食物繊維と乳酸菌が腸のはたらきを良くする

腸の不調が全身の不調を招いている

食事をして私たちが食べたものは、食道を通って胃に入り消化されたあと、小腸で栄養分が吸収され、大腸で不要な老廃物や毒素が便となってつくられ体外へ排出されています。

このように、腸は、私たちが健康に生きていくためにとても重要な器官です。腸の中に便という老廃物が溜まったままで、何日間も便が出ない状態が便秘です。そして、そんな状態が長く続けば続くほど腸内が腐敗し、毒素が吸収されてしまっているので、肌あれ、頭痛や肩こりなど、体のいろいろな部分に症状が出るようになります。代謝が落ちるので、太りやすくもなります。

また、肉体だけでなく精神的にイライラすることが増えたりもしてさまざまな支障をきたすので、たかが便秘くらいと放っておくのは、とても危険なことなのです。

しかし、便秘は、毎日の食生活を見直したり、運動をおこなったりすることで、ほとんどは改善させることができます。健康な体を保つために、意識して腸に必要な栄養成分を取り入れたり、体を動かしたりしましょう。

食物繊維と乳酸菌は便秘改善に効果的な栄養素

腸のはたらきを促進させるために欠かせないものといえば、まず食物繊維があげられます。体内では食物繊維を消化できないため、腸内の汚れをからめ取りながら、繊維質は体外に排出されます。

ペクチンやアルギン酸などの水溶性食物繊維は、りんごや柑橘類といった果物、わかめ・こんぶなどの海藻類に多く含まれていて、水分を多く含むため、便をやわらかくしたり、また、出しやすくしてくれます。

一方のセルロースなどの不溶性食物繊維は、ごぼうなどの根菜やかぼちゃ、いも類にも多く含まれていて、こちらは便の量を増やし、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を促します。

このように食物繊維には、水溶性と不溶性のふたつの種類がありますが、両方をバランス良く摂取するのがいいといわれています。

そして、もうひとつの大切な成分が乳酸菌です。腸内には、免疫力を上げて病気などから体を守る善玉菌や、腸内を腐敗させ便秘や下痢を引き起こす悪玉菌などが存在しています。乳酸菌は善玉菌の代表で、ヨーグルト、漬け物やキムチ、納豆などの発酵食品に多く含まれているので、こういった食品を積極的に摂るようにしましょう。

また、便通をスムーズにするためには、水分を摂ることも重要です。健康な人の場合には、1日に2リットルくらいの水分を摂取します。

普段から便秘がちで便秘薬を常用しているけれど、できれば便秘薬はのみたくないという人は、こちらで紹介されているフジッコの善玉菌のチカラ カスピ海ヨーグルトの乳酸菌カプセルのような食品を摂取することで、腸がまた蠕動運動(ぜんどううんどう)を再開できるかもしれません。カスピ海ヨーグルトに含まれる乳酸菌クレモリス菌FC株が生きて大腸まで届き、便通を改善します。

お酒の飲み方

腸とアルコールの関係について気になっている方お多いかもしれません。お酒のいい面は、百薬の長といわれるように、適量なら問題ありません。

次にデメリットですが、まずアルコールは、肝臓にダメージを与え、同時に消化器系にも様々な影響をもたらします。例えば、お酒を飲みすぎますと、胃が荒れ、時には胃壁が壊れ吐血することもあります。

また飲酒後に強く嘔吐したりすると、「マロリーワイス症候群」という食道と胃の境目の亀裂から出血することがあります。またアルコールは、口腔がん、咽頭がん、食道がんのリスクも高めます。

お酒をよく飲む人、あるいは飲み屋などで働いている人が食道ガン、咽頭ガン、喉頭ガンになったという話も耳にします。咽頭ガン、喉頭ガン、食道ガンなどの死亡率を調べると、飲酒しない人の10万人あたりの死亡率は15人弱です。週2、3回、ビールを1杯飲む人は20人前後の死亡率です。これが毎日4杯以上飲む人になると35人以上が死亡しており、死亡率は飲酒の量とともに増加しているのです。

アルコールは胃と小腸から吸収され、肝臓で代謝・分解されてアセトアルデヒドになり、最終的に解毒され、水と炭酸ガスになります。また腸の健康を中心に考えると、この中間物質であるアセトアルデヒドが、腸壁を刺激したり、細胞を傷つけることで、がんの発生率を高めるといわれています。

最近ははとんどの研究によってアルコールは、大腸がんの危険因子という結果が出ています。しかしそうはいっても、おつきあいや食事の楽しみの一部としてお酒を飲むことまで諦めるのはちょっと極端すぎるように思います。

お酒は適軍であれば、心身をリラックスさせる効果もあるので、適量を上手に飲めば腸にもいい影響を及ぼすでしょう。
腸のことを考えたらお酒の量と種類に注意を払って欲しいと思います。

例えば、ワインは、身体を温める作用に優れているといわれ、特に赤ワインはポリフェノールがたっぷりと含まれていて、様々な病気の原因になる活性酸素の中和に優れた役割を発揮します。

また活性酸素が原因で起こる動脈硬化、脳血栓、心臓病の予防のはか、がん予防にも期待が持たれています。また最近では、適量の赤ワインを飲んでいる人はアルツハイマー病の発症率が低いという琴告もあります。

しかしワインの適量はグラス1杯(125ml)と意識すること大前提です。お酒は、くれぐれも適量を守って飲むようにしてください。

アルコールの1日の適量の目安は、ビール500ml(中瓶1本)、日本酒180ml(1合)、焼酎、110ml度数25のもの)を目安にしてください。またアルコール度数と比例して発がん率がアップするというデータもありますので、注意してください。

自分がアルコール依存症かもしれない?という方はこちらでチェックしましょう。

ブーム再燃のセンナ茶、アロエ茶には十分注意する

食品やダイエットには流行がありますじそして腸はその流行に左右されやすい境遇にある臓器とも言えるでしょう。そのような流行に腸は左右されるのですが、最近は、健康茶ブームが腸の健康を脅かしています。

ここ最近は「やせるお茶」や「宿便をすっきり出すお茶」のブームの一環で、アロエ茶、センナ茶が高い人気を得てランキング入りしています。広告でもよく目にします。

これは非常に危険なブームです。これらのお茶は、大腸を刺激するタイプの下剤に含まれている成分、アロエ、大黄、センナと同じ成分が入っているものなのです。ですから健康によい、腸によいと思って飲んでいても、結果的に下剤依存と同じ状況に陥り、腸壁が真っ黒になってしまう可能性大です。

お茶を飲んでいる量や頻度によっては、下剤よりもひどい状況に陥るケースがあるかもしれません。また複数の成分がブレンドされたお茶を飲む場合も、その成分をきちんとチェックしてくだざい。お腹によいもの、惑いもの、どちらも入っている場合があるからです。「健康によい」という謳い文句を過信しないようにしていただきたいと思っています。

特に健康志向の方は、快方という言葉に弱いのか、漢方成分という注釈がつくと、すべて健康によいと思ってしまう傾向があります。しかし繰り返しいいますが、いくら漢方薬であってもアロエ、大黄、センナは腸の不調の原因になります。くれぐれも注意してください。

最近は薬の規制緩和の影響で、インターネットの通信販売で市販薬が買える世の中になりました。近くに薬局がない方、身体の不調で薬を買いに外に出るのが難しい方など、インターネットでの薬の販売で便利になる方も多いかと思います。

しかし一方、薬の大量購入も可能になります。もひどい便秘に悩み、1日50錠などという、下剤の大量服用をされる方がいます。薬局の対面販売では、大量購入はありえないかと思いますが、

インターネット通販では可能です。そうしてますます症状が悪化してしまうのが、とても心配です。知識がないまま安全と思い、下剤の代わりに漢方薬を入手して服用するケースもこれからさらに増えていくと考えられます。

インターネットでの薬の購入は、特別な事情がない限り、避けていただきたいと思います。薬は、薬局の対面販売で購入し、その際にきちんと自分の症状を相談し、薬剤師の指導やアドバイスを聞きながら、適正な種類のものを適正な量で入手するのが、腸にとってとても大切です。

便秘解消のためのお茶(一覧)

牛乳でなくて豆乳を飲もう

便秘に効く飲み物のイメージは「牛乳」という人が多いでしょう。 しかしお腹がゴロゴロする、ゆるくなるという人も多いように思います。

世界に目を向けてみるとこのように牛乳好きの国民は、意外と少数派です。特に牛乳とヨーグルトに関しては、日本人とイギリス人が好んで摂っています。

アメリカでは肥満が社会問題にもなっていますので、カロリーの高い牛乳は推奨されず、低脂肪の豆乳がすすめられています。
牛乳は栄養価が高い飲み物ですが、腸の健康から考えると低脂肪でカロリーが控えめの豆乳のほうがおすすめです。
大豆タンパク質 最初に注目すべきはやはり植物性の大豆タンパク質です。レシチン レシチンは卵黄にも含まれている成分で、血管の健康を保ち、脳の情報伝達をスムーズにし、記憶力や集中力にも影響するのではないかと考えられています。

豆乳は、カルシウムとマグネシウムのバランスもよく、マグネシウムは便を軟らかくする作用があります。

また必須アミノ酸やオリゴ糖も豊富に含まれているので、腸内環境が整います。さらに豆乳はポリフェノール類の一種であるイソフラボンも多く含むので、ホルモンバランスが崩れがちな女性には特に積極的に摂っていただきたいと思います。

豆乳は、牛乳のようですが大豆を主原料にした食品です。大豆を水に浸してすり摂して、そこに水を加えて煮詰めた汁を漉したものです。

豆乳には、大豆の汁を漉しただけの「無調整豆乳」と飲みやすいように調味料を加えた「調整豆乳」えると「無調整豆乳」がおすすめですが、苦手な人も多いので、自分で味を調整をして飲むのもおすすめです。

イソフラボンの力
大豆イソフラボンは、大豆の胚芽に含まれている植物性化合物でポリフェノールの一種で、女性ホルモン(エストロゲン)に似た構造をしています。乳がんは、エストロゲンの過剰分泌が原因のひとつと考えられています。大豆イソフラボンは、エストロゲンが足りなければ補い、多すぎるときには減少させようと働くため、乳がんなどのホルモン依存型のがん予防にも効果が期待されています。
サポニンの力
サポニンは、石鹸の泡が油脂を溶かして水で洗い流すように、血液中のコレステロールや中性脂肪などの血液中の余分な脂質を洗い流してくれ、肥満予防によいといわれています。また、サポニンのもう一つの大きな働きは、抗酸化作用です。体内の細胞膜を構成する脂質は、加齢や活性酸素によって過酸化脂質(サビ)に変化します。サポニンにはこの動脈硬化と身体の酸化(=老化)を予防するといわれています。
オリゴ糖
豆乳に含まれる大豆由来のオリゴ糖は、腸内環境を整えてくれるビフィズス菌や乳酸菌の栄養源となります。善玉菌を増やし、免疫力を高めて腸壁を刺激し便通をよくする働きとなります。
フィチン酸
豆類や穀物類に含まれているフィチン酸は、糖類の一種で細胞を活性酸素から守り、発がんを抑制する働きがあると期待されています。

ほかに

オリーブオイルは腸ストレスに最適

腸にはオリーブオイルがおすすめ、とよく耳にしたり目にするようになりました。ここでそのまとめと、オリーブオイルの選び方をご紹介したいと思います。

まずオリーブオイルの主成分はオレイン酸です。このオレイン酸は、一時的に多く摂った場合は小腸で吸収されにくい成分なので、腸壁をゆっくりと刺激することができます。また大腸を刺激し、さらに老廃物と混じって腸管内の便をなめらかにして、排便をスムーズに促す役割があります。

またオリーブオイルを他のオイルと比べた場合ですが、他のオイルは主に小腸で吸収されることが多いので、大腸まで到達するオリーブオイルは、まさに腸内環境を整えるのには最適です。

オリーブオイルには、その酸度や味によっていろいろな種類があります。まず一番のおすすめは、エクストラバージンオリーブオイルです。オリーブの果実をその涼ま搾ったオイルで、エクストラバージンオリーブオイルはその中でも最高級品になります。

風昧がよくそのままスプーンで飲むこともできます。どんな料理とも相性がよいのが特徴です。またエクストラバージンオリーブオイルには、稀少な有機栽培のオリーブの果実をそのまま搾ったものもあります。
特に品質に優れているので、さらに安心して料理に取り入れることができます。

食用で使われているオリーブオイルのひとつに、ピュアオリーブオイルがあります。これは主に精製したオリーブオイルとバージンオイルをブレンドしたものです。使用する油の量が多い揚げ物などに適しています。

精製オリーブオイルとは、酸度が3.4 % 以上であるランパンテバージンオリーブオイルを精製したものです。精製するとポリフェノールなどの身体によい成分も除去されてしまうため使い分けが必要です。

またオイル同様にオリーブの果実も解毒作用があるのでおすすめです。ブラックオリーブやグリーンオリーブのピクルス、オリーブオイル漬けは、缶詰でも市販されていますので、そのまま食べたり、サラダにプラスするのもおすすめです。

腸のためにおすすめのオリーブオイルの使い方は、伝統的和食にエクストラバージンオリーブオイルをプラスして、地中海式和食にするのがベストでしょう。キッチンに常備するのは腸寿の常識かがみにしたい習慣ですが、さらに小瓶で職場のデスクにも常備すると、腸が喜びます。

最近は、エクストラバージンオリーブオイルも店頭でも多数置かれるようになりましたので、エクストラバージンオリーブオイル選びに迷ったらこちら
ランキング形式で紹介されています。

食物繊維たっぷりのご飯にする

腸の健康に欠かせない食物繊維は意識しないとなかなかしっかり摂ることができません。しかしそうはいっても不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があって働きも異なり、食物繊維の総量は1日25gで、さらにその配分が2対1とか、それらを多く含む食物は何と何で…。ちょっと疲れてしまいます。気持ちもいっばいで、私には無理! となってしまう方は多いと思います。

そこで難しいことは全部忘れて、とりあえず食物繊維摂取を増やすために「ゴハン」を食べてください。しかし普通の「ゴハン」ではありません。腸内環境を整える食物繊維ゴハンのすすめです。
作り方は

  1. お米」1号に粉寒天を小さじ2分の1の割合で追加します。
  2. 炊飯器にお米と粉寒天を入れ、軽くかき混ぜ、1合分の水加減で炊きます。

粉寒天をお米にまぜることで手軽に食物繊維を補えます。

腸のために毎日食べたい寒天

もうひとつのおすすめ腸内環境を整えるためのゴハンは、発芽大麦入りゴハンです。玄米との大きな違いは、食物繊維のバランスです。100gあたり、不溶性食物繊維3.6 g、水溶性食物繊維6.O gで、水溶性食物繊維が優位なので腸に負担をかけません。
また小腸の免疫力をアップさせるグルタミンも多く含み、腸寿的にはもっともおすすめです。米2合に発芽大麦120gを入れて炊くと、おいしい発芽大麦入りゴハンができます。

発芽大麦は、水溶性食物繊維を豊富に含んでいますので、粉寒天や発芽大麦で、2種類の食物繊維を上手に食べることができます。

ここで注意したいのは、玄米の使用です。マクロビオティックなどで玄米ごはんを推奨しているため、実践している方も多く増えています。しかし腸内環境を整えるための食生活の観点からいうと、腸の調子が万全でない方や、慢性的な便秘に悩む人には玄米は消化に時間がかかるので、おすすめできません。

特に便秘に玄米がいい、と思っている方も多いのですが、大量に摂取すると未消化になります。それが便秘の原因になっている本末転倒なケースもありますので、注意が必要です。腸のための食事は、主食で食物繊維を補えますので、あとは副菜で調整するだけで簡単に腸のためのメニューが出来上がります。

ちなみにゴハンは、何も手を加えたくないという人はイサゴールがおすすめです。イサゴールは不溶性食物繊維の水溶性食物繊維の割合がベストの2:1です。

人は誰でも寿命の制限がある

もし、人生が150歳まであるとしたら、どんな生き方をしたいですか? たとえばあなたが40歳だったとしたら、まだ110年間もの人生が残っています。これからなんだってできるような希望が湧いてくるでしょう。これは夢物語ではありません。上手に生きれば、人は150歳は難しくても125歳まで寿命を延ばせることがわかっています。

人は誰もが「寿命の回数券」を持って生まれています。「定期券」ではなく「回数券」です。人生の長さは定められたものではなく、自分が「寿命の回数券」をどのように使うのか、その使い方しだいで決まるのです。ここでは、その「寿命の回数券」についてお話ししましょう。

「寿命の回数券」とは、細胞内にあるテロメアと呼ばれる構造体です。私たちの体は、約60兆個もの細胞からできています。それぞれの細胞は核を持ち、核の中には46本もの染色体が入っています。この染色体は、遺伝情報を担うDNA によって形成されています。

DNA は二重らせん構造を成すとても長い物質ですが、特定のタンパク質に巻きついて、最終的に英字のX状の生体物質になります。これが染色体です。さや染色体の末端には、テロメアが鞘のようにかぶさっています。染色体がほどけて不安定化が起こらないよう、守っているのです。

このテロメアこそが、人間の寿命を決定づけています。人間のテロメアは、誕生時には約1万塩基対ありますが、毎年平均して50塩基ずつ短くなっていきます。これが約5000塩基対まで短くなったとき、細胞は死滅します。細胞の寿命が尽きれば、やがて人の寿命も尽きます。1万塩基対のテロメアが5000塩基対になるまで、年50塩基封ずつ減少すると計算すると、100年かかります。つまり、人は誰もが100歳の寿命を持って生まれついていることになります。

ではなぜ、100歳を待たずに多くの人が亡くなっていくのでしょうか。このテロメアの短縮のスピードが、人によって異なるからです。これが、テロメアを「寿命の回数券」と呼ばせるゆえんです。テロメアは自分の使い方しだいで短縮のスピードは速まりもし、ゆるやかにもなります。そして、短縮のスピードをできる限り遅らせることができれば、100歳の寿命を最長125歳まで延ばせるのです。

それでは、どうすることが「寿命の回数券」を上手に使うことになるのでしょうか。

テロメアが短縮するのは、細胞分裂のときです。私たちの体を構成する60兆個の細胞のうち、毎日約2 パーセントの細胞が新しく生まれ変わっています。その数とは、1兆2000億個という膨大な数です。今この瞬間にも、古く劣化した細胞が死に、新しい細胞に入れ替わるという作業が、次々に私たちの体内で繰り返されているわけです。

そうやって細胞分裂を繰り返しながら、私たちの体は生命を維持しています。しかし、そのたびにテロメアは短くなっています。このテロメアの短縮は自然現象であり、万人に等しくもたらされるもので、防ぐことはできません。ただ一方で、個体差が大きく現れる短縮の仕方があります。それは、病気による細胞分裂です。病気によって死滅した細胞を補うときに、細胞は分裂を速めます。肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病は、細胞が死滅しやすく、分裂を速める病気です。

生活習慣病になると寿命が縮まるのは、病気がテロメアを減らしてしまうからだったのです。

「寿命の回数券」を上手に使うには、腸内細菌を元気にすることです。多くの病気は、腸内細菌のバランスの乱れから生じます。病気を予防し克服する力となる免疫の約70パーセントを、腸内細菌が決めているからです。腸内細菌が数を増やし、腸内フローラを整えるような食生活を送っていれば、免疫が増強され、病気を防ぐことができます。すなわち、「寿命の回数券」の上手な使い方とは、本書で紹介していく腸を大事にする生活術を日々実践していくことなのです。

また、活性酸素もテロメアの短縮を進めてしまう物質です。テロメアを形成しているのは、DNA とタンパク質です。活性酸素は、テロメアのD N A を分解し、タンパク質を酸化させて、壊してしまいます。活性酸素を大量に浴びるたびに、テロメアの短縮はどんどん進みます。体内の活性酸素量を増やすことは、寿命を短くすることに直結するのです。

ですから、テロメアを守るには、体内で活性酸素が発生するような行為を避けること。それとともに、活性酸素の害を消すような食物を食べること。この2つも重要になってきます。これは、腸内細菌を活性酸素の書から守る行動に重なります。腸内細菌も、活性酸素を浴びると大きなダメージを受けてしまうからです。

つまり、腸内細菌を守る生活は、そのままテロメアの短縮をゆるやかにする生活 にな るのです。

ただし、テロメアと腸内細菌の違うところがあります。一度の不摂生や病気により両者に甚大なダメージを与えてしまったとしましょう。腸内細菌の場合、それを克服すれば、腸に残っていた細菌たちががんばって働きだし、再び数を増やしていきます。しかし、テロメアは一度短縮し、消滅したものを、再生させることができません。一度使った回数券は、再び使えないのと同じです。

医者でも糖尿病を患ったことがある医師はいます。現在は、糖質制限食を実践することにより、血糖値も中性脂肪も正常値に治まり、体重も10 キログラム減って適正体重をキープしています。しかし、その二度の大病の際に、テロメアの数を大きく減らしてしまったと自覚しています。

また、若かりし頃、研究に熱中して徹夜をし、ストレスから逃避したい脳を満足させるために暴飲暴食を繰り返してしまったことがあります。テロメアの存在がまだ知られていなかった時代の話ですから、しかたがないといえばそうなのですが、あの頃にも、私はテロメアを短縮させていたはずです。

その反省から言わせてもらえば、不摂生は活性酸素を大量に発生させる悪習です。テロメアの存在を無視して2度くらい大丈夫だろう」と食生活を乱せば、そのぶんテロメアが短くなります。そのテロメアは、高齢になって後悔したところで、取り戻すことはできません。

今後、私はテロメアを慈しむようにして、「寿命の回数券」を大事にする生活をしていきたいと思っています。人生125年と思えば、まだまだ行いたいおう研究を思う存分できる気がしてきます。ともに長寿人生をエネルギッシュに謳か歌していきましょう。

腸にNGな食べ方とOKな食べ方

老化を防ぐのに一番いい方法は「My乳酸菌」乳酸菌生成エキス

「My乳酸菌」=「自分の乳酸菌」を増やすことの重要性は数え切れないほどあります。「医者いらず」のコツはすべて「My乳酸菌」にあるといっていいでしょう。「My乳酸菌」が増えれば、老化も防げるし、病気も治るし、精神状態もよくなるし、いいことづくめなのです。最近、東北大学農学部の斉藤忠夫教授からメールをいただきました。腸管表層部を覆っている「ムチン」に多量なA BO 血液型物質が存在し、A 型やB型に相応した乳酸菌が結合しているということです。

それらの乳酸菌を「A型乳酸菌」と「B型乳酸菌」と名付けたというものです。つまり、A型の人の腸には「A型乳酸菌」が、B 型の人の腸には「B型乳酸菌」がそれぞれ定着しているということです。

しかし、最近の腸内細菌の研究では、乳酸菌は血液型だけではなく、個人個人ですべて異なることがわかってきました。しかも、その乳酸菌は生まれた直後に腸に定着し、死ぬまで同じ種の乳酸菌が生き続けていることが明らかにされたのです。

私には私の「My乳酸菌」、あなたにはあなたの「Your乳酸菌」が腸のなかにそれぞれ棲みついているということです。乳酸菌などの善玉腸内細菌が少しでも増えれば、大勢の日和見菌が味方して、体も心も健康になるnoのです。

私たちの老化を防ぎ、病気を治し、精神状態をよくするには自分の乳酸菌=「My乳酸菌」を増やすことが必要不可欠だということです。健康のために毎日ヨーグルトを食べましょう、とよくいわれていますが、私は食べていません。

たしかにヨーグルトのなかには乳酸菌やビフィズス菌などの善玉腸内細菌がたくさん含まれていますが、それらは「My乳酸菌」とはまったく違うものなのです。それに乳酸菌やビフィズス菌は腸に届く前に胃酸などによって約90%が死んでしまうのです。しかし、だからといって「ヨーグルトを摂ることは無意味だ」ということではありません。一部の食品メーカーは「生きて腸に届く乳酸菌」を開発して、宣伝していますが、生きたまま腸に届かなくてもいいのです。

死んだ乳酸菌の細胞壁が腸の免疫柵胞を刺激して、免疫力を高めてくれるのですから。さらに乳酸菌が死んだときに排泄する「乳酸菌エキス」が「My乳酸菌」を増やす作用があるからです。

私は毎日、「乳酸菌生成エキス」を飲んでいます。乳酸菌は必ず「仲間の乳酸菌を増やす因子」を持っています。「乳酸菌生成エキス」には、その仲間を増やす因子が凝縮しで含まれているからです。

おかげで私は70歳をすぎた今でも、元気に若さを保つことができているのです。ぜひみなさんも私の方法を参考に、腸に棲んでいる「My乳酸菌」を増やして、いつまでも元気で若々しい人生を送っていただきたいと思います。

肥満は感染する、腸内細菌が体質、性格までも左右する

腸内細菌が減少すると記憶力が低下する

腸内で腸内細菌が形作る環境を、腸内フローラと呼びます。善玉菌も悪玉菌も含めた、腸細菌叢の別称です。そして、実は「肥満は感染する」ですが、それには、腸内フローラが、大きく関係しています。

眉に唾をつけたかたも多いでしょうが、ほんとうの話なのです。肥満が感染するという論文が、2010年、アメリカの有名な科学誌「サイエンス」に掲載されました。

実験は、次のようにして行われました。腸の中に細菌を持たない無菌マウスと、肥満しているマウスとをいっしょに飼います。すると、太っているマウスの腸内細菌が、無菌マウスの腸のなかに感染し、著しい肥満になつてしまうのです。つまり、肥満したマウスの腸内フローラがコピーされたようなもの。文字どおり、肥満は、腸内細菌を介して、感染するのです。

ヒトの場合でも、やせた人の腸に棲んでいる腸内細菌と、太っている人の腸に棲んでいる腸内細菌では違いがあります。もしかすると、太った家系の人は、生まれるときに家族から腸内細菌を感染させられているかもしれません。つまり、肥満になるかならないかは、腸内フローラが決めている可能性が高いのです。そのほかにも、腸内細菌が問与している新たな事実が知られるようになってきました。

例えば、自閉症は、腸内フローラが関係していると判明しています。腸内フローラに問題がある母親マウスが産んだ子は、自閉症になります。ところが、この自閉症のマウスに、プロパイオテイクスを与えると、自閉症の症状が改善すると報告されているのです。

また、ラットを拘束して動けなくさせると、ラットにストレスがかかり、ストレスホルモンが分泌されます。ところが、ラットに前もってプロバイオティクスを与えておくと、ストレスホルモンが分泌されにくくなります。つまり、乳酸菌をとっていると、ストレスに対する耐性が生まれるのです。

近年、「キレる」子供の問題がしばしばクローズアップされますが、腸内環境が整うと、キレやすい性格が緩和される可能性が出てきました。脳の発達にも、腸内細菌がかかわっていることがわかってきました。BDNF(脳由神経栄養因子)という物質があります。脳の海馬などに存在し、神経細胞を活性化し、その増殖を促す物質です。記憶力とも関係が深いとされています。実験的にマウスの腸内細菌をなくしてしまうと、このBDNFが発現しなくなります。また、脳の海馬の近くに、人間の情動をつかさどる、扁桃体という部位があります。腸内細菌がないと、扁桃体でもBDNFが発現しなくなってしまいます。

つまり、腸内細菌が不足すると、記憶力が低下したり、無感動や無感惜になつたりする恐れがあるのです。

多品目の食品の摂取で腸内細菌の種類が増加

腸内細菌と肥満は大いに関係があります。例えば、肥満の患者さんの腸内細菌を調べると、腸内フローラが非常に乱れていることがわかります。

腸内細菌は、もともと種類が豊富で、多種多様な菌が存在しているはずです。ところが、肥満の人の腸内細菌は、実に種類が少なく、特定の悪玉菌が非常に多く見受けられます。

腸内フローラが乱れていると、メタボになりやすくなるのです。そこで、そのような場合に効果的な具体策をご紹介しましょう。

まず、ヨーグルトやキムチ、納豆などの発酵食品を食べることです。そして、できるだけ多品目の食品を食べましょう。

多品目の食品を摂取すると、その種類の豊富さに合わせて、腸内細菌の種類もふえるとされています。以前、「30品目の食品を食べよう」とさかんに提唱されたことがありましたが、腸内細菌の種類をふやすという意味では、それは的を射た提案なのです。

さらに、腸内環境は、加齢とともに変化します。若いうちは小腸の吸収力が強いため、摂取された食物は、大腸に達するころには、栄養をしぼり取られた残りカスになります。

しかし、年齢を重ねると、小腸の吸収力が低下するため、まだ栄養分が残っている消化物が大腸に届くのです。すると、腸内細菌が、異常に発酵してしまいます。

こうして悪玉菌がふえた状態が続くと、メタボになり、さらに動脈硬化、心筋梗塞、大腸ガンといった病気へつながっていくのです。

病気を予防する意味でも、若いころと同じような食生活を送ることは勧められません。より少なく食べて、大腸に栄養の残った消化物が届かないようにすることが大事です。

腸内フローラのフローラとは、花を意味します。食事を改善し、いろいろな食品を食べながら、食事の全体量をへらす。これが、美しい腸内フローラを生み出す秘訣なのです。

生きた乳酸菌が腸までしっかり届く!さらにパワーアップした『乳酸菌革命』

忙しい現代人の腸は高速で老化がすすんでいる!ゆっくり規則的に食べることで若返りが可能

腸は全身の老化と密接に関連する司令塔の働きをしている

私たちの体は、加齢により老化していきます。しかし、体の中の臓器がそれぞれ同じペースで老いていくかというと、決してそうではありません。実は、老化のペペースメーカーとして機能するのが「腸」なのです。

最近、p16というたんばくの発現をマウスで長期問観察した研究が報告されました。p16は、ガンの抑制遺伝子で、これが発現すると、細胞が老化してきた目安になるのです。その結果、p16が最も早く発現したのが、腸と腎臓でした。
臓器のうちでも、腸と腎臓が最も早く老いるのです。

これは、腸と腎臓が最も多く血液を使う臓器であることが関係しています。心臓から送り出される血液の分配量を調べると、腸が1位で全体の30%、腎臓が2位で20%、3位が脳と骨格筋で15%。多くの血管で養われている臓器ほど、老いやすいのです。労力が増えるのと比例しているということです。

しかも、ペースメーカーである腸が老いてきた場合、腸だけの老化が進んでいるのではありません。腸が早く老いると、それと共に、ほかの臓器の老いも促進されてしまうのです。つまり、腸が早く老いると、全身の老いも加速するのです。

内臓にはそれぞれ、その人の一生分の仕事を、最適のペースでこなすための時間が設計されています。この臓器固有の寿命、いわば臓器の賞味期限が、それぞれの「臓器の時問」です。その中でも、腸は、最も臓器の時間の流れが早い臓器です。

ただ、生活習慣やその人の心がけによって、臓器の時間の進み方を早くすることも遅くすることも可能です。私たちは老化予防のためにも、ペースメーカーである「腸の時間」の進み方をゆっくりさせる配慮と工夫が必要になります。

時計遺伝子の乱れはメタボの原因

では、腸の時間をゆっくりさせるために、どんなことに気をつければいいでしょうか。

まず第1に、過食を慎むことが肝心です。腹8分めが長寿の秘訣といってもいいでしょう。これは従来から健康を保つための必須条件としてもかならず挙げられる条件のひとつです。過食は内臓にとって大きなストレスです。
過食をくり返すと、体に栄養が余っているところに、さらに栄養が取り込まれます。このよけいな栄養分を、体は「外敵」と見なし、強いストレスを感じ、対抗しようとします。交感神経が緊張し、これ以上の栄養を取り込まないように働きます。

同時に、血圧も血糖値も高くなります。こうした交感神経のがんばりが続いた結果、人はメタボになるのです。このとき、当然に腸の老化も加速することになります。

また、食事は、できるかぎり規則正しくとったほうがいいでしょう。忙しい現代人は、「仕事の合間に食事をしがち」ですが、「食事の合間に仕事をする」ことが理想です。

近年の時計遺伝子研究の進展により、私たちの臓器も、時計遺伝子がもたらす周期性によって、それぞれリズムを刻みながら働いていることがわかってきました。時計遺伝子に異常が生じると腸の時問の流れが早くなり、メタボにもなりやすくなります。これはマウスの実験でも確かめられています。

時計遺伝子の働きを整えるためには、朝、太陽の光を浴びることが重要ですが、もう1つ規則正しい食事も重要です。それが刺激となって、周期性を調整してくれます。

そして、ゆっくりと食べることや、よくかむことも大切です。

腸の老化を抑える以外にもしっかり噛んで食べることで脳と体が鍛えられるなどの効果もあります。

食事をストレス解消の手段として考えている人がいますが、早食いは決してストレス解消になりません。逆に、腸にはストレスとなり、腸の時間をどんどん加速してしまいます。
大食い選手権のようなTV番組もよく目にしますが、腸にとってはかなり残酷ですし、老化を早めています。

目の前の食事を、ストレス解消のターゲットとして見なすのではなく、生きるために自然が与えてくれたものとして、心静かに向かい合ってみてください。食前にひと呼吸おき、「いただきます」といって食べ始める習慣をつけてみましょう。これだけでも、ただの食事が健康食になる契機になるはずです。

そして、ゆっくりと食べ、よく噛むと、岨噂の刺激が腸に、「これから食べ物が入っていきますよ」というメッセージを送ります。すると、脳がホルモンや消化液の分泌を速やかに促し、腸はストレスを感じることなく消化吸収を行えます。これによって、腸の時間が非常に効率的に使われることになります。こうした毎日の積み重ねが、腸の時間をゆったりしたものにしてくれるのです。

食事の内容については、発酵食品を食事に上手にとり入れる工夫などが大事ですが、腸にとっていい食生活ができているかどうか、目安があります。たくさんあるのですが、わかりやすいように1つだけ紹介します。
それは、毎日の便の状態で判断する方法です。「快便」なら、いい食事ができていると考えていいのです。逆に、便秘が続いたり、下痢ぎみであったり、便秘と下痢をくり返したりしているようでしたら、日ごろの食事内容や生活ぶりを1度見直してみてください。
便の中身を詳しく知るなども参考にするといいでしょう。

腸の調子が整ってくると体はスリムになり、体調が良好になります。