便秘解消のための腸浄化

腸の冷えが便秘を引き起こす

便秘も下痢も腸が冷えていることが一因

体の冷えで悩んでいる人は多いと思いますが、それと同時に、便秘で悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

それは間違いではなく、便秘の原因のひとつには、体の冷えがあるのです。

冷え症といえば、特に女性の多くが日頃から悩んでいる不快な症状で、便秘に悩んでいる人もどちらかといえば男性よりも女性に多いことから、便秘と冷えに関連があることはわかると思います。

血流が悪くて、寒い冬だけでなく夏にも足の先が冷えているという人は、実は足の先だけではなく、ふくらはぎや太もも、そして腸まで冷えている可能性が高いのです。

腸が冷えていれば、腸の活動も弱くなり、蠕動運動(ぜんどううんどう)を起こして便を排出するという機能が鈍くなる、つまり便秘になってしまいます。

腸の機能が衰えて、栄養や水分を吸収することがうまくできなくなってしまうと、便秘だけでなく下痢を起こすこともあります。便秘と下痢を繰り返しているという人は、腸が冷えきっていることが考えられます。

血流を良くして骨盤内の冷えをとる

腸の冷えは足の冷えからきているので、便秘を改善すること、また、便秘と冷えの両方の体質を改善していくことにつながります。

冷えを改善するには、血液の循環を良くし、血流をアップさせるのがいちばんです。

直腸の手前に、便が詰まりやすいS状結腸があるのですが、そこを刺激して血流を上げていきましょう。腰骨を挟むようにして指先が下になるように左手を腰に置き、親指に力を入れて下の方へ押します。

これは、トイレで座りながらもできます。先のようにS状結腸を刺激し、それにプラス、座りながら左足を5センチくらい上げて、そのまま10秒キープします。これを数回繰り返すと腸が刺激されて、便の排出が楽になります。

お尻や足の筋肉は体の中でも大きな筋肉なので、ここを動かすことで血液がたくさん流れるようになります。そして、繰り返し行うことで、足の先から太もも、骨盤内の血液の循環が良くなって、足や腸の冷えが改善され、腸が元気に運動するのが期待できます。

便秘は冷えが原因

体型のくずれにも腸が関係している

ポッコリしたお腹やお尻のたるみ、O脚など、体のラインのくずれを気にしている人はたくさんいると思います。

ポッコリお腹を毎日見ていると、本当にガックリくるものです。大きく膨らんだお腹の中には、便秘で便が溜まっている、あるいは脂肪が溜まっていると思われがちですが、このポッコリしたお腹のもともとの原因は、弱ってしまった腸にあります。

ポコッと膨らんで見える部分は、小腸のうちの回腸といわれるところです。小腸では、食べたものが消化吸収されるのですが、腸が弱っている状態だと、まだ消化されていない食べものがこの部分に溜まりやすくなります。

どんなに体に良いものを食べたとしても、それが消化されないで残っていれば、腸内で腐敗が起こり、血液が汚れて血流も悪くなります。そうなると、脂肪を燃焼するときに必要になる酸素の供給が足りなくなるので、太りやすい体質になってしまいます。そして、体型のくずれにも影響するのです。

お腹がポッコリしている状態は、お腹の前でスイカを抱えているようなものです。重い物を抱えるには、脚を開いて立つほうが安定するし、体を少し後ろへ反らせたほうが楽です。ですから、ポッコリお腹でいるうちは、知らぬ間にこういった姿勢になっているということで、その結果、体のラインはくずれてしまいます。

がに股やO脚の人、猫背の人、お尻と太ももの境がわからないような人は、ポッコリお腹で腸が弱った状態が長く続いたことで、そうなってしまった可能性が考えられます。このような全身のバランスを改善していくためにも、腸が元気であることは重要になります。

健康な腸とは、やわらかいものです。緊張してかたくなってしまった腸は、優しくほぐしてあげることが大事です。夜眠る前に、簡単なマッサージなどを行って、腸の緊張やコリをほぐしましょう。

自律神経を整え血流が改善すると細胞が活性化して腸内環境も整う

聞いたことがあるかもしれませんが、自律神経には、交感神経と副交感神経という2つの神経があります。この自律神経は、呼吸器や循環器、消化器の活動などを、私たちの意思とは関係なく、無意識のうちにコントロールしているのです。

交感神経というのは、日中や体を動かしている時に活発になり、副交感神経は夜間や安静時、リラックスしている時に活発になります。普通はこの2つの神経のバランスが保たれています。

そして、自律神経のバランスが乱れると、私たちの体には、さまざまな不調があらわれます。現代に生きている多くの人々が、多忙な生活やストレスによって自律神経が乱れ、健康を害しているといわれています。

自律神経の乱れを正すことができれば、血管が拡がって全身に質の良い血液を、しかもじゅうぶんに送ることができ、体はどんどん元気になります。

細胞が活性化されると、日常生活に必要なエネルギーが細胞内で効率良く生成され、代謝の活動が活発になります。ですから、全身の細胞のひとつひとつが元気になって、例えば肩こりや腰痛といった体に出る痛みが改善されたり、腸をはじめとした内臓のはたらきも活性化されます。

腸は全身の健康をつかさどる重要な臓器ですから、特に、免疫力に影響を与える腸内環境が整うことで、病気にかかりにくくなるのです。

副交感神経を優位にする呼吸法

副交感神経がつかさどっている体のはたらきの中で、呼吸だけが唯一、自分の意思でコントロールできます。

ストレスを感じると、呼吸は無意識に浅くなり、血流も悪くなります。そんなときは、息を長く吐いて意識的にゆっくり呼吸することで、副交感神経を高めることができます。

息を吸うのが1秒だとしたら息を吐くのが2秒となる、1対2の呼吸がおすすめです。4秒吸ったら8秒吐くくらいを目安として、ゆっくり呼吸することを心がけましょう。

日頃から、深呼吸することを意識しておくことも大切です。