便秘解消のための腸浄化

胃腸をあたためる白湯で便秘を改善する

アーユルヴェーダという言葉をきいたことがあるでしょうか?世界最古の歴史をもつといわれる、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでは、便秘は、消化する力の乱れによって起こるものだと考えられています。そして、その消化力の乱れ(便秘)には、大きく分けて3つのタイプがあります。1つめは良い状態と悪い状態に波がある不安定なタイプ、2つめは消化する力が強すぎるタイプ、3つめは慢性的に消化する力が弱くて鈍くなっているタイプです。

それぞれのタイプで、異なった便の特徴があります。不安定なタイプでは、便は硬くコロコロしています。消化力が強すぎるタイプでは軟便ぎみで、逆に弱いタイプではねっとりした重い便です。

アーユルヴェーダにおいての健康な便とは、しっかりした形で、においはなく、スルッと楽に出て水に浮くものをいいます。

しょうが白湯で腸の冷えをとる

先に述べた3つのタイプのどの便秘も、「しょうが白湯」で改善することが期待できます。白湯(さゆ)には、胃腸をあたため、内容物を押し出すはたらきがあるのです。

消化力が不安定なタイプの場合も弱いタイプの場合も腸が冷えている状態なので、腸をあたためることが大切です。しょうがには、白湯と同じように体をあたためるはたらきがありますから、白湯にしょうがを加えるとさらに効果的になります。さらに、クミンとコリアンダーというスパイスを加えると、あたためるだけでなく、消化力を安定させてくれます。

ただし、胃腸に炎症がある人は、しょうがを入れるのを控えましょう。

毎食後に、カップか湯飲みに1杯ずつ飲むのがおすすめです。慣れないうちは、1日に1杯から始めるとよいでしょう。

しょうが、クミン、コリアンダーのスパイスは、パウダー状のものが市販されているので、手軽にしょうが白湯が作れます。

副交感神経を高める習慣をつけ腸を元気にする

腸内環境を整えるために、朝起きてから、また、夜眠りにつく前などに行うとよいことを紹介します。これらを習慣にして、腸から体を健康にしましょう。

朝の行動をゆっくりにして体をリセットする

1分でも長く眠っていたいし、何かと忙しい朝は多くの人がバタバタしてしまうでしょう。でも、あわただしく過ごす朝は、自律神経にとっては良くない生活習慣です。それは、朝起きてから忙しく動きまわると、交感神経が跳ね上がり、副交感神経が一気に劣位になるからです。朝は、副交感神経優位から交感神経優位にスイッチが切り替わる時なので、その時こそ注意が必要になります。

自律神経が急激に切り替わるのを防ぐには、ゆっくり行動することを意識する、これが大切です。例えば、ゆっくり朝食をとる、ゆっくり歯をみがく、ゆっくり新聞を読む、というふうに、何かひとつでもいいから、ゆっくりを意識して行動することで、自律神経を上手に切り替えることができます。

口角が上がると自律神経が整う

「笑う門には福来たる」ということわざがありますが、笑顔でいると病気が良くなる、悪い症状が緩和するなどといった話しを聞いたことがあります。

笑顔になることは、本当に、私たちの体に良い影響を及ぼし、病状をも和らげるといいます。それは、笑顔でいると副交感神経が優位になって、免疫力が高まるからです。

さらに、心からの本当の笑顔でなく、口角を上げるだけのつくり笑いでも、同じような効果があるといいます。ですから、落ち込んだりしている時には、キュッと口角を上げ、笑顔をつくるようにしましょう。それだけで自律神経が反応し、副交感神経が上がってきます。リラックスするためのスイッチを入れることが重要なのです。

入浴と睡眠で副交感神経を高める

副交感神経を優位にするには、夜の入浴と睡眠も重要になります。お風呂は39℃くらいのぬるめのお湯に、20分~30分浸かり、じんわりと額に汗をかくのがよいです。お湯の量は胸より下の半身浴がおすすめです。

睡眠については、できるだけ6時間くらいは眠るようにしましょう。睡眠不足だと、副交感神経が下がってしまいます。それから、理想の睡眠をとるには、就寝の3時間前には食事を済ませましょう。食事をすると交感神経が高まるのですが、食後すぐでは副交感神経が高まらないからです。

また、寝る前にパソコンや携帯を操作するのは、興奮して交感神経が高まるので良くありません。体をリラックスさせることで、副交感神経は高まるのです。

自律神経の乱れが血流を悪くする

体の健康は血液で決まる

さまざまな病気は、血液の質と流れが悪くなることによって起こります。がん、心臓疾患、脳疾患をはじめとしたどんな病気も、それは共通していることです。

さらに、病気の原因をつくっている血流の悪さは、日常生活の場面でもみられます。例えば、人はとても怒っている時には、健康な状態とはいえません。それは、怒りを覚えると血液の質が悪くなるからです。血液の質が悪くなると、酸素や栄養素がうまく取り込めなくなります。それと同時に、一種の緊張状態になって、血管が収縮し血流が悪くなるのです。

しかも、それは怒っている時だけでなく、不安な時や緊張した時でも同じことが起きています。

健康な体を保つには、血液の質がとても大切です。そして、その質を決めるのが腸なのです。腸内環境が良くて腸の活動が正常であれば、それだけ質の良い血液をつくることができます。

このように、腸は、食物の栄養を吸収しながら、血流の質を決めるという大切な仕事もしているのです。

腸のはたらきをコントロールしているのは自律神経です。自律神経には、不安や緊張の時に活発になる交感神経と、リラックスしている時に活発になる副交感神経があるのですが、腸には、副交感神経のはたらきが大きな影響を及ぼします。

腸などの内臓は、食後や就寝前などに副交感神経が優位にはたらき、心と体がリラックスしている時に活発になります。

自律神経が健康の鍵を握る

心臓や胃腸の働きは自律神経が乱れると鈍くなり、血流も悪くなって、さまざまな病気の症状を引き起こしやすくなります。

ですから、病気にならないようにするには、自律神経を整え、血流が良い状態を保って、質の良い血液をつくる腸の状態も良くしておく必要があります。