気づかないうちに老化がすすむ血管

「人間は血管から老いる」といわれますますます。血液が汚れた状態が続けば血管の老化は進んでいくことになります。

汚れた血液は血管の老化を進めていく

血液のスムーズな流れには、血管のしなやかさが必要です。動脈がぎゅっと縮んだり、広がったりすることで、血液の流れは調整されているからです。

しかし、加齢とともに血管の弾力性は失われていきます。食生活の乱れや運動不足、喫煙、過剰なストレス、肥満、高血圧、高血糖などで血液が汚れた状態が続くと、実年齢以上に血管は老化していきます。

血管が老化した状態のひとつが動脈硬化です。太い動脈の壁に血液中のあまったコレステロールなどがたまり、血液が流れにくくなるのです。

細い動脈の場合は動脈壁が全体的に厚くかたくなっていきます。逆に、血管の材料になるコレステロールが少なすぎれば、破れやすい状態にになります。
総コレステロールや悪玉コレステロールを自然素材で下げる「コレステ生活」

これもまた、血管が老化した状態といえます。血管の老化は、気づかぬうちに始まっています。老化防止に大事なのは血液の状態をよくすること。こまった事態が起こる前に、血液をきれいにしておきましょう。
普段の暮らしで「血液の汚れ」サインがでているかもしれません

子供のうちからきれいな血液を維持する

しなやかで丈夫な血管は、材料が十分になければできません。血管をつくる材料はたんばく質や脂質です。脂質の一種、コレステロールも、血管にとってなくてはならない材料のひとつなのです。
とくに成長期の栄養不良は、のちのちまで影響します。子どもにこそ、しっかりバランスのとれた食事をさせてあげてください。もちろん、必要な材料も、とりすぎれば血液・血管を汚すもとになるのは子どもも大人も同じです。

ファストフード、菓子類などのとりすぎで、若いうちから血管だけがどんどん老化してしまう、なんてことも。きれいな血液・血管づくりは、老若男女に共通する課題です。
ドロドロ血液を防ぐ生活習慣・食習慣

老いるというのはしなやかを失うこと

血管の老いを進める要因は、血液の汚れをまねくもとでもあります。血管の汚れ、血管の老化はさまざまな病気のもとになってしまいます。

  • 高血圧
  • 喫煙
  • 肥満
  • ストレス
  • 高血糖
  • 運動不足
  • 加齢

ここにプラスして過剰なコレステロールや逆にコレステロール不足が重なると狭くなって詰まりやすくなったり、破裂しやすくなります。

血液の通り道である血管について

血液と切っても切れない関係にあるのが血液の通り道である血管です。
血管のネットワークなくして血液を体のすみずみに届けることはできないのですから。

血管を全部つなげば地球2周分の長さににもなる

血液を全身に滞りなく循環させるパイプラインの役目を果たすものそれが血管です。毛細血管まで入れたすべての血管をつないで一本にしたら、なんと地球を二周りするほどの長さになるといわれています。それだけ長い道のりを旅するには、ドロドロと汚れた血液より、サラサラと流れやすい、きれいな状態の血液のほうが、ずっとスムーズにいくのは当然ですね。

血管は、たんばく質や脂質などからつくられています。増えすぎれば汚れの原因になるコレステロールも、血管の壁をつくる大事な成分のひとつです。からだの部位によって、太さや厚さはさまざまですが、血液に接する内側から、内膜、中膜、外膜と並ぶ、三層構造が基本です。

動脈では、内膜をつくっているのは敷石状に並んだ内皮細胞。中膜は弾力性があって伸び縮みする筋肉組織からできています。
いちばん外側の外膜は、線維のまじった丈夫な組織で、そこには血管の収縮を調整する交感神経と、血管に栄養を送る栄養血管が入ってきています。

全身のネットワーク

心臓から送り出された新鮮な血液を運ぶ動脈。こ太い動脈から、からだのすみずみに走る毛細管へと枝分かれして心臓を起点とする一大ネットワークになっているのです。

「腎臓」血液成分のチェック

血液の汚れを濾過する臓器

尿と血液は非常に深い関係で切っても切れない関係にあります。というのも尿のもとは血液だからです。
尿には血液中の老廃物を取り除くという大事な役割があります。
おしっこが出るから血液はきれいでいられるというわけです。
その尿をつくる体の下水処理工場的菜役割が腎臓です。

腎臓は細い動脈が絡み合った糸球体と呼ばれる濾過数値が数多くあります。
血液はこの糸球体で濾過され、老廃物が尿のもと「原尿」になります。
もちろん尿として排泄される量は原尿よりずっと多くなります。というのも原尿が糸球体に続く尿細管を流れていく間に水分とそこに溶けている物質の一部が血液のほうに再び吸収されるからです。
実際の尿量は、原尿の100分の1程度、通常は1日に1.5リットルくらいです。

腎臓にはつねにたくさんの血液が入ってきます。その量は心臓が1回の拍動で全身に送り出す血液量の4分の1にあたります。それだけ、血液の影響を受けやすい臓器なのです。

尿量は減りすぎても増えすぎても血液を汚す

排泄する尿の量は、水分をとる量や体質によって違いがあります。しかし、「工場」の腎臓や、処理する血液を送り込む心臓などにlなんらかの障害が起こると、排泄される尿量が減ったり、増えたりすることがあります。尿の量が減ると、血液中の老廃物の排泄がしっかりできなくなって血液の汚れも増加します。逆に出過ぎは血液中の水分が減り、ドロドロに。いずれにせよ血液にとって好ましくない状態なので注意します。

「腸・肝臓」血液成分のチェック

血液に栄養分を与える

食事は血液をきれに保てるかどうかを左右する大きな要因であることは常識です。
食事と血液とを結びつけるのは消化器、なかでも食べたものから栄養を吸収する腸と、腸が吸収した栄養を処理して送り出す肝臓です。

食物に含まれる栄養は、胃や十二指腸で消化され、主に小腸から吸収されます。
栄養分に富んだ血液は門脈という太い静脈から肝臓に入ります。
肝臓に届いた栄養素は、ここで分解、合成され、利用しやすい形に変えられます。
そのあと、そのまま肝臓で貯蔵されたり、必要に応じて血液にのせられて肝臓から心臓に送り出し、全身n運ばれます。

肝臓の働きはとても複雑で多方面にわたります。
栄養分の分解、合成のほかに体内の毒素を解毒する仕事も担っています。
血液の循環量を調節するのも肝臓の役目です。
古くなった赤血球を壊す一方で赤血球をつくるのに欠かせない鉄を貯蔵しておくのも肝臓の役目です。
「何を食べるか?」も重要ですが、「きちんと消化・吸収されているか?」「必要なものに作りかえられているか」も血液の状態に大きく影響します。
その意味できれいな血液は腸や肝臓の働きと密接に関係しているのです。

  1. 食べる
  2. 消化され栄養分が吸収される
  3. 肝臓へ送られて分解・合成された栄養分が血液中に
  4. 栄養たっぷりの血液が心臓に届き、心臓から全身へ

「心臓・肺」血液成分のチェック

血液循環の要

いくら血液の状態がよくても、全身に届かなければ意味がありません。だから、血液を送り出す役目を果たしている心臓は、血液にとってもっとも重要な臓器といえるでしょう。

しかし、心臓が元気に働き、血液が全身に届いたとしても、十分な酸素を含んだ血液でなければ役に立ちません。だから血液に酸素を与える肺もまた、心臓に並んで重要な臓器といえます。
心臓は規則正しいリズムで収縮と拡張をくり返し、全身に血液をくまなく送り出すポンプ作用を、一時も休むことなく営んでいます。

肺は、呼吸によって送り込まれた酸素を血液に与え続けています。血液を循環させる働きを「心肺機能」といいますが、これは心臓と肺が互いに協力しあって、全身に新鮮な血液を送り出しているからにほかなりません。

心肺機能が十分でなければ、きれいな血液は保てません。逆に、きれいなかなめ血液を保てないと、血液循環の要である心肺、とりわけ心臓に負担がかかるようになります。血液の汚れが血管の傷みを引き起こせば、なおさら悪影響は大きくなってしまうのです。

新鮮な血液をポンプで押し出す

心臓には上下左右に4つの部屋があり、上の部屋を「心房」、下の部屋を「心室」といいます。左 右の部屋は中隔かくという壁 によ って完全 にへ隔だてられて います が、上下の部屋の間には弁べんがあり、上の部屋から下の部屋からへの一方通行で、血液が流れ込みます。

  1. 肺で酸素を取り入れた血液と、老廃物を取り込んで全身から戻ってきた血液は、心房の収縮によつて、心室に送り込まれる
  2. 心室がいっぱいになると心房・心室間の弁が閉じる。心室が収縮して、内圧が高まると、大動脈・肺動脈へ続く弁が開き、血液が全身と肺に、それぞれ送り出される
  3. 心室が拡張を始めると、心房に血液が流入する
第2の心臓は足裏にある

人間が立っているとき、足の先から心臓の位置までは、およそ1mあります。足の先まで酸素を届けた血液は、重力に逆らって、心臓までの距離を上っていかなければなりません。その流れを促しているのは、静脈に接している足の筋肉の動きです。筋肉の動きが静脈にポンプ作用をもたらすことで、静脈血の流れはスムーズになります。
「足は“第二の心臓」といわれますが、ただじっと座っているだけではポンプの働きはしてくれません。動いてこそ、「第二の心臓」になるのです。

「骨髄」血液成分のチェック

きれいな血液には、末な骨と内臓が必要

骨と血液には密接な関係があります。というのも、骨は血液の主要成分である赤血球や白血球、血小板の「製造工場」なのですから。

白くてかたい骨は、サラサラ流れる血液とは対極のもののような印象があるでしょう。だから、血液が骨から生まれるなんて聞くと、ちょっと不思議な感じがするかもしれません。
たしかにイメージする白い骨自体が血球を生みだしているわけではありません。正確には、骨の中央を満たしているやわらかい組織、骨髄が造血器官として働いているのです。

赤血球、白血球、血小板は、形も働きもまったく異なりますが、もとをどれば同じもの。骨髄の造血幹細胞から生まれ、分化したものです。だから、骨は正確にいえば骨髄の造血機能がきちんと働いていることが、きれいで、健康な血液をつくる大前提といえます。

すべての血球のもとは骨の中にある

血球や血小板、また白血球の顆粒球と単球は、造血醐胞から分萄化した骨髄系幹細胞から生まれ、骨髄の中で育ったあと、血管の中に旅立っていきます。白血球のうちリンパ球は、造血幹細胞から分化したリンパ球系幹細胞から生まれます。

血液のガンは骨髄の問題

白血病や再生不良性貧血といった、いわゆる「血液のガン」は、骨髄の造血機能が、なんらかの理由で正常に働かなくなったために起こります。
白血病は、未熟な白血球が骨髄の中で異常に増殖し、正常な白血球細胞の増殖が抑えられてしまう病気。再生不良性貧血は、造血幹細胞が減少し、赤血球、白血球、血小板がいずれもいちじるしく減少してしまう病気です。

ガン予防のための習慣

「血漿」血液成分のチェック

必要な物質もゴミも運ぶ液体

血球以外の液体成分である血漿。そのおよそ9割は水分でタンパク質や脂質、ブドウ糖、ホルモン、血小板とともに働く血液凝固因子など、命に欠かせない必要物資を溶かし込み、体中に運ぶ役割をしています。
もちろん、血漿そのものは運ぶものを決めることができません。
なんだって運ぶのです。
食べ過ぎが続いたり、消化・吸収の働きが低下していると、糖や脂肪がかたまりになって血漿の中を浮遊します。こうした浮遊物はプラークと呼ばれます。プラークはなんの役にも立たないごみです。

たとえ必要な成分でも、増えすぎればいいことはありません。みな血漿中に漂う汚れになってしまいます。血液がきれい・汚れているという判断は、血渠が運ぶ荷物の種類や状態、量によるわけです。

なお、「血清」という言葉も、よく見聞きすると思います。試験管に入れた血液を放置しておくと、下のほうに血球などの固形成分がたまってかたまります。
このかたまりには血液凝固因子も含まれています。上澄みの液体が血清です。つまり、血祭から血液凝固因子が除かれたものが血清です。一般におこなわれる血液検査では、この血清が含む、いろいろな物質の有無、量を調べているのです。

「血小板」血液成分のチェック

緊急時に活躍、出血を止める

血小板は赤血球白血球よりもずっと小型の円盤状をした血球です。

平常時にはあまり出番のない血小板ですが、けがで血管が破れたときなど、緊急時には活躍します。
血小板には、粘着性と凝集能力があります。
そのために血管が傷ついて出血すると、損傷部分に血小板がくっつき、傷をふさいで出血を止めたり、血管の修復をする働きをします。

血小板のもつ粘着能力と凝集能力には、血管を詰まらせる原因になるかたまり(血栓)をつくってしまうという、こまった側面もあります。詰まらせるほどの大きなかたまりにはならなくても、血小板が凝集した状態は、血液の流れを滞らせてしまう原因になりかねません。

もちろん、「だから血小板は少ないほうがよい」ということではありません。少なすぎれば、出血しやすく、また止血しにくい状態になってしまうのですから。血栓や凝集をまねく状態をさける…。つまり、血液をきれいな状態に保てば、血小板も「こまった側面」をみせないですむのです。

血小板に関する検査

少なすぎても多すぎてもよくありません。

  基準値
血小板(PL) 15~40万個/mm3

「白血球」血液成分のチェック

外敵と闘う防衛の役割

私たちのからだの中には、呼吸や飲食などを通じて、いろいろなものが入り込んできます。無害なものならいいけれど、なかには細菌やウィルスなどの病原体もまぎれています。

こうした外敵から、からだを守る大事な役目を果たしているのが白血球です。白血球の働きがなければ、私たちの血液は異物だらけに。

血液をきれいにする大きな役割をもつ血球といえます。白血球といっても、形や性質によって種類はいろいろで、防衛のしかたも異なります。

まずは「食べて無害化する」方法。これは好中球や単球という白血球の担当です。「抗体をつくって対抗する」方法はリンパ球の担当です。

リンパ球にはT リンパ球(T細胞) とBリンパ球(B細胞) の2種類があります。抗体をつくる実行役はBリンパ球、「抗体をつくれ」とBリンパ球に命令するのはTリンパ球の役目です。

がん細胞をやっつけるナチュラルキラー細胞(NK細胞)も、リンパ球の仲間です。異物を直接、攻撃・退治する好中球は1.5日と短命なのに対し、免疫システムを担うリンパ球は比較的に長生きです。抗体をつくるB細胞の寿命は10~20日間程度、そして指令役のT細胞は、免疫反応を記憶するという重要な仕事があるため、10年間も血管内で生き続けます。

あらゆる手段で防衛する

白血球は形や性質によって、大きくは「顆粒球」「単球(マクロファージ)」「リンパ球」に分類されます。顆粒球は、さらに性質の違いから「好中球」「好酸球」「好塩基球」の3 つにわけられています。

体を守る貪食作用

体内に細菌などの異物が侵入してくると、まず好中球や単球(マクロファージ、貪食細胞ともいう)が集まってきて、異物を取り込んで消化し、無害化してしまいます。

抗体をつくって守る免疫

体内に侵入してきた異物(抗原)をTリンパ球(T細胞)がとらえ、Bリンパ球(B細胞)に異物に対抗する抗体をつくるように命令、指令を受けたBリンパ球は抗体を生産し、血液中に放出します。再度、同じ抗原が侵入してきた場合には、すぐに大量の抗体がつくられ、抗原を無力化します。

白血球に関する検査
  基準値
白血球数(WBC) 4000~8000個/mm3

「赤血球」血液成分のチェック

赤い色の血をつくる酸素の運び屋

血液が赤いのは赤血球があるからです。ひと目で「赤い」とわかるのですから、血液中にたくさんの赤血球が含まれていることは容易に想像できますね。

実際、血球のほとんどは赤血球であるといってもいいくらいです。肺で受け取った酸素を体内の細胞に供給し、細胞から二酸化炭素を回収してまわる役目を果たしているのが赤血球、正確いえば、赤血球の中にぎっしりつまったヘモグロビン(血色素)です。

運搬役のヘモグロビンの量が減ってしまうと、細胞が酸欠状態に陥ってしまいます。この状態が「貧血」です。正常な赤血球は、丸いクッションの真ん中をくぼませたような形をしていて、直径約7~8ミクロメートル(1ミクロメートルは1000分の1ミリメートル)、厚さはおよそ2ミクロメートルほどの小さなもの。ひとつつひとつの赤血球は、約120日、だいたい4ヶ月でその寿命を終えます。

酸素の運び屋は「ヘム鉄」

ヘモグロビンは、ヘムという鉄分を含んだ赤い色素と、グロビンというたんばく質とが結合したもの。鉄は酸素と結びつきやすい性質をもっているので、ヘモグロビンが酸素をいっぱいつけて全身のすみずみの細胞まで酸素を運んでいきます。

赤血球に関する検査

少なすぎれば貧血です。ただし、多すぎるのも、血液がドロドロになって血栓ができやすくなるため、よい状態ではありません。

 
基準値
  男性 女性
赤血球 400~550万/mm3 350~450万/mm3
ヘモグロビン 13~18g/dl 12~16g/dl
ヘマトクリット 40~50% 35~45%
     

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