一般に「もやし」と呼ばれているのは、緑豆を発芽させた緑豆もやしです。緑豆もやしは、ほかのもやしよりもビタミンCが豊富です。大豆を発芽させた豆もやしもあり、こちらはほかと比較してタンパク質やカルシウムが豊富なのが特徴です。
もやしは優れた整腸食品
もやしは、一年中手にいれることができるし、値段も安価な食材で家計のお助け野菜だといえます。そして、もやしのすばらしさは、値段の安さだけではありません。腸の大掃除をして、老廃物による腸内腐敗を防いだり、改善したりするはたらきが高い整腸食品であるということが東洋医学でも注目されています。
なぜ、もやしに腸内腐敗を止める力があるのでしょう。
もやしは、芽を萌やすといって、発芽している状態をあらわす言葉が名前の由来です。植物が発芽するときにはとても強力な生命エネルギーが放出されるので、それを食べるということは、そのエネルギーをもらっているということになります。
栄養面をみると、もやしには、腸の中をきれいに掃除する成分として知られている食物繊維が豊富に含まれています。水溶性と不溶性、両方の食物繊維が豊富で、腸内の老廃物を吸着して体外へ排出し、腸内の腐敗を防止します。
また、豆のときには少ないビタミンCが、もやしになると増加します。そして消化酵素が生じ、そのほかのビタミン類やミネラルが消化・吸収されやすくなります。ビタミン類やミネラル類も、腸のはたらきを健やかにします。
東洋医学では、性質によって食べ物が4つに分類されます。それは、寒、涼、温、熱の4つです。もやしはこのうちの涼になるのですが、涼はおだやかに熱を鎮静させ興奮や炎症を抑える性質を持っています。
便秘の状態は、腸内に熱が溜まって便の水分が奪われていたり、緊張により腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)がうまく行われないことなどから起こります。つまり、もやしは涼の性質によって便通をスムーズにして、腸内が腐敗するのを防ぐということです。
ただし、涼は摂りすぎると腸の冷えにつながるので、火を通すなど温めてから食べることが大切です。