感染症のなかでも、性的接触で感染する病気を「性感染症」といっています。とくに若い世代で急増しているのが気になるところ。あなたは大丈夫でしょうか?
血液にはハッチリ、感染の証拠が!
性感染症かどうか、血液検査で調べることがあります。これは病原体そのものを検出したり、病原体に対してつくられた抗体の有無を調べるため。
血液にはバッチリ、感染の証拠が残っているわけです。性行為を通じて感染していく病気はいろいろありますが、若い世代ではクラミジア感染症が急増しています。男性が感染すると、排尿のときに尿道に不快感やかゆみ、排尿痛を感じたりします。しかし、女性は自覚症状がほとんどなく、知らない間に膣から子宮へと炎症が進み、きちんと治療を受けないと不妊症の原因になることもあります。
エイズのように、性器のみならず全身をむしばむ病気もあります。血液中に入り込んだエイズを引き起こすウィルスが、免疫システムの司令塔、T細胞を攻撃して、からだの防御機能をズタズタにしてしまうのです。
最近は男女の性交でうつる例が大半で、しかも感染者の数は増え続けています。いまだ、このウィルスの撃退法はみつかっていないだけに心配な病気です。
予防策を怠らない
性感染症は、性交のとき、きちんとコンドームをつけていれば、多くの場合、予防できます。でも、いちばんの予防策は決まったパートナー以外とはしないことです。「性交なんてあいさつ挨拶みたいなもの」と、よく知らない相手と気軽にふれあっていれば、それだけ感染する機会も多くなるのですから。
感染してしまったら、すぐに治療を受けること。このとき、パートナーがいる人は相手にも検査をすすめてください。気づかぬうちに相手が感染していれば、自分だけ治しても、また感染をくり返すことになります。
気になる性感染症
- エイズ
- ウィルスの活動が活発になると、免疫力がどんどん低下し、あまり害のないカビや細菌ですら撃退できず、さまざまな感染症にかかりやすくなってしまいます。
- クラミジア
- 性器の炎症が進み、女性も男性も、不妊の原因になることがあります。
- 梅毒
- 全身に菌が広がり、脳の神経がおかされてしまうことも。
- 淋病
- 性器の炎症が進み、女性も男性も、不妊の原因になることがあります。
- カンジダ
- 性器のただれが強くなります。体調がわるいときには再発しやすくなります。
- 尖圭コンジローム
- 性器を中心にできたブツブツが、いつまでも消えません。原因になるウィルスは、子宮がんを引き起こす危険もあります。
- 性器ヘルペス
- 性器にできた水疱がつぶれて、激しく痛みます。きちんと治さないと、体調がわるいときなどに再発をくり返します。
- B型肝炎
- 肝炎の発症で、肝機能が低下します。