食事

クエン酸 血中の「疲れのもと」を消す効果がある

食品に酸味をもたらす成分のひとつにクエン酸があります。酸っぱさのもと、クエン酸には、疲労回復はもちろん、血液をきれいにする効果もあります。

燃えかすを出さずにエネルギーをつくる

酢の効用が見直されていますが、その効能のもとになるのがクエン酸です。ブドウ糖が燃えてエネルギーが生まれることは、もうご存じですね。

でも、ブドウ糖だけあればよいというわけではありません。ブドウ糖が燃えるためには、ビタミンや酸の働きが必要です。燃焼過程にかかわる酸は、まずクエン酸から始まって、全部で8種類の酸に順番に変化していき、エネルギーをつくり終えると、再びクエン酸に戻るというしくみがあります。

これを「クエン酸サイクル」とよんでいます。ブドウ糖の燃えかすが残らないようにするためのしくみです。ブドウ糖の燃えかすは、乳酸などの疲労物質に変化して血液中に漂い、肩こりや疲れの原因に。食品から積極的にクエン酸をとると、クエン酸サイクルが強力にまわりはじめます。そのため燃えかすができにくくなり、疲れにくくなる、というわけです。腸の働きを活発にしたり、ミネラル類の吸収を助けるのにも、クエン酸が効きます。

クエン酸の摂取量

1日1回以上は酢を使った料理を食べるように心がけましょう。疲労がたまっているときは、酸味の強い食材をそのまま食べてみて。

酸っぱい食材に含まれている

クエン酸は、身近な酸っぱい食材に含まれています。酢をはじめ、梅干し、レモンなどの柑橘類などが手軽な補給源です。

料理にも酢を活用

酢のもの、マリネ、南蛮漬け、酢豚、すしなど、酢を使うメニューを増やしましよう。食卓には、しょうゆやソースだけでなく、酢も常備しておきましょう。つけじょうゆは酢で割ったり、ドレッシングにさらに酢を追加したりと、酢を使う機会を増やしやすくなります。血圧が高い人は酢を上手に活用することで減塩になります。
酸味を利用する | 減塩食にチャレンジ – 高血圧を改善する方法

ミネラル類 各種ミネラルはバランスが大事

きれいで元気な血液をつくるのに必要なミネラルは、鉄以外にもいろいろあります。ただし、多ければ多いほどよい、というわけではありません。

絶妙なバランスをくずさないようにする

ミネラルにはさまぎまな種類があり、互いにバランスをとりながら、からだの働きを調整しています。もちろん血液や血管への影響も大きい栄養素です。ミネラルをとるうえで、いちばん注意したいのは、絶妙なミネラルバランスをくずしてしまわないようにすることです。

たとえば、高血圧をまねく原因のひとつに、ナトリウム(塩分)のとりすぎがありますが、カリウム不足も血圧を上げることがわかっています。
カリウムにはよぶんなナトリウムを排泄して血圧を下げる作用があるのです。
必須ミネラル「カリウム」 | 血圧対策

また、カルシウムにはマグネシウムとともに血圧を調整する働きがあります。カルシウムが血管壁の筋肉細胞を収縮させて血圧を上げ、マグネシウムが逆に弛緩させて血圧を下げています。

骨を強くしようと、カルシウムを一生懸命とるときは、マグネシウムの補給も考えなければいけません。ただし、マグネシウムの多い食品をとっても、肉や冷凍食品、清涼飲料水などに多く含まれているリンをとりすぎると、吸収が妨げられてしまいます。

ミネラルの摂取量

食材のかたよりがでないようにすれば、過不足なくとれます。サプリメントでの補給は慎重に行います。

多種類の食材をまんべんなく、とくに魚介類積極的に

食品によって、含有するミネラルのバランスは異なりますが、魚介頬や海藻頬などは、活用しがいのある食材。肉食にかたよりがちな人は、海の幸をとることを心がけて。

血圧を下げるミネラル「マグネシウム」

血圧を下げる。大豆、納豆、種実類こ多い

カリウム

血圧を下げる。野菜や果物に多く含まれている

血液をきれいにするミネラル「亜鉛」

免疫力の働きをアップさせる。カキ、ホタテ、レバー、カシューナッツ、アーモンドなどに多い

クロム

血中のコレステロール値を下げる。ビール酵母、貝頬(アサリ、ハマクリ、カキなど)、キノコ頬、海藻類などに多い

セレン

抗酸化作用をもつ。不定すると免疫力が低下する。魚介頬(ワカサギ、イワシ、カレイ、ヒラメ、ホタテ、カキ、ハマグリなど)、レバー、ニンニク、玉ネギなどに多い
たまねぎは解毒、精神安定、抗酸化作用にも優れ、夏バテ、不眠、シミ、しわにも有効

生鮮食品を食べる機会を増やす

加工食品やインスタント食品などには、リンやナトリウムなどが多く含まれています。「便利だから」と利用しすぎると、ミネラルバランスがくずれがちです。

鉄 赤血球の主成分。不足すれば貧血になる

鉄は赤血球のヘモグロビンの主成分。全身の細胞に酸素を届けるという、大きな仕事をしています。「鉄の在庫切れ」が起こると、貧血になってしまいます。

しっかりとって、十分にためておこう

成人の体内には、ふつう3グラム前後の鉄があります。そのうちの約7割が、ヘモグロビンの成分になって酸素を運んでいる鉄。

残りは肝臓などにたくわえられて、酸素運搬係の鉄が不足した場合に、それを補う役目をしています。鉄は体内でつくることができません。

外側から補う、つまり鉄を多く含む食品をとることが必要です。鉄のとり方が少なかったり、出血が増えると、体内の鉄不足が起こってきますが、酸素運搬係の鉄が足りなくなっただけでは、自覚症状は起こってきません。貯蔵用の鉄をやりくりしながら、カバーしているからです。

でも、出る一方で入るものが少なければ、やがて貯蔵用の鉄も底をついてしまいます。こうなると、息切れ、めまいなどの貧血症状に悩まされることに。貯蔵用の鉄を十分にたくわえておけるだけの鉄を、毎日の食事でとるようにしましょう。

とくに、月経のある女性、月経過多や子宮筋腫の人、妊婦、授乳婦、痔の人、高齢者などは、鉄が欠乏しやすいので注意が必要です。

鉄の摂取量

1日あたり、10~12 mg。妊娠・授乳期の女性は20 mgは必要です。ただし、大量にとるのも危険。サプリメントで補うときは1日40mgを超えないようにしてください。
鉄分の摂取で全身を元気にする

吸収しやすいのは動物性食品に含まれる鉄

鉄は、動物性食品だけでなく、野菜、海藻などの植物性食品にも含まれています。体に吸収されやすいのは動物性食品がもつ鉄。赤血球の材料になるヘム鉄という形で含まれているため、非ヘム鉄の多い植物性食品より4~7倍も吸収率が高いのです。

鉄を多く含む食品
動物性食品
  • レバー
  • 赤身の肉
  • わかさぎ
  • いわし
  • はまぐり
  • カキ
  • アサリ
植物性食品
  • ヒジキ
  • ほうれん草
  • 小松菜