食事

β-グルカン キノコに多い注目の成分

キノコは、食物繊維が豊富で超低カロリー、肥満を解消するのにもってこいの食品。でも、そればかりではありません。血液をきれいにしてくれる効果も高いのです。

活性酸素の発生を抑え、からだのサビを防ぐ

最近、脚光を浴びている食品にキノコ類があります。ダイエットにいい、なんてことばかりではありません。アガリクス、メシマコブなど、免疫力を高め、がんの治療に役立つと期待されるものも続々と登場しています。

キノコ類に注目が集まる理由のひとつに、β-グルカンという成分があります。これはキノコ類にたくさん含まれている多糖類の一種。免疫機能をアップさせる効果があるとともに、からだのサビをまねく活性酸素の発生を抑える働きがあります。

活性酸素は、動脈硬化ができる要因のひとつ。細胞の遺伝子を傷つけ、がんを発生させるおそれもある危険な存在です。この活性酸素退治に働いてくれる成分のひとつがβーグルカンなのです。そればかりか、血糖値を下げたり、血圧を正常にする効果も期待されています。キノコ類は種類が多く、和食をはじめ、中華料理や洋食にもピッタリの食材です。毎日の食卓に登場させたいですね。

摂取量

1日のなかで、キノコを使った料理を1品、加えるようにすれば十分にとれます。

キノコ類は種類も豊富、プラスアルファの効能も期待大

いろいろなタイプのものをとるようにしましょう。いずれにも共通する、βーグルカンがとれると同時に、それぞれのキノコ特有の有効成分も摂取でき、より高い効能が期待できます。

シイタケには、コレステロールを体外に排出し、動脈硬化を予防する働きをもつ成分、エリタデニンが、マイタケには、血糖値の上昇を防ぐマイタケX - プラクションという成分が含まれている。

水洗いはさっと汁もが最適

βーグルカンは、水に溶ける性質をもっているので、キノコ類の水洗いはゴミをサッと落とす程度にとどめるのが大事。また、キノコの有効成分をムタなくとるには、たっぶりの野菜といっしょにキノコ鍋、キノコスープなど、成分が溶けだした汁も飲める汁ものが最適です。天ぶらにしても、焼いても炒めてもおいしく食べられます。
ハナビラタケ増強食は、βグルカンの量がアガリクスの3~5倍もある。

食物繊維 血液の汚れをとるお掃除屋さん

便秘の予防・解消に役立つ食物繊維。腸の機能アップで血液をきれいにする効果だけでなく、直接、血液の汚れをお掃除してくれる役割もあります。

直接的、間接的に血液をきれいにしてくれる

食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」があります。野菜や豆、穀類などに多い不溶性食物繊維には、水分を吸収してふくらむ性質があります。

便のカサを増して便通をよくしたり、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えたりと、おなかの調子を整えることで、間接的に血液をきれいにしてくれる効果があります。

一方、海藻などに多く含まれている水溶性食物繊維には、便をやわらかくして便通を整える効果がありますが、このほかに、コレステロールの吸収を抑えたり、コレステロールからつくられる胆汁酸の排出を促したり、過剰なナトリウムを体外に出し、血圧を安定させる効果もあります。胆汁酸がからだの外にどんどん出ていけば、新しい胆汁酸をつくるのにコレステロールが利用されます。

その結果、血液中のよぶんなコレステロールが減ることに。つまり、水溶性の食物繊維には血液の汚れを直接的にとる効能もあるわけです。

食物繊維の摂取量

1日あたり、20グラム以上はとるようにします。ただし、サプリメントなどで大量にとると、下痢をしたり、ミネラル分の吸収を妨げるおそれがあります。

豆、海藻、野菜なら根菜類。「伝統食」を活用しよう

食物繊維といえば野菜、というイメージが強いのでは? でも、生野菜のサラダばかりでは、あまり量がとれません。昔ながらの伝統的な食材は、イモ頬、ゴボウなど食物繊維たっぶりの根菜頬や豆類、水溶性食物繊維の多い海藻類を活用しましょう。

生野菜だけじやない、食物繊維の補給源
穀類
白米より胚芽米、玄米のほうが食物繊維が多い。
豆類
納豆や枝豆なら手軽に摂ることができる。
根菜類
ごぼうは食物線維のかたまり。
果物
水溶性食物繊維をとりやすい
いずれも多め
海藻類
味噌汁の具はもちろんサラダにもおすすめ
キノコ
プラスαの効果も高い
スープや汁ものなら、水溶性食物繊維も逃がさずとれる

割合の違いこそあれ、上記に示した食材の大半は2つのタイプの食物繊維を含んでいます。水溶性食物繊維は水に溶けだしてしまいがちですが、みそ汁、スープなど、汁ものの具にすれば、溶けだした食物繊維もとることができます。煮物の場合は、薄味にして煮汁まで食べるのもよいでしょう。

乳酸菌 腸の機能をアップさせよう

おなかの調子は、血液の状態を大きく左右します。乳酸菌など、腸内でよい働きをしてくれる善玉菌を増やして、おなかの調子を整えましょう。

腸の機能が高まれば、血液もきれいに

糖類に働きかけて乳酸をつくる細菌類が乳酸菌です。よく知られているビフィズス菌のほかにも、いろいろ仲間がいます。ヨーグルトや乳酸菌飲料だけでなく、チーズやバター、しょうゆ、みそなどができるのも乳酸菌のおかげです。

乳酸菌は私たちの腸のなかにも棲みついています。腸内の乳酸菌は、腸の働きを活発にしてくれる善玉菌。善玉菌が増えると、有害物質をつくる腸内の悪玉菌の繁殖が減って消化・吸収機能がアップ、便通を改善する効果も。

いずれも、きれいな血液を保つために有効です。また、乳酸菌にはコレステロールを減らす働きがあることもわかってきました。乳酸菌の菌の表面には、コレステロールをくっつける性質があるのです。

食品に含まれる乳酸菌は、胃酸で死滅してしまうものも少なくありません。でも、腸に届く前に死んでしまった場合でも、コレステロールを身につけて体外へ出ていったり、腸内で生きている善玉菌のエサになったりと、腸内環境を整えてくれる効果は望めます。

乳酸菌の摂取量

ヨーグルトなら1日カップ1 杯、130g 程度はとりましょう。乳酸菌そのものを、サプリメントでとる方法もあります。

ヨーグルト、乳酸菌飲料が手軽な供給源

乳酸菌を手軽に、しかも効果的にとるには、牛乳を乳酸菌で発酵させたヨーグルトや乳酸菌飲料がおすすめです。とくに特定保健用食品に利用されている乳酸菌類は、胃の中で死滅しにくく、生きたまま腸に届きやすい種類のもの。免疫力を高めたり、がん予防効果が認められているものもあります。ヨーグルトや乳酸菌飲料を選ぶときのめやすにしましょう。

生きたっま腸に届く乳酸菌
  • ビフィズス菌
  • BE80
  • ラクトパチルス菌
  • LG21
  • LC1
  • GG
  • ロイテリ菌
  • ガセリ菌SP株
  • アシドフィルス菌
  • L55
  • ヤクルト菌
  • L・カゼイ・シロタ株
オリゴ糖をプラスすれば、いっそう効果的

糖質の一種、オリゴ糖には、腸内の善玉菌の工サになって、善玉菌を増やす働きがあります。ハチミツやきなこなど、天然のオリゴ糖を含む食材をヨーグルトのトッピンクにもちいれば、腸内環境の改善に、いっそう役立ちます。
乳酸菌&オリゴ糖 2つの力でおなかスッキリ