「血液がなければ生きていけない」というのは常識でしょう。でも、あらためて考えてみると、命を左右するほどの働きって、どういう意味なのでしょうか?
全身の細胞に「命のもと」を運ぶ
私たちのからだは60兆個もの細胞の集まり。ひとつつひとつの細胞は、酸素や栄養素を取り込んで、エネルギーをつくりだしています。
エネルギーがなければ、細胞の命、そして細胞の集合体である私たちの命は保てません。そのエネルギーのもとになる酸素や栄養素などを、全身の細胞に絶えず送り届け、老廃物となった二酸化炭素などを細胞から回収する働きをすることこれが、血液のもつ最大の働きです。
このほか、細菌やウィルスなどの病原体から私たちのからだを守るのも血液の役目。また、体温を一定に保つ働きもあります。だからこそ、からだ中に網の目のように血管が張りめぐらされ、その中を真っ赤な血液が流れているのですし、血液の状態が、全身の健康状態を左右することにもなるわけです。
サラサラと流れる血液ですが、その容積のうち液体成分は60% くらい。これを「血漿」とよんでいます。残りの約40% は、「血球」とよばれる、形のある固形成分が占めています。
血液の働き
- 酸素や栄養の運搬
- 細胞が働くためには酸素や栄養素が必要。血液は、からだの外から入つてくる酸素や栄養を全身の細胞に運び、老廃物を細胞から回収しています。
- ホルモンの働き
- 体内でつくられる、ホルモンなどの情報伝達物質を、必要な器官に届けるのも血液の役目です。
- 体温を一定に保つ
- 血液が全身に流れていることで、私たちの体温は一定に保たれています。
- 感染を防ぐ
- 体内にはさまざまな細菌やウィルスが侵入してきますが、血液はこれらの病原体から身を守り、感染症を防いでくれます。