小腸は、消化・吸収、免疫を活性化させる大切な臓器で、大腸は、便をつくる役割があります。昔はそれほど重要視されていなかった大腸ですが、近年、大腸がさまざまな病気の発生源であることが明らかになりました。私たちが病気になる・ならないには、 腸年齢 が大きく関係しているといいます。
人間の皮膚や口の中、そして腸の中にも、私たちの体には多くの菌が棲みついています。腸内細菌には、よく耳にする善玉菌、悪玉菌のほか、勢いの強いほうへなびいていく日和見菌(ひよりみきん)があります。腸の中では絶えず勢力争いが起きていて、例えば、ストレスを抱えたりすると、急に善玉菌が悪玉菌に変わったりと、それぞれの菌の数は複雑に変化しているのです。
便秘の人の腐敗した腸内は病気のもとになる
腸の年齢が若いと、 善玉菌 の勢いが強いので、体が健康で、外見も若々しく見えます。
悪玉菌が腸内を腐敗させ毒素をつくり出すのですが、腸内腐敗は、 腸の老化 が原因です。悪玉菌が増えた腸は便が溜まるほどに腸内腐敗が進んで腸年齢が高くなります。大腸は、悪玉菌がつくる有害物質により傷ついて、大腸ガンや潰瘍性大腸炎などを発症します。有害物質は、血液の流れにのって全身に運ばれて、頭痛、吹き出物、アレルギー、生活習慣病などの原因になると考えられています。
しかし、腸年齢を若く保つことができれば、病気を予防したり改善することができるのです。また、成長期から成人期までに善玉菌を増やしておくと、将来、腸年齢が老化しにくいそうなので、子供の頃から腸内環境を整えておきたいものです。
およそ2人に1人の日本人女性が便秘で悩んでいるといわれていますが、腸年齢を老化させる便秘の人の生活習慣を調査してみると、食事での野菜不足、トイレの時間がなかなかとれない、運動不足、ストレスがたまっている、などがあるといいます。
女性が便秘になりやすいのは、ホルモンバランスの関係もあるのですが、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)による便意をガマンしたり逃したりしてしまうためです。朝は忙しく、会社へ行けばトイレに行きにくい、といったことから、気づけば便意は遠のいてしまいます。一方、男性のほうに多いのは下痢です。仕事のことなどでストレスを感じると、腸が刺激され腹痛と下痢を起こします。また、便秘と下痢を繰り返すこともあります。これは、神経性の過敏性腸症候群という病気です。
いずれにしても、腸の中では悪玉菌が優勢になっているのです。